毒カレー事件、科捜研捏造発覚で再審請求はあるのか!?
戦後史上、裁判でいったんは判決が出たものの、虚偽の証言や証拠の怪しさによって裁判のやり直し、すなわち再審請求された事件があります。
たとえば、免田事件、財田川事件などは死刑確定後に再審となり、一転して無罪判決が出ました。もちろん、冤罪が晴れることはいいことですが、真実がわかっても失った時間は取り戻せませんし、何より警察や検察の信用が失われることで、その後の捜査がやりにくくなり、さらなる冤罪をうむ可能性もあります。
その意味で、このニュースはかなり重いのではないかと思いました。
「日刊ゲンダイ」(8月18日付)は、捜査で押収した証拠品を分析する和歌山県警科学捜査研究所(科捜研)で、男性主任研究員による鑑定結果の捏造が発覚したことを報じています。
主任研究員は、交通事故や無理心中、変死などの事件で、別の事件の鑑定データを流用したり、鑑定書に所長の公印を勝手に押したりする手口で、10年5月~12年6月の間に少なくとも計8回の捏造鑑定結果をデツチ上げたといいます。
要するに、自分たちの取調べのつじつまを合わせるために、偽った証拠を作り上げたということです。同紙から引用します。
当時、科捜研は原因毒物を「青酸化合物」と誤鑑定。そのため初動捜査が遅れ、結果的に状況証拠だけで死刑が確定してしまいました。
公判では弁護人が、「鑑定資料の収集、保管の過程がズサンで不透明」「保管や受け渡しの際の状況が、写真などの客観的証拠で保全されていない」と不手際を批判しています。
つまり、今回の捏造発覚で、この事件も再審請求に進む可能性もあるかもしれない、という話です。
しかも、今回問題になっている捏造主任研究員は、「和歌山毒カレー事件」のときに科捜研に在籍していたそうです。
でも、このニュースを知っても、多くの方々は、“いくらなんでもあれが冤罪ということはないだろう”と思われるかもしれません。
当時、ワイドショーは、逮捕もされていない女性の日常を勝手に撮影。何度も何度も繰り返しその映像を流して、視聴者に“怪しさ感”を刷り込みました。
たとえ死刑が確定しても、推定無罪の原則からいって、当時のマスコミのやり方が許されるものとは思えません。
まさか、などと書くのは失礼かもしれませんが、免田事件、財田川事件に「和歌山毒カレー事件」が続くような展開になったら、いったい県警や検察やマスコミはどう責任を取るのでしょうか。

たとえば、免田事件、財田川事件などは死刑確定後に再審となり、一転して無罪判決が出ました。もちろん、冤罪が晴れることはいいことですが、真実がわかっても失った時間は取り戻せませんし、何より警察や検察の信用が失われることで、その後の捜査がやりにくくなり、さらなる冤罪をうむ可能性もあります。
その意味で、このニュースはかなり重いのではないかと思いました。
「日刊ゲンダイ」(8月18日付)は、捜査で押収した証拠品を分析する和歌山県警科学捜査研究所(科捜研)で、男性主任研究員による鑑定結果の捏造が発覚したことを報じています。
主任研究員は、交通事故や無理心中、変死などの事件で、別の事件の鑑定データを流用したり、鑑定書に所長の公印を勝手に押したりする手口で、10年5月~12年6月の間に少なくとも計8回の捏造鑑定結果をデツチ上げたといいます。
要するに、自分たちの取調べのつじつまを合わせるために、偽った証拠を作り上げたということです。同紙から引用します。
「科捜研の鑑定結果は、裁判で有罪、無罪を判断するキメ手となる〝超一級の証拠″です。その証拠を捏造なんて前代未聞。郵便不正事件や小沢事件で発覚した検案の捏造調書と同じか、それ以上にタチが悪い。主任研究員は『見栄えのよい資料を作りたかった』と出来心を強調しているが、証拠品に対する意識が低過ぎる。主任がこんな認識では、組織全体で捏造が常態化していたとみられても仕方ありませんよ」(元検事の弁護士)捏造が発覚したのは和歌山県警。事件に詳しい方はピンとくるでしょうが、和歌山では、かつてあの「和歌山毒カレー事件」(98年7月)がありました。
当時、科捜研は原因毒物を「青酸化合物」と誤鑑定。そのため初動捜査が遅れ、結果的に状況証拠だけで死刑が確定してしまいました。
公判では弁護人が、「鑑定資料の収集、保管の過程がズサンで不透明」「保管や受け渡しの際の状況が、写真などの客観的証拠で保全されていない」と不手際を批判しています。
つまり、今回の捏造発覚で、この事件も再審請求に進む可能性もあるかもしれない、という話です。
しかも、今回問題になっている捏造主任研究員は、「和歌山毒カレー事件」のときに科捜研に在籍していたそうです。
でも、このニュースを知っても、多くの方々は、“いくらなんでもあれが冤罪ということはないだろう”と思われるかもしれません。
当時、ワイドショーは、逮捕もされていない女性の日常を勝手に撮影。何度も何度も繰り返しその映像を流して、視聴者に“怪しさ感”を刷り込みました。
たとえ死刑が確定しても、推定無罪の原則からいって、当時のマスコミのやり方が許されるものとは思えません。
まさか、などと書くのは失礼かもしれませんが、免田事件、財田川事件に「和歌山毒カレー事件」が続くような展開になったら、いったい県警や検察やマスコミはどう責任を取るのでしょうか。

四人はなぜ死んだのか―インターネットで追跡する「毒入りカレー事件」 (文春文庫)
- 作者: 三好 万季
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2001/06
- メディア: 文庫
この記事へのコメント
何が真実かは本当はわからないこともありそうです。
最近もそうですが、マスコミによって情報が操作されているような気がしてなりません。
裁判でも・・・・なかなか真実は見えて来ない時があります。 自分の目で・・耳で確かめて納得いく情報をキャッチする力を付けないとね!^^
以来マスコミには常に不信感を抱いております・・・
体質が悪いとこいわれても仕方ないですね
これからもよろしくお願いいたします。
そうですね。とくに冤罪を受けた人は大変ですね。
あれはどう見ても、一方的な一般人いじりでしたね。
でも、何かの間違いで「明日はわが身」になるかもしれない
ところが怖いところですね。
そうですね。人が人を裁くというのはむずかしいですね。
私もやられた側ですが、せめて、自分がされたらどうか、
という意識はいつももってほしいと思いますね。
そうですね。冤罪があると、そうでないものまで
実は冤罪だったのでは、と疑われてしまいますしね。
禍根が残りますね
取調べの可視化とか提案はあるのですが
マスコミの世論誘導なども含めて改善に
取り組まないとダメですね。
こちらこそ、よろしくお願いします。