「ポイズン・ママ」の小川真由美と小川雅代
今日は暴露の戦後史です。小川雅代が母親とのことを本に書きました。「ポイズン・ママ 母・小川真由美との40年戦争」(文藝春秋)というタイトルで、母親の名前はタイトル通り小川真由美。父親は昨年亡くなった細川俊之。小川雅代は小川真由美の一人娘です。といっても、内容は親子のいい思い出ではなく、小川真由美が占いや新興宗教にハマッたことや、母子の確執、さらには細川俊之が新しい結婚相手の干渉を受けて冷たかったことなどを暴露しています。
小川真由美といえば、70年代から90年代にかけてテレビドラマ、映画、部隊での主役を何本も取ってきたスター女優。すでに売れてから結婚した細川俊之との生活は短かく、小川雅代が2歳のときに別居、4歳のときに離婚しています。
小川雅代は小川真由美に引き取られましたが、家族は叔母一家との5人家族。小川雅代は見栄っ張りでわがまま放題で男性関係も派手な小川真由美になつけません。
一方、小川真由美は離婚や大女優ゆえのストレスから占いに凝り始めます。とにかく緑と紫が絶対だめで、絵本の表紙の葉っぱの絵まで黒いマジックで塗りつぶすほど徹底。そのこだわりは、女優としての役作りにはプラスになるのでしょうが、家族としてはたまりません。
高校も途中でやめさせられ、大人になってからも、「48日以上この家にいるとあなたが不幸になる」と実家を追い出され、何度も引っ越しを強要されたといいますから、そりや、なつくどころか憎んだっておかしくありません。
女優としてはむべなるかな、と思われる面もある生き方ですが、少なくとも母親としては論外です。
でも、どんな母親でも子どもは親を選べません。
エキセントリックなエピソードを次々披露することで母に対する「復讐」を行う一方で、憎しみ一色ではなく、母・小川真由美への複雑な愛憎を思わせるユーモアを忘れない書き方が何とも切ない。
やがて、わがままが過ぎた小川真由美は仕事を干されるようになりましたが、今度はマスコミで霊験者として紹介される女性宗教家の元で尼僧として得度。そして怪しげなビジネスに乗っかり失敗してしまいます。
小川雅代は小川真由美のもとを離れ5年。小川真由美とは一切連絡を取っていませんが、小川真由美が施設に入るお金のために本を書いた、とあとがきで告白しています。
やはり娘は親と完全に縁を切ることはできないのでしょうか。
以前、穂積隆信の「積木くずし」のときにも書きましたが、著名人が業界全体や他人を主体とした暴露本は、82年の「プロ野球を10倍楽しく見る方法」(江本孟紀著、KKベストセラーズ)から。以来、穂積隆信、ダン池田、長門裕之、中谷良、北公次、そして、郷ひろみと二谷友里恵さんの泥仕合と、暴露ものは次々登場しました。
暴露の戦後史上、もっとも反響があった「積木くずし」にしてもそうでしたが、今回の「ポイズン・ママ 母・小川真由美との40年戦争」にしても、身内の暴露は、少なくとも本人の存命中は控えるべきではないか、という意見があります。
しかし、ジャーナリズムであれ文芸作品であれ、その根本にあるのは社会や人間を暴くことです。書くことは、他者献身であり、かつ自己救済であるともいいます。
あえて母・小川真由美を書くことでそれを求めた小川雅代の気持ちを受け止めて、私は同書を親子の関係について考えるよすがにしたいと思います。
小川真由美といえば、70年代から90年代にかけてテレビドラマ、映画、部隊での主役を何本も取ってきたスター女優。すでに売れてから結婚した細川俊之との生活は短かく、小川雅代が2歳のときに別居、4歳のときに離婚しています。
小川雅代は小川真由美に引き取られましたが、家族は叔母一家との5人家族。小川雅代は見栄っ張りでわがまま放題で男性関係も派手な小川真由美になつけません。
一方、小川真由美は離婚や大女優ゆえのストレスから占いに凝り始めます。とにかく緑と紫が絶対だめで、絵本の表紙の葉っぱの絵まで黒いマジックで塗りつぶすほど徹底。そのこだわりは、女優としての役作りにはプラスになるのでしょうが、家族としてはたまりません。
