
長澤まさみが、「第25回東京スポーツ映画大賞」(ビートたけし審査委員長、2月28日授賞式)で、『海街diary』(是枝裕和監督)の助演女優賞を受賞したが、同主演女優賞受賞の綾瀬はるかや、新人賞受賞の広瀬すず、そしてビートたけしと「コマネチ」ポーズで高笑いが話題になった。長澤まさみにとっては、まさに高笑いしたくなる心境だったのだろう。
「東京スポーツ映画大賞」は、ビートたけしが受賞者を人選する。
すなわち、ビートたけしが、長澤まさみを選んだ、もっとはっきり述べれば「認めた」ということだ。
しかし、ビートたけしの長澤まさみ評は、そもそもそうではなかった。
2007年夏、ネタ枯れのスポーツ紙に、二宮和也と長澤まさみの熱愛報道が第一面に掲載されたことがある。
それについて、ビートたけしは、二宮和也には一切触れずに、長澤まさみだけを俎上にしてこんなふうに揶揄している。
「エーッと、長澤まさみと二宮和也が熱愛? 長澤まさみって誰? 女優?(写真を見て)こんな顔なの。普通の子じゃん。何か田舎の出で、東京の安アパートに住んでて、強盗に襲われそうな顔だな。ストーカーされそうなタイプって、たいていこういう顔だよね。今はこういうのが若手で一番人気なんだ。なるほど。」(「東京スポーツ」2007年8月28日付)
要するに、女優として認めていないどころか、存在自体も知りませんでしたよ、という最大級の「上から目線」扱いだった。
ビートたけしも二宮和也も見返した
女優としての力量評価はともかくとして、存在すら知らないということはないだろうに、と思うが、とにかくこの熱愛報道によって、当時の長澤まさみは、内定していた『紅白』の司会者を外された。
ジャーニーズ事務所の横槍で外されたといわれている。
しかも、その後は共演した明石家さんまとの確執が取り沙汰され、仕事も減り、実は役作りだったといわれる「激やせ」もおもしろおかしく取りざたされていた。
もともと、長澤まさみは、知名度やこなした仕事わりに「数字」をもっていないといわれていた。
要するに、長澤まさみ出演の作品は視聴率がとれない、ということだ。
だから、このまま、芸能人生命が終わっても仕方ないほど厳しい立場に立たされていたわけだ。
しかし、ここから長澤まさみはまた注目度をジリジリ上げる。
『都市伝説の女』というドラマで演じた音無月子役が評価され、また女優としての道が開けてきた。
そして、今回、長澤まさみは、ビートたけしから選ばれた。
いま長澤さんは新人でもない。ベテランでもない難しい位置にいる。一番悩んでいる時期なんじゃないかな、と。もう少しすれば“座長”としてやれるんだけどね。そんな中で今回の映画では、かなりいい役を与えてもらって、それを見事にこなした。これからどんどん上に上がってほしいね。
もっとも話はここで終わらず、司会のガダルカナル・タカが、長澤まさみ主演の映画は撮らないのか?
という質問に、「撮ってみたいね。アダルトビデオ」と笑わせる一言も忘れなかったが。
いずれにしても、長澤まさみとしては、こんなに愉快な受賞はないだろう。
さわやかに見返す。これは美談なのである。

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