ジャニーズ事務所の肖像権管理をどう見るか

ジャニーズ事務所は、日本の芸能事務所の中でも肖像権の管理にはきわめてシビアである。所属タレントの顔写真や動画を使用させないため、シルエットや似顔絵になってしまうことがある。


最近では規制が緩くなったといわれるが、たとえばこの本を見るとまだまだかな、という気がする。

1日に発売されたお馴染みの学年誌、『小学一年生 2010年 05月号』(小学館)だ。

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表紙左下部のシルエットがかかっている人物は大野智だ。こんな隠し方に何の意味があるのか。

僅かなサイズのWeb画像など、他に転用しようがない。それに、表紙のデザイン自体がこれによって壊されてしまうではないか。

ジャニーズ事務所はかつて、『武士の一分』で原作本写真掲載拒否事件を起こしたことがある。

木村拓哉が主演した作品でありながら、映画公開に合わせて文藝春秋社から発売された原作本である藤沢周平の『隠し剣秋風抄』には、推薦のオビに木村の名前だけで写真が掲載されていない。

もちろん、理由はジャニーズ事務所にある。

だが、これは原作も映画も愚弄した行為といわれている。

昨今のビジネスは、「タイアップ」「両者ウインウイン」とよく言われる。つまり、取引する者双方にメリットがあるようにしなれば話がまとまらない、ということだ。

かつて、出版社は原作を映画製作会社に渡すだけだったが、本が売れないここ数年は映画ビジネスにも積極的に参入している。具体的には、映画とタイアップして、原作本の文庫本を売る際に、主演の推薦文と写真を載せて映画公開と合わせて文庫本を発売。映画もヒット、本の売り上げも伸びるという相乗効果を狙うのだ。

『世界の中心で愛を叫ぶ』『今、会いにいきます』『電車男』『嫌われ松子の一生』など、そうした例はいくつもある。

ところが、ジャニーズの頑なな姿勢が、そうした取引を成り立たせないのだ。

三宅健が主演した映画『親指さがし』ではオビに三宅の写真を使うなと操め、かなりの額の使用料を支払うことで出版元の幻冬舎と話し合いが付いた。

前出の文春に至ってはそうした話し合い以前に、例の「ジャニー喜多川ホモセクハラ」や稲垣吾郎事件などを記事にされた恨み辛みから、名前すら使うなとごねたという。

実際にその原作で仕事をしておきながら、そんな勝手な話はない。ジャニーズ事務所は自分たちの利益を守ることに熱心だが、では原作(者)の利益というのはどうなるのだろうか。

ちなみに、『武士の一分』では木村がいろいろアイデアを出したが、山田洋次監督はニコニコ聞き流して何一つ採用しなかった。写真掲載拒否には、面目を潰された復讐という意味もあったのかもしれない。

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