アイドルの髪型はショートカット説、その真偽は?

アイドルの髪型についての話です。ショートカットアイドルの天地を創造したのは天地真理……。そのような書き出しの記事が、今月号の『EX大衆』(2013年5月号)に出ています。タイトルは「アイドルの髪型はショートカットであるべき論」。大貫真之介氏のクレジットが入っています。

「べき」などとわざわざつけるのは、異論反論を覚悟で打ち出した強気の見解。ではどんなことが書かれているのか、読んでみました。

記事では、1970~90年を創世記、1991~2000年を2強時代、2001~2010年を新時代突入、2011~を戦国時代と分けて、その時代ごとのアイドルを紹介して「だからアイドルの髪型はショートカット」と論じています。たとえば「創世記」についてはこんな感じです。
天地に続けて売れっ子となったのが山口百恵・桜田淳子・森昌子の花の中3トリオだった。その中で抜け出したのが山口百恵。憂いを帯びた涼しげな目元を際立たせていたのは百恵の髪型だった。90年代の2強というのは、広末涼子と内田有紀のことだそうです。平成になったころからテレビをあまり熱心に見なくなっていたのでわかりませんでしたが、内田有紀ってモーニング娘。や田中麗奈などよりもすごかったんですね。少なくとも著者はそう考えたということです。
松田聖子は『赤いスイートピー』を契機に「聖子ちゃんカット」から髪を短くしたことで、女性からの支持を増やした。小泉今日子はデビュー2年目で自ら刈り上げにして以降、少しずつカルチャー方面にも目配せをするようになる。この2人にとってのショートカットは「意志の強さ」の表現でもあったのだ。
他には緒川たまき、佐藤藍子、内山理名などそれほど髪の長くなかった面々が紹介されていますが、なぜか当時ショートカットではなかったさとう玉緒は紹介されていません。
21世紀に入ってからは、上戸彩、木村カエラ、長澤まさみ、相武紗季、篠田麻里子らAKB48を枚挙しています。
しかし、AKB48にはショートカットでなく、かつ篠田麻里子よりもビッグネームのタレントもいると思いますが、そのへんはどうなっているのでしょうか。
そして「戦国時代」の昨今は、山本彩、芹那、玉井詩織、剛力彩芽、鈴木ちなみその他いろいろ名前が出ていますが、中には「誰?」というような人もいるので詳しくは割愛します(笑)
私はオッサンなので21世紀の人はよくわかりませんが、70~80年当時のレコードジャケットで確認してみると、柏原よしえや河合奈保子、堀ちえみらの当時の髪の長さは松田聖子ぐらい。
浅野ゆう子、三原順子、田中久美、三田寛子らは肩にかかってましたからそれより気持ち長めの感じで、早見優、本田美奈子、伊藤かずえ、北原佐和子らはもうショートカットとはいえなかったですね。
南沙織や岩崎宏美なども明らかに違いますが、彼女たちはアイドルという売り方とは異なるコンセプトだったんでしょう。
では、キャンディーズやピンク・レディーも松田聖子より少し長めで、ピンクレディーのケイなどはショートカットとは言い難いのですが、どう考えたらいいのでしょう。
まあ、確かに、古くは森昌子、「2強」とやらの内田有紀、最近では剛力彩芽などは、デビュー後にバッサリ髪を切っていますね。
ただ、どこまでをもって「ショートカット」と定義するかというのは記事では曖昧で、名前を挙げられているアイドルでみると、ショートカットというより、肩がすっぽり隠れるほどのロングヘアーではない、という程度のくくりのようです。
それなら何もアイドルに限ったことではなく、むしろ女性全体としてロングヘアーの方が少ないですよね。
要するに
要するにショートカットがアイドル全体の固有の傾向というより、著者が目を付けたアイドル(松田聖子、小泉今日子、内田有紀ら)がショートカットだった、ということなんだと思います。
ロングヘアーでないことについては、ある程度、合理的に説明がつくことではないでしょうか。
要するにアイドルですから、「女性」よりも「少女」っぽさ、どちらかというと中性的な方向にイメージ作りをするのでしょう。これはジャニーズタレントのような男性アイドルでもそうですね。
しかし、明らかに著者の考察に反するアイドルもいますよね。
「ショートカット(非ロングヘアー)」の法則と全く逆をいった、というかセオリーを無視していたのがおニャン子クラブでした。メンバーをひと通り思い出すとそんな印象があります。
新田恵利、国生さゆり、河合その子、高井麻巳子、岩井由紀子、吉沢秋絵、渡辺美奈代、渡辺満里奈、生稲晃子……。
シングルデビュー組は例外なく髪が肩にかかる長い髪でした。岩井由紀子は松田聖子にあこがれていたそうですが、少なくともヘアスタイルは完全な模倣ではなかったと思います。
工藤静香は、入ったばかりのその他大勢のころはショートカットでしたが、うしろ髪ひかれ隊の頃は長くなっていましたし、城之内早苗も長くしました。樹原亜紀や布川智子は、ニャンギラスでデビューするときや、『お先に失礼』でフロントで歌う頃に短くしていますが、彼女たちは芸能界に残りませんでした。
確固としたセオリーがあるほど、逆張りの売り方がある。その結果、邪道がいつの間にかど真ん中を歩いてしまうこともある。秋元マーケティングの真骨頂ですね。
今もAKB商法、何かと評判が悪いですが、「売った者勝ち」という意味においてなら、ビジネスでヒントにできる戦略がそこにあるのかもしれません。

