『仕事のギリギリ癖がなおる本』先送りの原因は自己愛だった!?
『仕事のギリギリ癖がなおる本』(吉田隆嘉著、青春出版社)を読みました。タイトル通り、自分はどうしていつもルーズで物事にとりかかるのが遅いのか、ギリギリ癖を治す方法が知りたい、という方におすすめできる書籍です。同書を読み進めると、その“真犯人”には自己愛という意外な指摘もあります。
考えてみると、私の生き様は“人生駆け込み乗車”をモットーとしているようなものです。
いつもギリギリです。
もちろん、本来間に合わないことが間に合う幸運ならいいのですが、そうではなくて、余裕を持って早く動けばいいのに、ギリギリでいいと思っているルーズな場合が多いのです。
たとえば、×時という約束をすると、その時間にさえ間に合えば良いという意識が働きます。少し前の時刻に余裕を持って行くことは、時間がもったいないなどという意識がはたらくことがあるのです。
どうしてそうなっちゃったんだろうと考えると、思い当たるフシがあります。
他人のせいにしてしまいますが、昔、違う学校の友人と同じ予備校に待ち合わせて行っていたとき、いつも私は20分~30分待たされていました。
20分~30分あれば、ちょっとしたことができます。
げんにそのときは、いつも見たいテレビ番組を途中でやめて家を出ていたので、時間を損してしまったような嫌な思いを強く抱いてしまいました。

人に裏切られるとそれをずっと覚えているように、私はその人から、時間を奪われたような気持ちが残り、その後の自分の人生に引きずってしまったようです。
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待たされるのは嫌だ、自分もギリギリにしよう、という気持ちを持ってしまったんでしょうね。
しかし、余裕を持って動けば、数字には現れないかもしれませんが、気持ちにも余裕ができて、行動の成果も変わってくることもわかっています。つまり、自分自身にとってそうした方がいいのは承知しています。
わかっているのですが、なかなかそのトラウマがそうさせるのか、根っからだらしない人間なのか、ギリギリ癖を克服できずにズルズル今まで生きてきました。
そんなときに手にしたのが、このブログでもご紹介したことのある吉田隆嘉医師の、『仕事のギリギリ癖がなおる本』です。
【吉田たかよし氏関連記事】
・Jカーブ効果と疫学調査の虚実
・『危険な病気の意外な予兆69』意外なところからシグナル
吉田隆嘉氏は、東京スポーツの連載では「吉田たかよし」と、下の名前をひらいています。

『東京スポーツ』(2013年6月22日付)より
選挙の時の立候補者名みたいですね。
それはともかく、吉田隆嘉医師は、灘高から東大工学部、国家公務員上級経済職、新聞研究所、NHKアナ、北里大医学部、医師免許取得と、試験脳抜群の経歴です。
それは、本来持っている「ギリギリ癖」を克服して自己管理できたからこそ達成できたそうです。
具体的に同書にそって見ていきます。
同書によると、私たちの脳は、原始時代を設定して作られているのに、高度で複雑化した現代にそれを無理やり流用して使っているため、「ギリギリ」になってしまうのだそうです。
つまり、「だらしない」からではなく、人間の脳が根本的に抱える弱点なのだそうです。
では、そのギリギリ癖はどうすれば克服できるのか。
同書は具体的に3つのメソッドで、それを見つけ修正するとしています。順にご紹介します。
ギリギリ癖によって巻き起こした自分の行動を、いちいちメモなどに書き留めておくことです。
書くのが面倒なら、スマホで音声として記録するだけでもいいそうです。

