中国海軍艦艇レーダー照射問題、どう考える?
中国海軍艦艇のレーダー照射問題。加藤紘一氏の発言がネットで餌食になっています。
加藤紘一氏曰く、「中国は3、4日調べて『照射してない』と(発表した)。レーダーを照射することがよくないという認識はお互いにあるはずだ」「領土問題を話し合わないといけないと言うと、日本では非国民になる」と述べたといいます。「よくないという認識はお互いにあるはず」というのは、加藤紘一氏の主観や願望に過ぎません。もし「よくないという認識」があったとしても、それが照射の事実があったのかなかったのか、ということを裏付けるものにはなりません。
なぜなら、ひとさまに手をかけるのは悪い、と思っていたって殺人や傷害事件を起こすことはあるからです。
その意味で、今回の加藤紘一氏の主張の中身は論理的ではないし、日中友好協会会長という自らの肩書きを意識した中国に対する「手心」だとするなら、それは自分の立場を守るための発言、つまり私利私益の発言と言わざるを得ず、その了見自体、とうてい容認できません。
加藤紘一氏のコメントは、かつての金賢姫大韓航空爆破事件の際、日本社会党が「メリットもないのにそんなことするはずがない」と北朝鮮をかばい立てたことを思い出します。
何らかの理由があるからテロ行為に及ぶわけで、それは第三者にはわからなくても当事者なりのメリットであると推理できます。日本社会党の主張は論理的ではありませんでした。
話を戻しますが、一方で、加藤紘一氏を非国民呼ばわりでするネットの発言も、またずいぶんと感情的だなあと思いました。
たしかに元議員ということで、先方が都合よい主張をしたり居直ったりするときの根拠に使われる可能性はあるでしょう。
しかし、別に本人は、政府や自民党を代表して、と言っているわけでもないし、訪中して中国政府と何かを約束してきたわけでもありません。
いずれにしても、過剰に反応するほどのことではないでしょう。
ちょっと乱暴ないい方をすれば、言いたいことは言わせればいいじゃないかと思います。言論は自由なのです。自分にとって賛成できない意見があったっていいのではないでしょうか。
その前にも、小野寺五典防衛相が鳩山由紀夫氏を「国賊」と唾棄し、ネットで快哉を叫ぶ展開がありましたが、私はいやな気持ちになりました。
公人中の公人が、論理で批判するのではなく、感情にまかせた名誉毀損に該当する文言を使うのは、いくら相手が「宇宙人」だからといって私はとうてい賛成できません。
そもそも、公人は、発端が鳩山氏個人であろうが、国民全体に発信する立場なのです。国民全体に対してそんな言葉をよくも使えるものだと思います。
大臣がそんなレベルなら、日本人全体の民度がそうなってしまうのではないかと私は心配します。
ネットが興奮する中で、「東京スポーツ」(2月15日付)では、政治ジャーナリストの藤本順一氏が、連載でこの問題を日本に批判的に取り上げています。
藤本順一氏は、ネットの興奮者が罵倒するのに好んで使う「左翼」でも「売国奴」でもありません。どちらかというと保守的です。(そもそも左翼であるということ自体とやかくいわれることではありません)
ただ、懐疑的なものについては見逃すことはできない、ということなのだと思います。
東スポだからと、侮れない指摘です。
昨今、声の大きい奴の勝ち、乱暴な言葉で威嚇した奴に快哉、興奮した方が正しい。
どうも、時代はそんな傾向にあるように思いますが、言葉は暴力ではないし、興奮したから筋が通るものでもありません。
政治の問題は、自らが支持する勢力や考え方につい甘くなりがちだし、その反対ならとにかく悪くいいたいものです。それはその人の「思想信条の自由」ではありますが、いずれにしても、発言の自由を認めたり、事実と道理を前提とした論理的な判断力を貫いたりといった良識は失いたくないものだと思います。
加藤紘一氏曰く、「中国は3、4日調べて『照射してない』と(発表した)。レーダーを照射することがよくないという認識はお互いにあるはずだ」「領土問題を話し合わないといけないと言うと、日本では非国民になる」と述べたといいます。「よくないという認識はお互いにあるはず」というのは、加藤紘一氏の主観や願望に過ぎません。もし「よくないという認識」があったとしても、それが照射の事実があったのかなかったのか、ということを裏付けるものにはなりません。
なぜなら、ひとさまに手をかけるのは悪い、と思っていたって殺人や傷害事件を起こすことはあるからです。
その意味で、今回の加藤紘一氏の主張の中身は論理的ではないし、日中友好協会会長という自らの肩書きを意識した中国に対する「手心」だとするなら、それは自分の立場を守るための発言、つまり私利私益の発言と言わざるを得ず、その了見自体、とうてい容認できません。
加藤紘一氏のコメントは、かつての金賢姫大韓航空爆破事件の際、日本社会党が「メリットもないのにそんなことするはずがない」と北朝鮮をかばい立てたことを思い出します。
何らかの理由があるからテロ行為に及ぶわけで、それは第三者にはわからなくても当事者なりのメリットであると推理できます。日本社会党の主張は論理的ではありませんでした。
話を戻しますが、一方で、加藤紘一氏を非国民呼ばわりでするネットの発言も、またずいぶんと感情的だなあと思いました。
たしかに元議員ということで、先方が都合よい主張をしたり居直ったりするときの根拠に使われる可能性はあるでしょう。
しかし、別に本人は、政府や自民党を代表して、と言っているわけでもないし、訪中して中国政府と何かを約束してきたわけでもありません。
