楽天優勝で本当に乗り越えるべきものは?
楽天優勝で、またぞろ巷間は「感動」の大騒ぎです。しかし、一部に言われているような「3.11を乗り越えた」という表現は、現在も未解決の被災地に対して大変失礼で残酷な物言いです。純粋に野球を見る姿勢からも外れています。楽天参加ショップの不正表示が発覚して「感動」ムードが少しだけ落ち着いたところで、きょうは「楽天フィーバー」について一言したいと思います。日本のえげつない資本主義は健在です。
震災を商売に利用している企業や商店のコピーが乱立しています。
>>3.11xxの酒[あの日を乗り越えた奇跡のお酒]60本限定販売
こんなコピーは、検索するとゾロゾロ出てきます
このコピーを書いたお店に、もちろん個人的な恨みは全くありません。あくまでもひとつの例です。
楽天の優勝も便乗するだけなら構いませんが、「あの日を乗り越えた」というコピーが目につきます。
でも、それはないだろうと思います。
別に乗り越えてなんかないでしょう。
はっきりいいましょう。
仙台は、3.11がもっとも深刻なところではないですよね。
私は、福島には先祖の墓もあり親類もいます。仙台にも妻のママ友などがいるので様子は聞いていますが、やっぱり被害の度合いが、福島北東部と仙台では違いますよね。
仙台が何でもなかった、とはいいません。
ただ、福島はいまだに自分の家に戻ってこれない人もいるのです。
楽天が優勝すると、福島は元に戻るのでしょうか。今もくすぶる原発問題が解決するのでしょうか。
せめて、「楽天が優勝し、東北に全国民の温かい注目がある今こそ、それをテコに被災地復興を前進させよう」と言って欲しいです。
福島在住でもない私が述べることではないかもしれませんが、そのへん、もっと表現に気をつけたいですね。
企業やマスコミがそうだと、残念ながら大衆は見事なまでにそれに流されます。
ブログやツイッター、facebookなど、やたら3.11と絡めて「乗り越えた」と語りたがる風潮があるので、私はそれが引っかかります。
……と、批判的なことを書くと、これまでは決まって「あんたが勝手にそう思って話をでっち上げている」というしたり顔のコメントがありました。
私は、仮想敵を作ったり架空の話に熱くなったりはしません。
個人攻撃の意図はありませんが、でっちあげ呼ばわりされないように、ほんの少しだけ例をあげます。
ググッた結果の上位です。書き主への個人的怨恨は一切ありません。
>>楽天優勝おめでとう!3.11を乗り越え、11.3に優勝とは、、。
>>悲しみの3.11を乗り越えて、歓喜の11.3へ
>>わがつー ?@ww_s2
改めて11.3楽天日本一おめでとう。 3.11を乗り越えての優勝は本当誇らしいです。 感動をありがとう。
ちょっとまってくれよ、といいたいですね。
優勝した当事者は、仙台に本拠地を置く球団、および契約した選手やスタッフであって、被災地の人々ではないんですよ。
11.3をひっくり返したら3.11だから「運命的で泣ける」というツイートも多々あります。
↓
http://www.yukawanet.com/archives/4565764.html
感動感動の洪水で、肝心の野球そのものに対する論評がきちんと行われていないのが残念です。
今シリーズは、戦略の妙もなく、凡戦だったという話も出ています。
ではどう凡戦だったのかを論考することが野球ファンにとってひとつの醍醐味であるはずなのに。
あなたがプロ野球ファンなら、それを残念に思いませんか。
そして、心配されるのが、「感動」の美辞麗句にかき消されてしまった田中将大投手の酷使問題です。
ダルビッシュ有投手が、思わず「間違いなく体には良くない」とツイートする暴挙が一切不問です。
星野監督は、過去に近藤真市や与田剛や森田幸一など、新人有力選手を精神論で短命にした「実績」もあるのです。
田中将大投手だけではありません。則本昂大投手だって同じ心配がされています。
【関連記事】
>>マウンドに散った天才投手、真の苦労人は苦労を語らない
それを「感動」の一言ですませてしまえるものでしょうか。
今回の楽天優勝には、政治家までがコメントしています。
政治家は人気稼業だから流行に絡みたがる、という理由だけではなさそうです。
そう、大衆が「感動」して被災地対策の思いを後景に退けてもらったほうが都合がいいのです。
大衆は感動だの改革だのといった言葉にすぐに流される
為政者やマスコミや企業に、そう見透かされているかもしれません。
もちろん、これは生き方、考え方の問題もあるので、それはいかんと紋切り型の説教で一方的にまとめるつもりはありません。
「私は世のうわべのムードや流行にのっかる生き方でいいの」
という人生哲学も「あり」だと思います。
ただ、そういう人がひとたび不都合があってから、政治やマスコミに騙された、と文句をいうのはおかしいし、何より人が「感動」したら自分もそうでなければならないような社会の雰囲気が怖いのです。
君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず
オリンピックにしてもそうですが、昨今の国民総「感動をありがとう」状態には、そんな論語を持ち出したくなります。
「だって、そのときはそんな雰囲気だったし……」
なんていうエクスキューズもよく聞くのですが、後になってホゾを噛んでも不毛です。
そうならないように、私たちは、自分の感情や先入観で決めつけずに、つねに多様な意見を耳にいれておくべきだと思います。
本当に乗り越えるべきは、真の被災地対策と、そうした風潮ではないかと私は思います。

震災を商売に利用している企業や商店のコピーが乱立しています。
>>3.11xxの酒[あの日を乗り越えた奇跡のお酒]60本限定販売
こんなコピーは、検索するとゾロゾロ出てきます
このコピーを書いたお店に、もちろん個人的な恨みは全くありません。あくまでもひとつの例です。
楽天の優勝も便乗するだけなら構いませんが、「あの日を乗り越えた」というコピーが目につきます。
でも、それはないだろうと思います。
別に乗り越えてなんかないでしょう。
はっきりいいましょう。
仙台は、3.11がもっとも深刻なところではないですよね。
私は、福島には先祖の墓もあり親類もいます。仙台にも妻のママ友などがいるので様子は聞いていますが、やっぱり被害の度合いが、福島北東部と仙台では違いますよね。
仙台が何でもなかった、とはいいません。
ただ、福島はいまだに自分の家に戻ってこれない人もいるのです。
楽天が優勝すると、福島は元に戻るのでしょうか。今もくすぶる原発問題が解決するのでしょうか。
せめて、「楽天が優勝し、東北に全国民の温かい注目がある今こそ、それをテコに被災地復興を前進させよう」と言って欲しいです。
福島在住でもない私が述べることではないかもしれませんが、そのへん、もっと表現に気をつけたいですね。
企業やマスコミがそうだと、残念ながら大衆は見事なまでにそれに流されます。
ブログやツイッター、facebookなど、やたら3.11と絡めて「乗り越えた」と語りたがる風潮があるので、私はそれが引っかかります。
……と、批判的なことを書くと、これまでは決まって「あんたが勝手にそう思って話をでっち上げている」というしたり顔のコメントがありました。
私は、仮想敵を作ったり架空の話に熱くなったりはしません。
個人攻撃の意図はありませんが、でっちあげ呼ばわりされないように、ほんの少しだけ例をあげます。
ググッた結果の上位です。書き主への個人的怨恨は一切ありません。
>>楽天優勝おめでとう!3.11を乗り越え、11.3に優勝とは、、。
>>悲しみの3.11を乗り越えて、歓喜の11.3へ
>>わがつー ?@ww_s2
改めて11.3楽天日本一おめでとう。 3.11を乗り越えての優勝は本当誇らしいです。 感動をありがとう。
ちょっとまってくれよ、といいたいですね。
優勝した当事者は、仙台に本拠地を置く球団、および契約した選手やスタッフであって、被災地の人々ではないんですよ。
11.3をひっくり返したら3.11だから「運命的で泣ける」というツイートも多々あります。
↓
http://www.yukawanet.com/archives/4565764.html
感動感動の洪水で、肝心の野球そのものに対する論評がきちんと行われていないのが残念です。
今シリーズは、戦略の妙もなく、凡戦だったという話も出ています。
ではどう凡戦だったのかを論考することが野球ファンにとってひとつの醍醐味であるはずなのに。
あなたがプロ野球ファンなら、それを残念に思いませんか。
そして、心配されるのが、「感動」の美辞麗句にかき消されてしまった田中将大投手の酷使問題です。
ダルビッシュ有投手が、思わず「間違いなく体には良くない」とツイートする暴挙が一切不問です。
田中はまだ25歳。オフにはメジャー移籍も確実視されている。仮に本人が連投を志願したとしても、「無理はするな」と手綱を引くのが指揮官の役割のはず。ところが、星野監督は「最後はアイツがふさわしい」と、逆に背中を押した。それもスポーツマスコミにかかれば「160球完投翌日志願の登板」「ありがとう日本一 マー神の連投」などのお涙頂戴の美談になってしまうのだ。(『日刊ゲンダイ』11月7日付)私はすでに第6戦から、調子が悪そうな細かい挙動の異常が報じられていた田中将大投手が気になっていましたが、第7戦にまで出てきたときは戦慄が走りました。
星野監督は、過去に近藤真市や与田剛や森田幸一など、新人有力選手を精神論で短命にした「実績」もあるのです。
