稲垣吾郎は田宮二郎を再現できるか

木村拓哉が『華麗なる一族』、中居正広が『私は貝になりたい』、櫻井翔が『ヤッターマン』、香取慎吾が『座頭市』や『黒部の太陽』など、近年ジャニーズタレントがリメイクづいている。


そして今度は稲垣吾郎だ。

稲垣の場合は、リメイクというよりリバイバルといった方がいいか。かつての田宮二郎のCM、「酒は大関 春雨篇」を再現する「酒は大関 のものも篇」が25日から放送されることが話題になっている。

田宮が雨の中、小走りに駆けてくる女性に、照れくさそうに笑いながら番傘を手渡して去っていくストーリーだ。バックの歌も田宮自身が歌っていた。もう38年も前の話だ。

今回は、衣装や美術セット、カット割りやアングルまで忠実に再現したという。

当時は高度経済成長の後半で景気も良かったのだろう。酒のCMにスターがよく出ていた。「大関」には元大映の田宮二郎、「松竹梅」には日活で活躍した石原裕次郎、ビールのCMでは「若さだよ、ヤマちゃん」というフレーズを大流行させた東宝の佐藤充が出演していた。

田宮といえば大映時代、「スターはハッタリが必要だ」という持論から、大部屋なのに外車を乗り回した。

生前の最後の作品となった『白い巨塔』では、飛行機に乗っていて病人が出た時、「医師の方はいらっしゃいませんか」という呼びかけに、「私は医師です」と名乗って出たという仰天エピソードもある。

まあ、『白い巨塔』時代はM資金問題など精神的に疲れていたときだったのだろうが、それにしても、田宮の徹底した役作りは当時から有名だった。

何より、田宮の魅力といえば、どんな悪役をやっていても、弱さをかいま見せることができたことだ。

稲垣は、「当時のCMを初めて見ましたが、すごく素晴らしい。日本人が持つ優しさや心意気が伝わってきた」と感動しているらしいが、田宮の「優しさや心意気」というのは、稲垣が考えるより深いものだと思う。

はたして稲垣が、田宮二郎のそうした面まで継承できるだろうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました