ちなきなおみ「喝采」と小柳ルミ子「瀬戸の花嫁」の歌姫対決!
ちなきなおみの「喝采」と、小柳ルミ子「瀬戸の花嫁」。1972年のヒット曲ですから、もう41年前にリリースされたものです。『アサヒ芸能』(12.5特大号)は、「ニッポンの歌姫伝説 本誌厳選BEST50」というタイトルで、歌謡界の歴史にその名を刻んだ歌手たちを写真と解説(キャプション)で紹介。記事では日本レコード大賞をめぐる激しい戦いを振り返る第1回目として、この2つの歌の対決をとり上げています。
「ニッポンの歌姫伝説 本誌厳選BEST50」の方は、トップページに選ばれたのが、藤圭子、ちあきなおみ、山口百恵、中島みゆき。
美空ひばりが入っていないのは別格だから、と解釈しておきましょう。
次の見開きは「歌謡曲黄金期の60~70年代」として、西田佐知子、小川知子、弘田三枝子、南沙織、小柳ルミ子、八代亜紀、由紀さおり、アグネス・チャン……
構成はいつもの石田伸也氏ですが、60年代と銘打ちながらスパーク三人娘(伊東ゆかり、園まり、中尾ミエ)が一人も入っていません。
そして、ザ・ピーナッツも、梓みちよも、レコード大賞まで取った黛ジュンもいません。
小川知子とくれば奥村チヨもでしょう(と思うのは私だけかな)、南沙織、小柳ルミ子を挙げるなら天地真理がどうしていないの? アグネス・チャン入れるんだったら新人賞を取っている桜田淳子や森昌子は? など例のごとく人選に疑問大ありですが、埋草企画かもしれないので、そうだとすると、たぶん同誌との関係が悪かったり、写真がなかったりしたら選ばれない可能性もあります。
次の見開きは「アイドル対ロックの80年代」という小見出しで、松田聖子、河合奈保子、荻野目洋子、竹内まりや、中村あゆみ、NOKKO、渡辺千里、吉田美和、坂本冬美……
小泉今日子や中山美穂が選ばれていません。
最後は「J-POP変革の90~00年代」。森高千里、安室奈美恵、椎名林檎、華原朋美、宇多田ヒカル……
さすがにAKB48は選ばれていません。
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そして記事には、「日本レコード大賞、炎の四番勝負!」というタイトルの連載が始まっています。

歌謡界の最高の勲章であった日本レコード大賞をめぐるたたかいを振り返るという企画のようです。
その第1回がとりあげているのは、『72年の「喝采」VS「瀬戸の花嫁」』。
72年の日本レコード大賞が、小柳ルミ子の『瀬戸の花嫁』で決まりかけていたのに、その年の9月にリリースされた、ちあきなおみの『喝采』が「世紀の番狂わせ」で大賞を獲得した、という話です。主要部分を引用します。
私の記憶でも、高橋圭三がそんな話をして、ちあきなおみが歌いながら涙を流すというシーンがありました。そのインパクトが強烈だったんでしょうね。
実際には婚約者ではなく、世話になった仕事仲間らしいのですが、まあそのへんはプロモーション上必要なギミックということで、ヒットした者の勝ちです。
とにかく、ちあきなおみの「喝采」は、
歌もいい、歌手もうまい、ドラマもある
これで瀬戸の花嫁は吹っ飛んでしまったわけです。
当時はまだ、こんな熱い歌、熱い戦いがあったんですね。
ちなみにこの記事、書き出しは、AKB48が2年連続で制覇したことについて「(日本レコード大賞は)迷走してしまったのだろうか……」と嘆いています。
日本レコード大賞の責任というより、今の市場ではそれしか選びようがないんでしょうね。
歌謡界のもうひとつの「勲章」の日本歌謡大賞は、もう20年も前に打ち切られています。