田中将大投手だけではありません。則本昂大投手だって同じ心配がされています。
【関連記事】
>>マウンドに散った天才投手、真の苦労人は苦労を語らない
それを「感動」の一言ですませてしまえるものでしょうか。
今回の楽天優勝には、政治家までがコメントしています。
政治家は人気稼業だから流行に絡みたがる、という理由だけではなさそうです。
そう、大衆が「感動」して被災地対策の思いを後景に退けてもらったほうが都合がいいのです。
さらに政府の管官房長官まで「東北の人々に夢を希望を与えることができた。快挙だ」と発言したが、それこそバカを言うな、ではないか。政府こそ、被災者に夢と希望を与える存在でなくてはならない。被災地の復興は遅々として進まず、東日本大震災の遭難者はいまだに30万人弱。福島原発の汚染水はいまも垂れ流し状態だ。福島県内には汚染除去も進まず、「死の町」と化している地域もある。自民党の石破幹事長も「この地域は住めません、と誰かが言わなきゃいけない」と話すものの、政府内では「政府のロからは言えない」と意見が割れているのだから、復興どころではない。楽天が優勝したところでそうした現状が変わるわけではなく、一緒になって「快挙だ」なんて喜んでいるヒマはないだろう。(同)それだけ福島は悲惨なんです。
大衆は感動だの改革だのといった言葉にすぐに流される
為政者やマスコミや企業に、そう見透かされているかもしれません。
もちろん、これは生き方、考え方の問題もあるので、それはいかんと紋切り型の説教で一方的にまとめるつもりはありません。
「私は世のうわべのムードや流行にのっかる生き方でいいの」
という人生哲学も「あり」だと思います。
ただ、そういう人がひとたび不都合があってから、政治やマスコミに騙された、と文句をいうのはおかしいし、何より人が「感動」したら自分もそうでなければならないような社会の雰囲気が怖いのです。
君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず
オリンピックにしてもそうですが、昨今の国民総「感動をありがとう」状態には、そんな論語を持ち出したくなります。
「だって、そのときはそんな雰囲気だったし……」
なんていうエクスキューズもよく聞くのですが、後になってホゾを噛んでも不毛です。
そうならないように、私たちは、自分の感情や先入観で決めつけずに、つねに多様な意見を耳にいれておくべきだと思います。
本当に乗り越えるべきは、真の被災地対策と、そうした風潮ではないかと私は思います。

これでいいのか福島原発事故報道―マスコミ報道で欠落している重大問題を明示する
- 作者: 丸山重威
- 出版社/メーカー: あけび書房
- 発売日: 2011/05/30
- メディア: 単行本
この記事へのコメント
楽天会長は政府の委員も降りましたし、しらける現実も
見えてきました。
私は野球のこと全然わからないからそう思うのかもしれませんけど
楽天が優勝したって楽天が儲かるだけじゃないんですかね。
拠点が仙台だからって震災とからめた安っぽい感動の押し売りを感じます。
田中投手は確かに心配です。
これは超えているとは思えないですね。
野球は野球で、震災の、原発のあとはまだまだ・・・だと思います。
震災も原発も終わった事にしたい政府の姿勢にはあきれるばかりです。
何を何を乗り越えたのでしょう、津波の被災地は瓦礫が撤去されただけ。福島は帰れない人たちが大勢います。
わたしは楽天が勝ってよかったなと思ったのは、もう忘れられているであろう全国に東日本大震災のことを思い出させたこと。
住まいを追われた人たちは感動もヘッタクレも有りません。
球団が、選手が、マスコミがなにをしてくれるのですか?
勇気付けに行ってあげても、一時的な物でしょ。
寒さに向かい仮設住宅の人たちは野球どころじゃありません。 ホンット!!バカジャナカロカです!!
前記事のタイピング練習ゲーム 面白いですね♪
とても薄っぺらいですよね。
うわべだけの美辞麗句に
底の浅い感動沸点というか(笑
しかも「イメージ」「なんとなく」で
すすんでしまうところがある意味恐ろしいです。
冷静に理性的に考えたらアレ?って思うのに・・
「のほほんな日々」のyouziです。
昨日、食べ物中心のブログ「ル・ププランな気分1」を始めました。
「のほほんな日々」共々、よろしくお願いいたします。
ま~さ~に~!!
と思います
でも、震災地の現状が、改善されるどころか、見捨てられるに近い状況になっていたり、原発の廃炉作業が今大変なことになっているのを知るたび、大きな憤りを感じます。
政府には、まずは被災された方々に一日も早く元の生活へ戻ることが出来るように、心を込めて復興を目指して欲しいと、切に願います。