キムタクと中居クンのドラマを分析する

「日刊ゲンダイ」(2009年6月5日付)では、真ん中(18、19面)の芸能欄ではなく、そのひとつ後ろの連載もののページに、木村拓哉と中居正広の番組について「大人はこんなドラマを見ない」と厳しく言及した記事を掲載している。


まずは、初回24.8%、2回目22.0%の高視聴率を記録した『MR.BRAIN』(TBS)からだ。

視聴率は好調だが、内容は疑問符がつく。ドラマ内で取り上げていない情報がいきなり明らかになって解決につながったり、トリックが”反則技”だったり、事件の真相が”犯人”の手紙で明かされたり……。木村が脳科学者だからこそ解決できたという事件でもない。
「古畑任三郎」「ガリレオ」などの人気推理ドラマや、「CSI」「BONES」「羊たちの沈黙」といった海外ドラマや映画のいいとこ取りを狙っているような印象だが、まったく消化し切れていない。放送評論家の松尾羊一氏はこう言う。
「推理モノにしてはトリックや謎解きが稚拙だし、意味不明な部分がたくさんある。ストーリーも単純で意外性がなく、なんとなく筋も見えてしまう。流行の脳科学を強引に取り入れようとしているのも無理があります。今クールで放送中の『臨場』や『BOSS』といった本格的な刑事ドラマを見ている人にとっては物足りないと思いますよ。ゲーム好きの子供やキムタクのファンなら楽しめるかもしれませんが、目の肥えた大人は離れていくでしょうね」
放送直後のWeb掲示板における酷評の一部を抜粋してご紹介したが、あながち悪意だけのヲチスレではなかったわけだ。

記事は、中居正広の『婚カツ!』(フジテレビ)も「ひどい」と酷評する。

「採用条件をクリアするために結婚したがるという設定に無理がある。主人公の描き方もハッキリしないしね。婚活するだけでは話の幅が広がらないし、家族との交流も消化不良ですよ。すべてにおいて中途半端で、視聴率が低迷しているのも納得です」(前出の松尾氏)
記事は、「SMAPだから何でもいいだろうと、お粗末なドラマを作る制作サイドに問題がある。SMAPももう少しスタッフを選んだ方がいい」と結んでいる。

SMAPが出るドラマなんて、「SMAPだから何でもいい」と思っている視聴者なしには成り立たないのではないか(笑)

最近は、過去のドラマを放送するCSやBSもケーブルテレビなどで簡単に視聴でき、選択肢も広がりテレビ番組に対する価値観も個別化、多様化してきた。だから、地上波の番組に対する視聴者の価値観も変わってきているのではないだろうか。

いいドラマだから見る、というような本格的な理由ではなく、たとえば好きなタレントがどんな役をするか見たいとか、話題になっているから一応スィッチをつけておくとか、より浅い理由から視聴し、とくに番組に対する質を求めてもいないようにも思える。

「質の高さ」は、視聴者に対する制作者側の誠実さの表れであると思うし、クリエイターの使命感でもあるだろうが、質が高いから即数字になるとは限らないところがむずかしい。

要は、「当たる作品」ではなく「(視聴者に)当てる作品」、もっとひらたくいえば、売りたいものではなく売れる物を売るという姿勢が必要なのだ。

ジャニーズ事務所についていえば、これまでドラマ作りに対してずいぶん強引なことをやってきたのだから、結果が出ない(低視聴率)ならば、叩かれること自体は仕方のないことだと思う。

ただ、それだけでジャニーズタレントの商品価値そのものをただちに断ずることもできないだろう。

視聴率は株価みたいなものだ。上がるにこしたことないが、上がれば下がることもあるし、他の不可抗力の因子で下がってしまうことだってあるのだ。

ジャニーズ事務所は、これまでも幾多の逆境を乗り越えてきた。その歩みについては、『ジャニーズの歴史 完全保存版』(鹿砦社)に詳しく書かれている。ファンはぜひご一読いただきたい。

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