『デジタルマインドマップ超入門』アイデアを放射線状に描く

『デジタルマインドマップ超入門』(金子正晃著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)を読みました。5年ぐらい前に流行したマインドマップが、iPadの普及で最近また再評価されています。同書は、マインドマップについて説明するとともに、それをiPadなどの端末で使うためのソフトウェアも紹介しています。

マインドマップは、トニー・ブザンという脳と学習に関する研究者によって提唱された、アイデアの表現方法です。

すでに商標登録されていることや、厳密なマインドマップの描き方がいくつものルールがあることから、メモリーツリーと呼んだり、その基本的な考え方や方法だけを採り入れたりする使い方も標榜されています。

本書の内容


『デジタルマインドマップ超入門』では、まず目次の前に、「マインドマップは何に使える?」という見出しで、マインドマップを使った様々なパターンを見せています。

・アイデアを整理する
・分析・検討する
・ノートをとる
・アイデアをメモする
・計画を立てる/タスクを管理する
・学習に活用する

そのうちの「アイデアを整理する」は、まさに同書の目次構成のマインドマップを作例として見せてくれています。

デジタルマインドマップ超入門.png
『デジタルマインドマップ超入門』より

中心となるテーマ(タイトル)がまずあり、そこからメインブランチという線を伸ばして、派生するキーワードを書きます。そこからさらに派生するキーワードは、サブブランチという新たな派線上に書きます。

このような描き方によって、大小のアイデアを放射状に整理し、キーワードや情報を多角的に把握できます。

これまでは、文章の構成を立てるとき、パソコンソフトでは「アイデアプロセッサ」もしくは「アウトラインプロセッサ」と呼ばれるものがよく使われていました(今も使われています)。

が、同ソフトは章、節といった、すでにあるアイデアの階層の論理的な整理には向いていますが、たとえば思いついたキーワードや、ひとつのまとまりとしてはまだ不十分なアイデアの処理がむずかしい。

その点、マインドマップなら、大きいキーワードも、小さいアイデアも単語ベースでひとつのマップ上に置き、ブランチでつなぐだけです。

作成者は自分の思考全体を見渡し、それぞれの関係について分析/把握/整理できるのです。

もともと、マインドマップはノートに手書きで行っていましたが、最近になって携帯端末の発達、とりわけ画面の大きいiPadの普及で、「デジタルマインドマップ」があちこちの企業セミナーで啓蒙されつつあります。

たとえば、アイデアが次々出てくると、サブブランチに置いたものをメインブランチに置きたくなったり、別のメインブランチの下に動かしたくなったりするとき、ドラッグ&ドロップでできます。

マインドマップを作成するソフトを利用することで、作成したマインドマップを別のソフトデータにエクスポートしたり、既存のマップをテンプレートとすることで次に作るマップを効率よく作成できたりとメリットはいろいろあります。

そこで同書は、第1章、第2章でiPadを使ったマインドマップの描き方、第3章では冒頭の各パターンにおける具体的な進め方、第4章、第5章ではiPadならではの使い方を紹介しています。

ただし、同書の内容は「iPadだけ」ということではなく、iPad以外のタブレットやスマートフォン、パソコンなど幅広くデジタル端末におけるマインドマップ作成に役に立つ内容です。

スポンサードリンク↓

おすすめのマインドマップ作成ソフトは?


現在、デジタルマインドマップ作成については、有償・無償のクラウドサービス(サイト上のサービス)を利用するか、ソフトウェアをインストールするかのどちらかで利用できます。

私は、ちょっと時代に取り残されつつあるようで、どちらかというとクラウドサービスよりも、自分のマシンにソフトウェアと作成データが入っている方が、使いやすいような気がしています。

また、私はそんなにマインドマップを使いこなしているわけではなく、まだ「アウトラインプロセッサ」への慣れが未練として残っているので、初心者にも使いやすい、もしくはアウトラインプロセッサとしての機能ももっているソフトウェアだといいなと思うのですが、その意味では次の2ソフトはそれにあたるのではないかと思います。

FreeMind(フリーソフト)


FreeMind
FreeMind プロジェクト日本語トップページ
http://sourceforge.jp/projects/freemind/

Free Mind Softwareが開発したソフトです。日本語が使えるデジタルマインドマップソフトとしては、もっとも知られているものかもしれません。作成したマインドマップは、PDFやPNG、HTMLなどの形式で保存できます。

Frieve Editor(フリーソフト)


Frieve Editor
『窓の杜』より
http://www.forest.impress.co.jp/article/2007/11/09/frieveeditor.html

Frieve氏作。簡単に述べると、マインドマップ的な視覚的構造で作成するアイデアプロセッサーです。マインドマップのアイデアの組み込みやすさと、アイデアプロセッサーの論理性を兼ね備えています。

トニー・ブザン氏は、マインドマップの約束事をいろいろ挙げていますが、難しすぎて取り組めない、ということでは元も子もありません。

マインドマップをツールとして使う本質は、アイデアや情報を分析・整理して、思考を多角的に行いやすいようにすることです。

たとえ、その約束事を満たさないものであっても、まずは作ってみることが肝要だと思います。

私などはいつもそうですが、毎日ブログを更新していると、「今日は書くことがないなあ」なんていう日が出てきます。

そういうときは、マインドマップによって、ひとつのビッグキーワードから派生するものを次々書き出していくと、「先日はこの視点から書いたが、今度はこんなふうに書いたらどうだろうか」などと新たなプロットが出来上がるかもしれません。

【パソコンソフト・クラウドサービス関連記事】
音声認識ソフトを比較する、AmivoiceSP2など無料も含めた4製品
イメージバックアップソフト比較特集
無料アクセス解析ツール比較、あなたは何をお使いですか?
タイピング練習ゲーム、楽しんで身につけるFlashツール
日本語入力、Officeなど2013年の有力ソフトを検証
オンラインストレージサービス、『知子の情報』の置き換えで検討
Cyberfoxを日本語化してSo-netブログを快適に巡回する方法
小説形態素解析CGI(β)などブログ記事の校正と解析ツールを利用しよう
コピーコンテンツチェックサービス比較

デジタルマインドマップ超入門

デジタルマインドマップ超入門

  • 作者: 金子正晃
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2014/05/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)