いずれにしても、過剰に反応するほどのことではないでしょう。
ちょっと乱暴ないい方をすれば、言いたいことは言わせればいいじゃないかと思います。言論は自由なのです。自分にとって賛成できない意見があったっていいのではないでしょうか。
その前にも、小野寺五典防衛相が鳩山由紀夫氏を「国賊」と唾棄し、ネットで快哉を叫ぶ展開がありましたが、私はいやな気持ちになりました。
公人中の公人が、論理で批判するのではなく、感情にまかせた名誉毀損に該当する文言を使うのは、いくら相手が「宇宙人」だからといって私はとうてい賛成できません。
そもそも、公人は、発端が鳩山氏個人であろうが、国民全体に発信する立場なのです。国民全体に対してそんな言葉をよくも使えるものだと思います。
大臣がそんなレベルなら、日本人全体の民度がそうなってしまうのではないかと私は心配します。
ネットが興奮する中で、「東京スポーツ」(2月15日付)では、政治ジャーナリストの藤本順一氏が、連載でこの問題を日本に批判的に取り上げています。
そういえば、中国艦船のレーダー照射事件はその後、どうなったのか。小野寺五典防衛相(52)は「動かぬ証拠」を開示するとしていたが、ここにきて慎重姿勢に転じている。突き詰めるならば、核心はやはり海自護衛艦が何のために東シナ海公海上をうろちょろしていたのかに尽きる。中国海軍の動きは米軍が常時監視しており、海自護衛艦がわざわざ3キロの至近距離で追尾することはないし、その理由もない。簡単にまとめると、照射されるような原因を日本側が作った可能性を疑っているのです。日本側が中国側をからかったり、不必要に威嚇したりしたのだろう、都合が悪いからそれを公開できないのだろう、なのに照射だけを報じるのはずるいぞ、といっているのです。もっともな話です。
しかも中国海軍は装備、航海術などの能力では海上自衛隊にはるかに劣る。それなのにどうして海自を威嚇、挑発することができよう。逆にむしろ公海上で常態化しているのは中国艦船を仮想の敵艦に見立てた海自や米海軍の戦闘訓練である。それほど大げさなものじゃなくても、中国艦船をおちょくることがままあるのは、海自関係者の常識だ。いずれにせよ、照射される前の海自艦船の行動を明らかにすれば、日中どちらに非があるかははっきりする。それができないのであれば、照射の事実を公表することはなかった。
藤本順一氏は、ネットの興奮者が罵倒するのに好んで使う「左翼」でも「売国奴」でもありません。どちらかというと保守的です。(そもそも左翼であるということ自体とやかくいわれることではありません)
ただ、懐疑的なものについては見逃すことはできない、ということなのだと思います。
東スポだからと、侮れない指摘です。
昨今、声の大きい奴の勝ち、乱暴な言葉で威嚇した奴に快哉、興奮した方が正しい。
どうも、時代はそんな傾向にあるように思いますが、言葉は暴力ではないし、興奮したから筋が通るものでもありません。
政治の問題は、自らが支持する勢力や考え方につい甘くなりがちだし、その反対ならとにかく悪くいいたいものです。それはその人の「思想信条の自由」ではありますが、いずれにしても、発言の自由を認めたり、事実と道理を前提とした論理的な判断力を貫いたりといった良識は失いたくないものだと思います。
この記事へのコメント
ほんとうに冷静に考えてほしいです。
レーザー照射は、威嚇では済まされない意味合いがありましょう。
また、電車の中で、日本人ではないと思われる東洋系の方が、"We have PM 2.5 !"と、英語で叫んでいましたが、これもまた、ブラックジョークの域を超えている気がしました。
こう言った視点は常に持っていたい
知っていたいですね
中国と言う国の行動、あるいは共産党を牛耳っている人たちの行動を観察すればおのずと分かることと思いますが・・・
中国を甘く見ると酷いことになると思います。
米軍が中国を監視していたら日本はする必要がない?
日本は独立国家ですよ。
(((  ̄ノ∇ ̄)こっそり・・・もしかして、いっぷくさんは冷え性さん???
いただいたコメントのお返事で改善されると良いなと思って。。
http://mayu2011love.blog.so-net.ne.jp/2013-02-15-4
”言ったモン勝ち”みたいなのは、今の風潮なんですかね?(^^;)ゞこれも、気をつけたいです!
マスコミなどが言い立てる裏側も含めてちゃんと見れる、というか考える、ことが大事ですね。
国賊レベルの人間が
政治家をやっているのですから
そりゃ、付け入る隙を与えますよね。
最初そんなところで日本は何してたの?
というところに思い至らなかったんですが
やられっぱなしでないのはいいことだと思います
あんまり甘く見られると本当に戦争仕掛けられちゃいますもんね
勝てないなと思わせなくちゃ
匿名の意見はあまりにも無責任すぎるからです。私もブログを書いていますし、こうやって書き込みもしますが、ネット上で意見を主張してどうこうしようとは思いません。
いっぷくさんの今回の視点のように、確かにネットで議論が白熱する話題ってその発端になった人物や言葉が「おかしい」って思うことは多いですが、「そんな口汚く罵って一体どうしたいの?」って思います。
だからといって、端から「名誉棄損」で訴える対象にする必要もないでしょうけど。
だから最後は、「ネットからの発信なんて…」ってことになるかと…。
東スポもそうですが、週刊誌は下世話なネタも多いですが、時として「何かが動く」原動力になりますが、ネットにはそのパワーがないのかもしれませんね。