高校も途中でやめさせられ、大人になってからも、「48日以上この家にいるとあなたが不幸になる」と実家を追い出され、何度も引っ越しを強要されたといいますから、そりや、なつくどころか憎んだっておかしくありません。
女優としてはむべなるかな、と思われる面もある生き方ですが、少なくとも母親としては論外です。
でも、どんな母親でも子どもは親を選べません。
エキセントリックなエピソードを次々披露することで母に対する「復讐」を行う一方で、憎しみ一色ではなく、母・小川真由美への複雑な愛憎を思わせるユーモアを忘れない書き方が何とも切ない。
やがて、わがままが過ぎた小川真由美は仕事を干されるようになりましたが、今度はマスコミで霊験者として紹介される女性宗教家の元で尼僧として得度。そして怪しげなビジネスに乗っかり失敗してしまいます。
小川雅代は小川真由美のもとを離れ5年。小川真由美とは一切連絡を取っていませんが、小川真由美が施設に入るお金のために本を書いた、とあとがきで告白しています。
やはり娘は親と完全に縁を切ることはできないのでしょうか。
以前、穂積隆信の「積木くずし」のときにも書きましたが、著名人が業界全体や他人を主体とした暴露本は、82年の「プロ野球を10倍楽しく見る方法」(江本孟紀著、KKベストセラーズ)から。以来、穂積隆信、ダン池田、長門裕之、中谷良、北公次、そして、郷ひろみと二谷友里恵さんの泥仕合と、暴露ものは次々登場しました。
暴露の戦後史上、もっとも反響があった「積木くずし」にしてもそうでしたが、今回の「ポイズン・ママ 母・小川真由美との40年戦争」にしても、身内の暴露は、少なくとも本人の存命中は控えるべきではないか、という意見があります。
しかし、ジャーナリズムであれ文芸作品であれ、その根本にあるのは社会や人間を暴くことです。書くことは、他者献身であり、かつ自己救済であるともいいます。
あえて母・小川真由美を書くことでそれを求めた小川雅代の気持ちを受け止めて、私は同書を親子の関係について考えるよすがにしたいと思います。
この記事へのコメント
液晶画面無事でよかったですね(^-^)
温かいコメントありがとうございます!
読んでみたいですね!
小川真由美・・・・そうか〜宗教にハマったの?
娘も大変な人生があったんですね。^^:
聞いて見なきゃ分らないよね〜〜♪^^
この本は読みたいと思っていましたので
記事をじっくり読ませていただきました。
血のつながりって
やっかいでいとしいものですねえ・・・
今後ともよろしくお願いします。
私も知りませんでした。
昔週刊誌に、小川真由美はどうしても子どもがほしくて
娘を生んだと書いてありましたが、
どうしてもほしい割には、あまり大事に育てたとは
いいがたいなあと本を読んで思いました。
液晶は結局壊れました。
3万ちょっとの新しいpc買いました。トホホです。
まあ、どこの家にも他人にいえないことって
あると思いますが、女優のストレスって言うのは
そんなにすごいものなのか、と思いましたね。
いやあ、別に思い出せなくても生活に支障はないと思います。
私のようにテレビばかり見ていた人間は
芸能人がどうしたこうしたという瑣末なことに
気をとられてしまうのです。
今までは今までとして
これからは旅爺さんのようにジャンボな野菜を食べて
気持ちを大きくしてすごしたいと思っています。
そうですね。他人なら付き合わなければそれっきりですしね。
小川真由美も、これまでは女優としてチヤホヤされて
きたから、身近な人の大切さがわからなかったのかもしれません。
これから老いてわかってくるのではないでしょうか。
母親というものは娘には影響を与えるもんだなぁと思いました
気をつけなくちゃ。
私生活でも、ここまでラジカルとは想像しておりませんでした!
さぞかし娘さんも、人生お母さんにふりまわされっぱなしの連続で精神的にだいぶ、まいっちゃいますよね。でも、たまにこういう人いますよね、お花畑に勝手にズカズカ入ってきて、荒らしまわっちゃうようなひと。でもそこは一つこちらが上手になって「かわいそうな人なんだ」と遠いまなざしでわかってあげることでしょうね。