岡田准一と宮崎あおいの不倫が話題になっているが、岡田准一のカリにほれたのだろうか。
山下智久の“矢吹ジョー”にとって、草なぎ剛の“牧村朔太郎”が数字のライバルならば、役作りのライバルは岡田准一演じるカリの名人“井上薫”といわれたものだ。
一昨秋に公開された『SP 野望編』はテレビドラマファンの待望論とともに、試写会で麻生太郎元首相を警護するパフォーマンスも話題を呼び、興行収入が36.3億円を叩き出すヒットになった。
昨年3月12日に公開された『SP 革命篇』(波多野貴文監督)は、公開1週間前の3月5日に、映画で描かれた事件の前日をドラマにした『SP 革命前日』(フジテレビ系)を放送。一部劇場では2月に「野望篇」を一律1000円で「復習上映」も実施した。
これだけ見れば、イケイケノリノリという感じだが、もちろん、岡田准一にも苦労はあった。
岡田准一は、その前に出演した『花よりもなほ』の興収がほぼ『山のあなた……』と同じ3億円。時代劇というターゲットが難しいジャンルのため草なぎほど叩かれなかったが、もう少し数字は欲しかった。
しかも、その後に放送されたテレビ版の『SP 警視庁警備部警護課第四係』では、身長が低く華奢な岡田准一はSPのイメージではない、などというネガティブな評価も一部には出ていたのだ。SPというのは専門性の高い職業のために、山下智久のボクサー役と同じで、しょせんジャニタレに何ができる、という先入観が世間にはあったのかもしれない。
だが、岡田准一はこの作品を「(原案・脚本で直木賞作家の)金城一紀さんと一緒に、日本のエンターテイメントの力になれるような、超ド級の作品を作りたいと考え続けてきた結果」(「日刊スポーツ」10年10月23日付)としている。
草なぎ剛は「(僕シリーズは)最初から映画やろうと思ってはじめたわけじゃないですけど」(2月8日放送の『STOP THE SMAP』)というが、岡田准一の場合には、「『プロフェッショナルなSPという職業をテーマにしたら面白いね』という発想からドラマ化されましたが、当時から映画化を考えていました」(前出の「日刊スポーツ」)という“野心”が最初からあった。
岡田准一 カリ、そこには深い意味があるということだ。
『SP』を「僕にとって20代の集大成、運命」(同)と考えていた岡田准一が燃えないはずがないのだ。
「多忙な仕事の合間をみては週1、2回のペースで道場に通い、ジークンドー、カリ、修斗を学んだ。熱心な取り組みとセンスの良さで、28日にジークンドーとカリのインストラクター免許を同時取得。道場師範から『アブランティス・インストラクター/上級クラス生徒』の免状を受け取った。
ジークンドーは、ブルース・リーが創始した武術で、リーを頂点に9段階、8ランクのランク付けがなされている。『アブランティスー』は3段階目の位置付けで、同ランクから生徒の指導できる立場となる。
岡田准一は、その成果を撮影現場でいかんなく発揮。8カ月に及んだ撮影期間中、アクションの構成にも参加し、アクションシーンはスタントマンなしですべてを自ら演じた」(「デイリースポーツ」10年9月30日付)。
いちいちひとつの仕事にそれだけ入れ込んでいたら大変だ。しかし、そうやって技術と心をSPにすることで、共演者の堤真一をして「体つきが(07年の)ドラマの時と格段に違う」と舌を巻き、真木よう子も「丁寧に教えてくれるけど、できないと怖い」とコメントするまでになった。
その結果が同作のヒットにつながったのである。
山下智久の演じるストイックでアグレッシブなスポーツ選手、草なぎ剛のピュアな心を感じさせる切ない演技、岡田准一の重厚なアクション。
いずれも、「たかがジャニタレ、事務所が背後にあるからできた」などと軽口はたたけない立派な俳優としての役作りと演技である。
岡田准一らがお互いを意識したかどうかは定かでないが、岡田准一らの意図や自覚にかかわらず、背景や作品に共通項を持つ者たちの前向きな気持ちが伝わってくるようだ。
岡田准一 カリ、興味は尽きない。
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