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いずれにしても結論。アイドルの髪型は個々のタレントの個性として評価されるものであって、「アイドルの髪型=ショートカット」というほどの明確な関連性はない、ということでしょうか。
記事の詳しい内容は同誌をご覧ください。
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この記事へのコメント
私自身はベリーショートか坊主が好きです(笑
やっぱりその定義を無視してたんですね
これも、秋元先生の方針なのかしら?
本人の個性が引き立つなら、どのような髪型でも。
『べきである』・・・反論意見も聞いてみたいものです。
アイドル自身で髪型を好き勝手決めているわけでもなく、タレント事務所の策士が、頭を使って指示しているのだと思います。
私も80年代アイドル好きですが、
そういう定義付けは全く頭にありませんでした^^;
「アイドルの髪型が・・・」というよりは
人気アイドルによって髪形も変わるのだろうと思います^^
工藤静香や安室奈美恵のようにロングでも
女性の間で流行した髪形もありますしね^^
でも、そんな切り口で正しいかどうかは別にしても考察してみるのは面白いですね♪
確かにショートの定義が良く分かりませんし
因みに私は佐野量子の大ファンでしたが
途中からショートになったような気がしますが
個人的には初期の長めの髪形の方が良かったな~
うーん懐かしや
意識的に髪から意識をそらし、顔だけを見るようにすると、誤魔化されなくなる。
似合う髪型であれば、どういう髪型でもいいのではないでしょうか。
アイドルの他は、ロングが好きですね~。
あのチョウの写真ですが、あのように飛んでるって
珍しいです。遊んでるんでしょう~。
は名前と顔が一致せず付いていけません。
私達の時代にはアイドルなんて言葉も有りませんでした。
一言、今、猫も杓子もロングの巻き毛。食事の時は片手で髪を抑えて。そんな時は一つに纏めたらいいのにね!
それに、あのスタイルは細くて柔らかい欧米人の髪だからいいのに。
それは..
オムレツ..のあとを書くのわすれてました(ぎゃはっ)
今は前髪横に触覚を作るのが流行って?ます...
昔のアイドルは特別な人でないとだめだったのでしょうね..
今のアイドルさんは普通のみたいですよね?(^^;)
顔の輪郭が出るので、他のごまかしが出来ませんからねぇ(汗)