「ニッポンの歌姫伝説 本誌厳選BEST50」の方は、トップページに選ばれたのが、藤圭子、ちあきなおみ、山口百恵、中島みゆき。
美空ひばりが入っていないのは別格だから、と解釈しておきましょう。
次の見開きは「歌謡曲黄金期の60~70年代」として、西田佐知子、小川知子、弘田三枝子、南沙織、小柳ルミ子、八代亜紀、由紀さおり、アグネス・チャン……
構成はいつもの石田伸也氏ですが、60年代と銘打ちながらスパーク三人娘(伊東ゆかり、園まり、中尾ミエ)が一人も入っていません。
そして、ザ・ピーナッツも、梓みちよも、レコード大賞まで取った黛ジュンもいません。
小川知子とくれば奥村チヨもでしょう(と思うのは私だけかな)、南沙織、小柳ルミ子を挙げるなら天地真理がどうしていないの? アグネス・チャン入れるんだったら新人賞を取っている桜田淳子や森昌子は? など例のごとく人選に疑問大ありですが、埋草企画かもしれないので、そうだとすると、たぶん同誌との関係が悪かったり、写真がなかったりしたら選ばれない可能性もあります。
次の見開きは「アイドル対ロックの80年代」という小見出しで、松田聖子、河合奈保子、荻野目洋子、竹内まりや、中村あゆみ、NOKKO、渡辺千里、吉田美和、坂本冬美……
小泉今日子や中山美穂が選ばれていません。
最後は「J-POP変革の90~00年代」。森高千里、安室奈美恵、椎名林檎、華原朋美、宇多田ヒカル……
さすがにAKB48は選ばれていません。
「喝采」が「瀬戸の花嫁」を逆転!
そして記事には、「日本レコード大賞、炎の四番勝負!」というタイトルの連載が始まっています。

歌謡界の最高の勲章であった日本レコード大賞をめぐるたたかいを振り返るという企画のようです。
その第1回がとりあげているのは、『72年の「喝采」VS「瀬戸の花嫁」』。
72年の日本レコード大賞が、小柳ルミ子の『瀬戸の花嫁』で決まりかけていたのに、その年の9月にリリースされた、ちあきなおみの『喝采』が「世紀の番狂わせ」で大賞を獲得した、という話です。主要部分を引用します。
ちあきが所属した「日本コロムビア」は、この年、当時のレコード売上げを更新する「女のみち」(宮史郎とぴんからトリオ)も出していたが、賞レースに関しては「喝采」に一本化。事務所の規模ではルミ子の「渡辺プロ」に対し、めぼしい歌手がちあきしかいない「三芳プロ」では勝負にならない。ただし、老舗のコロムビアと新興の「ワーナー・パイオニア」というレコード会社の争いなら、ちあきの側に分がある。「喝采」はドラマチック歌謡という触れ込みで、ちあきなおみの実体験(婚約者の死亡)を歌ったと言われました。
情勢が刻一刻と変化してゆくのを、ルミ子の詞を書いた山上(路夫←引用者注)は感じていた。
「今年のレコード大賞は確実です」
秋口には塩崎ディレクターから聞かされていたが、暮れが近づくと一変する。
「ガミさん、あきらめてください。相手はコロムビアで一丸となっていますから、かないません」(中略)
「私は絶対に『瀬戸の花嫁』が大賞だと確信していたんです」(小柳ルミ子)
レコ大の会場では、歌い終えた候補者は客席に座ってスタッフと結果を待つ。番組が始まって間もなく、旧知の審査員がこんなことを耳打ちしてきた。
「ルミちゃんは『歌謡大賞』を取ったからいいよね」
にこやかな物言いながら、それは非情の宣告であった。すでに〝勲章″を手にしているから、レコード大賞を逃しても大丈夫だろうというニュアンスだ。
「そう聞いた瞬間、私はショックで腰が抜けるかと思いました。だって、これから発表なのに……」
私の記憶でも、高橋圭三がそんな話をして、ちあきなおみが歌いながら涙を流すというシーンがありました。そのインパクトが強烈だったんでしょうね。
実際には婚約者ではなく、世話になった仕事仲間らしいのですが、まあそのへんはプロモーション上必要なギミックということで、ヒットした者の勝ちです。
とにかく、ちあきなおみの「喝采」は、
歌もいい、歌手もうまい、ドラマもある
これで瀬戸の花嫁は吹っ飛んでしまったわけです。
当時はまだ、こんな熱い歌、熱い戦いがあったんですね。
ちなみにこの記事、書き出しは、AKB48が2年連続で制覇したことについて「(日本レコード大賞は)迷走してしまったのだろうか……」と嘆いています。
日本レコード大賞の責任というより、今の市場ではそれしか選びようがないんでしょうね。
歌謡界のもうひとつの「勲章」の日本歌謡大賞は、もう20年も前に打ち切られています。