室生犀星、大岩雄二郎、35年目の邂逅
戦後史というくくりで言えば、今まではあまり触れませんでしたが、文学史も戦後史という区切りをつけることができます。日本の文学史は、古代、中世、近世、近代、現代と大きく5つの区分に分かれますが、戦後の文士で、参考書に出てきた人を記憶の限りで枚挙してみると、川端康成、山本有三、小川未明、石坂洋次郎、室生犀星、志賀直哉、壺井栄、佐藤春夫、三島由紀夫、ちょっとマニアックに石川淳、坂口安吾……。
すんません、このくらいしか出てきません(汗)
その中の室生犀星が書いた「朝を愛す」の一節が、先日、日テレBSで放送していた青春学園ドラマ「ゆうひが丘の総理大臣」のあるシーンで諳んじられていました。
それで、ドラマとしての完成度は、マニアの方々が指摘するとおりレッツビギンの「飛び出せ!青春」だと思いますが、あいにく、リアルではその頃は小学生でしたので、個人的には高校生時代に放送されていた「ゆうひが丘の総理大臣」に感情移入してしまうのです。
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で、そのシーンを久しぶりに見た私は、漫画しか読まない元不良という設定であるはずの中村雅俊演じる大岩雄二郎が、どうしていきなり室生犀星を諳んじることができるのだろう、と疑問に思い、旧盆休みの暑いさなか、わざわざ馬込文士村の室生犀星の散策路にある案内板を見に行きました(笑)

JR大森駅西口から池上通りを渡ったところが入り口です。

説明板には室生犀星にも言及しています

道なりに進み、途中弁天池公園を目印に左折

そのすぐ近く、住居表示は山王4-7に室生犀星の案内版がありました。駅から徒歩10分ぐらいですかね。
室生犀星は、非嫡出子として生まれて7歳で室生家の養子になるなど不幸な生涯を送ったにもかかわらず、健全に生きようという詩を残しています。
案内板には、家族思いで、子どもの健康を気遣い、家族サービスを怠らない人であると書かれています。
その一方で、「ふるさとは遠きにありて思うもの」という有名な句を残したように、決して故郷には帰らなかったといいます。不幸な過去は振り返らないという強い気持ちがあったのでしょう。
「ゆうひが丘の総理大臣」の主人公、大岩雄二郎は、母親に捨てられて養護施設で育ったため、「不幸は見飽きた」と、他人のことに親身になり、他人の心の痛みがわかる人です。そして、自分を捨てた実の母と会っても、恨み言も言わないかわりに自分が息子であることも名乗らず別れました。
似てますね。
けだし、ソーリこと大岩雄二郎の人物像は、室生犀星にありと脚本家は見立てていたのかもしれません。
すんません、このくらいしか出てきません(汗)
その中の室生犀星が書いた「朝を愛す」の一節が、先日、日テレBSで放送していた青春学園ドラマ「ゆうひが丘の総理大臣」のあるシーンで諳んじられていました。
僕は朝を愛す実は、私は日本テレビ系で放送されていた60年代~70年代の青春学園ドラマが好きなのです。
日のひかり満ち亙る朝を愛す
朝は気持が張り詰め
感じが鋭どく朝
何物かを嗅ぎ出す新しさに餓ゑてゐる。
朝ほど濁らない自分を見ることがない、
朝は生れ立ての自分を遠くに感じさせる。
それで、ドラマとしての完成度は、マニアの方々が指摘するとおりレッツビギンの「飛び出せ!青春」だと思いますが、あいにく、リアルではその頃は小学生でしたので、個人的には高校生時代に放送されていた「ゆうひが丘の総理大臣」に感情移入してしまうのです。
で、そのシーンを久しぶりに見た私は、漫画しか読まない元不良という設定であるはずの中村雅俊演じる大岩雄二郎が、どうしていきなり室生犀星を諳んじることができるのだろう、と疑問に思い、旧盆休みの暑いさなか、わざわざ馬込文士村の室生犀星の散策路にある案内板を見に行きました(笑)

JR大森駅西口から池上通りを渡ったところが入り口です。

説明板には室生犀星にも言及しています

道なりに進み、途中弁天池公園を目印に左折

そのすぐ近く、住居表示は山王4-7に室生犀星の案内版がありました。駅から徒歩10分ぐらいですかね。
室生犀星は、非嫡出子として生まれて7歳で室生家の養子になるなど不幸な生涯を送ったにもかかわらず、健全に生きようという詩を残しています。
案内板には、家族思いで、子どもの健康を気遣い、家族サービスを怠らない人であると書かれています。
その一方で、「ふるさとは遠きにありて思うもの」という有名な句を残したように、決して故郷には帰らなかったといいます。不幸な過去は振り返らないという強い気持ちがあったのでしょう。
「ゆうひが丘の総理大臣」の主人公、大岩雄二郎は、母親に捨てられて養護施設で育ったため、「不幸は見飽きた」と、他人のことに親身になり、他人の心の痛みがわかる人です。そして、自分を捨てた実の母と会っても、恨み言も言わないかわりに自分が息子であることも名乗らず別れました。
似てますね。
けだし、ソーリこと大岩雄二郎の人物像は、室生犀星にありと脚本家は見立てていたのかもしれません。
この記事へのコメント
再放送なのか、リアルに見たのかは思い出せない〜
私も当時高校生でした。
中村雅俊にかぶれておりました。
母親からは、「こんなもじゃもじゃ頭のどこがイイのかね~」なんて言われながら、毎週楽しみにしていたものです。
「青春とはなんだ」に始まった一連の学園ドラマは大好きでした。
「ゆうひが丘の総理大臣」も見た事があります。
このドラマも面白かったですね。
出演者も個性的でしたね。
由美かおるや生徒役の草川祐馬が印象に残っています。
そう言えば若いころ室生犀星を読んで(題名すら忘れた;)
なんて素敵な文章を書くんだろう、風貌とかけ離れているななど
思った事を思い出しました。
また改めて読んでみようかしら?
我ら青春とか飛び出せ青春とか、青春という言葉が懐かしく思います。
懐かしい・・・・。^^
室生犀星のことを思いつつもう1度見てみたいですね♪
電力館に行ったことがないなぁと思ったんですが
閉館していたんですね
私は両方、何度も見ているので、だいたいストーリーも
覚えてしまいました。
私も「俺たちの旅」の頃はそんな印象もありましたが
「ゆうひが丘の総理大臣」の頃は、いい感じになってきたな
と思いました。この頃中村雅俊が歌っていた
「続・さそり座の神話」という歌が私は好きです。
草川祐馬、結核で途中降板は惜しかったですね。
売り出し中でしたからね。
そうですよね。文士というのはこういう人を
いうんだなって思いますよね。
こちらこそ、よろしくお願いします。
そういえば、最近は「青春」という言葉をあまり
使わなくなりましたね。
子どもの頃から大人と同じように
パソコンや携帯電話を使うなど
世代ごとのテーマがなくなってしまったからでしょうかね。
そうでしたか。フォークソング世代ですね
それは昭和の一番いい時代だと思います。
まあ昔のドラマを忘れられずにいまだに見ているということは
それだけ今のドラマがつまらないのかもしれませんね。
今後ともよろしくお願いします。
ああそうですね。あそこは無料で時間をつぶせて
ちょうどよかったんですけどね。