キムタク家のコソ泥騒動でかいま見えた、マスコミの自己防御

木村拓哉の自宅にコソ泥が入ったが、警報装置が鳴って被害はなかったという。

ならそれでいいじゃないかと思うが、「驚くのは自宅の住所がバレていたことだ」(「日刊ゲンダイ」2008年11月1日付)などと、キムタクの自宅をどうやってコソ泥が知ったのかを一部マスコミでは問題視している。

同紙によると、タレントの住所調べは、
1.本名を押さえ、東京の高級住宅地の税務署で根気よく調べあげる
2.子供が通っている幼稚園や小学校からつける
3.コンサート会場などで、熱狂的ファンをつかまえて、追っかけ連中から情報をもらう
4.テレビ局から完全尾行したり、ハイヤー会社から送迎データをこっそり入手する
などのやり方があり、それらによってできたマル秘の住所録が記者たちの間で交換されているという。

同紙は、それが外部に漏れたのかもしれないとしながら、「ウーン、すごい」などとまとめている。

要するに、マスコミや、コアなマニア(いわゆるオリキ)だけで留まるべき情報が、一般人である「コソ泥」に漏れたから問題なのであり、キムタクの住所を上記のやり方で調べ上げる彼らの問題はとりあえずスルーといったおもむきだ。

しかし、そのやり方はいずれも問題があるのではないか。どんなやり方か知らないが、本当に税務署で調べが付くのなら個人情報の漏洩であり税務署の信頼は一気に失墜する。2はまかり間違えば人さらいやストーカーで通報されるかもしれない。4は完全な犯罪である。

もちろん、マスコミならそれくらいの調査能力を持つべきだという考え方もわかる。そのくらいしなければ特ダネをとることはできない。ただ、それが法や道徳をクリアした手段でないのなら、やはり記事としては批判的な見解も入れるべきだったのではないだろうか。そうしなかったのは、自己批判のようなことは書けないと思ったか、自分たちは特別だという意識がどこかにあったからではないか?

話は少し遡るが、ジャニーズタレントと自宅住所の問題では、今から13年前、ジャニーズタレントの住所を記した『おっかけマップ』(鹿砦社)シリーズが出版差し止めになり、長く裁判を争ったことがある。

だが、実は以前にも『有名人宅早わかり帖』(KKロングセラーズ)という、芸能人の住所をさらした出版物は存在した。

鹿砦社が裁判になったのに、他社が同じことをしても「お目こぼし」されていたのは、外部の者から見るとタレントのプライバシーを守るという大義に反するように思われる。

では、なぜ鹿砦社だけが裁判沙汰になったか。訴えられた同社の松岡利康代表は、こう指摘している。

「それ(プライバシーを売り物にすること)が持ちつ持たれつの関係で成り立っている業界の外部の者、それも、これまでこの業界には縁もゆかりもない新参者(鹿砦社)によってなされ、さらには多くの読者や支持者を獲得しようとしていることが問題だったのである。あろうことか、それは彼らが長年築き上げてきた利権構造を破壊することにもなるし、勢いに乗じて、スキャンダル暴露という手段によって、その批判さえ激しく行おうとしている。これは断じて許されないことなのだ」(『ジャニーズの歴史』鹿砦社)

要するに、芸能界と持ちつ持たれつのズブズブ関係の出版社ならやらせてやるが、そうではない鹿砦社が商売に使うのは許せないというだけのこと。タレントのプライバシーを守るというのは建前だったというのだ。

芸能関係者やマスコミ。大義や正義を振りかざしていても、利権絡みでビミョーに自己防御や自己正当化もしているわけだ。私たち読者はそのようなものに騙されないよう気をつけて本質を読み取りたいものだ。

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