加東大介、戦後の東宝映画黄金時代を主演・助演で支えた役者 - 芸能資料館

加東大介、戦後の東宝映画黄金時代を主演・助演で支えた役者



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加東大介(1911年2月18日〜1975年7月31日)の命日である。加東大介といえば、兄は沢村国太郎、姉は沢村貞子、甥は長門裕之・津川雅彦、沢村国太郎の姻戚でマキノ省三、マキノ雅弘、轟夕起子ら、息子の加藤晴之の姻戚で黒澤明らとも親類にある映画・演劇一族である。







加藤大介の父親の竹芝伝蔵は、宮戸座の座付き作者で演出助手。

加東大介は、もともと歌舞伎から芸能生活をスタートさせ、前進座にも所属していた。

が、1948年に映画に転じ大映京都、1951年には東宝と契約し、以後専属契約制度が残る70年まで東宝映画に多数出演。

さらにテレビドラマでも活躍した。

加東大介について語られるのが、『南の島に雪が降る』『七人の侍』『用心棒』『陸軍中野学校シリーズ』、『大番』、そして『社長シリーズ』である。

『社長シリーズ』については、もともとのレギュラーではなかった。

森繁久彌社長になってからは、小林桂樹秘書と、三木のり平宴会部長のみが当初のメンバーで、加東大介が出演するのは、初のシネスコ作品となった4本目の『社長三代記』(1958年)からである。

だが、それ以後、33作目の『続・社長学ABC』(1970年)まで出演し続けた。

役どころは、森繁久彌社長と小林桂樹秘書の間に入ったり、三木のり平宴会部長をたしなめたりといった地味な役どころだったが、たとえば、『続・社長漫遊記』(1963年、東宝)では、端唄『春雨』も披露していて、実は森繁久彌や三木のり平にも負けない芸達者であることをチラッと見せているのだ。

続・社長漫遊記
『続・社長漫遊記』より

ことほどさように、1950〜70年代の東宝映画では、主演も助演もこなす、貴重な役者であった。

倉本聰の『6羽のかもめ』は遺作になった


テレビドラマには、東宝時代から出演。

たとえば、「テレビ映画」といわれた当時の『青春とはなんだ』(1965年10月24日〜1966年11月13日、東宝・テアトルプロ/NTV)に、夏木陽介演じる野々村先生を陰ながら応援している両角先生を演じた。

最後の、というより最期の出演作品になったのが、『6羽のかもめ』(1974年10月5日〜1975年3月29日、フジテレビ)である。

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内容は、分裂を繰り返し6人になってしまった劇団員が、稽古場兼住宅兼事務所の小さな自社ビルに住み、いろいろな仕事上の出来事を経験する話だが、その「出来事」は実話に基づくとされ、原案者・倉本聰による暴露ものである。

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倉本聰の暴露物というと、昨年の『やすらぎの郷』が有名だが、当然、『6羽のかもめ』の方がずっとはやい。

劇団員6人とは、淡島千景、加東大介、長門裕之、高橋英樹、夏純子、栗田ひろみで、加藤大介は事務仕事も兼任している。

長門裕之は夏純子と事実婚の脚本家で、栗田ひろみは研究生という肩書である。

6人のほかには、彼らがたむろする喫茶店が毎回登場し、そのマスターがディック・ミネ。

いつも、うさんくさい話をして場を盛り上げている。

さらに、テレビ局が舞台となるため、テレビ局職員やプロデューサー、ディレクター役で、見たことある役者が次々出てくる。

中条静夫、穂積隆信、矢崎滋、樋浦勉、小野武彦、北浦明義……

テレビ局課長の中条静夫は、このドラマでブレイクしたといっていい。

加東大介と中条静夫

「困っちゃうんだよなあ」が口癖である。

また、後に演出家の巨匠になってしまった蜷川幸雄は、端役のプロデューサー役で出演もしているから興味深い。

6羽のかもめの蜷川幸雄

それはともかくとして、加東大介は、思えば第一回からすこしやつれている印象があった。

6羽のかもめの加東大介

そして、撮影途中でがんが発覚する。

しかし、かなり進んでいたようで、降板して治療、という選択はせず、そのまま遺作として最終回まで演じ続けた。

後半は、回を追うごとにやつれ、最終回はずいぶん縮んでしまった。

6羽のかもめ

本編終了後、打ち上げシーンがエピローグとして放送されたが、加東大介は1人杖をつき、すわっていた。

ディック・ミネが加東大介をねぎらっていたのが印象的だった。

ディック・ミネが加東大介をねぎらっていた

『6羽のかもめ』は、CSででも、また放送していただきたいものである。

フジテレビ開局50周年記念DVD 6羽のかもめ
フジテレビ開局50周年記念DVD 6羽のかもめ

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