実態を自分自身で正確に知ることができれば、それだけでギリギリ癖が大幅に改善されるのは間違いない、と吉田たかよし氏は書いています。
なぜわざわざ書き留めるのか。記憶として残るものは、客観性が歪められた自分の都合の良いものになっているからだそうです。
人間は、自分を取り巻く周囲の状況を客観的に認識し、事実をありのまま受け止めるとは限りません。
しかし、この認知の歪みが、ギリギリ癖を悪化させる要因になっているといいます。それは、「両極端に考えすぎ」「他人の心を深読みし過ぎ」「先のことを読み過ぎ」「やるべきことを決めつけすぎ」「レッテルを貼りすぎ」「マイナス思考で考えすぎ」など、要するに予断を入れてしまうことです。
そうした予断が行動を妨げてしまうわけです。
ギリギリ癖の悪化には、ストレスも影響をあたえるそうです。そこで、ストレスに負けないための脳の鍛え方として、3つのCを紹介しています。
commitment(自己関与度)……何事に対しても積極的に関わろうとすると、逆境に直面しても立ち向かうことができるようになるといいます。
control(制御の見極め)……何でも先送りする人は無根拠な他力本願、成り行き依存のところがあるので、自分ができることを合理的に見極めてそこに集中することだといいます。
challenge(挑戦)……普段から新しいことに挑戦して自分を変えていこうとする人は、レジリエンス(resilience、精神的回復力)が強くなり、危機に陥っても立ち直れる強さが身につき、快感の力も引き出せるようになるそうです。
詳しくは同書を御覧ください。
記憶の誤り、認知の歪み、ということが出てきましたが、同書によるとその原因は自己愛だ、と指摘されているのが興味深い。
自己愛が肥大化すると、周囲に合わせるのが苦手になるので、決められた時間で自分をコントロールしにくくなる、対人関係でも責任感が持てなくなる、権利は主張するが義務は省みない、などと書かれています。
まあそれらはだいたい想像がつきますが、さらに同書によると、自分を卑下する人間も自己愛が肥大化しているそうです。
つまり、自尊心が過大だからこそ、卑下することで周囲の人間と向き合うことを放棄するというのです。
なるほどねえ。
ルーズな友人がトラウマになるほど、他人に対して神経質で不寛容な私は、自己愛の肥大だったんですね。
それがギリギリ癖につながっていたということです。
自分の人生を支配していた負の側面がこれで解決しました。
もっとも、同書は、自己愛は社会的な成功の資源であるとも書いています。要は、自己愛の肥大化を自覚し、周囲に対して折り合いを付けられるかどうかだそうです。
いかがですか。みなさんも思い当たるフシ、ありませんか。

考えてみると、私の生き様は“人生駆け込み乗車”をモットーとしているようなものです。
いつもギリギリです。
もちろん、本来間に合わないことが間に合う幸運ならいいのですが、そうではなくて、余裕を持って早く動けばいいのに、ギリギリでいいと思っているルーズな場合が多いのです。
たとえば、×時という約束をすると、その時間にさえ間に合えば良いという意識が働きます。少し前の時刻に余裕を持って行くことは、時間がもったいないなどという意識がはたらくことがあるのです。
どうしてそうなっちゃったんだろうと考えると、思い当たるフシがあります。
他人のせいにしてしまいますが、昔、違う学校の友人と同じ予備校に待ち合わせて行っていたとき、いつも私は20分~30分待たされていました。
20分~30分あれば、ちょっとしたことができます。
げんにそのときは、いつも見たいテレビ番組を途中でやめて家を出ていたので、時間を損してしまったような嫌な思いを強く抱いてしまいました。

人に裏切られるとそれをずっと覚えているように、私はその人から、時間を奪われたような気持ちが残り、その後の自分の人生に引きずってしまったようです。
待たされるのは嫌だ、自分もギリギリにしよう、という気持ちを持ってしまったんでしょうね。
しかし、余裕を持って動けば、数字には現れないかもしれませんが、気持ちにも余裕ができて、行動の成果も変わってくることもわかっています。つまり、自分自身にとってそうした方がいいのは承知しています。
わかっているのですが、なかなかそのトラウマがそうさせるのか、根っからだらしない人間なのか、ギリギリ癖を克服できずにズルズル今まで生きてきました。
そんなときに手にしたのが、このブログでもご紹介したことのある吉田隆嘉医師の、『仕事のギリギリ癖がなおる本』です。
【吉田たかよし氏関連記事】
・Jカーブ効果と疫学調査の虚実
・『危険な病気の意外な予兆69』意外なところからシグナル
吉田隆嘉氏は、東京スポーツの連載では「吉田たかよし」と、下の名前をひらいています。

『東京スポーツ』(2013年6月22日付)より
選挙の時の立候補者名みたいですね。
それはともかく、吉田隆嘉医師は、灘高から東大工学部、国家公務員上級経済職、新聞研究所、NHKアナ、北里大医学部、医師免許取得と、試験脳抜群の経歴です。
それは、本来持っている「ギリギリ癖」を克服して自己管理できたからこそ達成できたそうです。
具体的に同書にそって見ていきます。
3つのメソッドでギリギリ癖を克服する
同書によると、私たちの脳は、原始時代を設定して作られているのに、高度で複雑化した現代にそれを無理やり流用して使っているため、「ギリギリ」になってしまうのだそうです。
つまり、「だらしない」からではなく、人間の脳が根本的に抱える弱点なのだそうです。
では、そのギリギリ癖はどうすれば克服できるのか。
同書は具体的に3つのメソッドで、それを見つけ修正するとしています。順にご紹介します。
レコーディング(記録)すること
ギリギリ癖によって巻き起こした自分の行動を、いちいちメモなどに書き留めておくことです。
書くのが面倒なら、スマホで音声として記録するだけでもいいそうです。

実態を自分自身で正確に知ることができれば、それだけでギリギリ癖が大幅に改善されるのは間違いない、と吉田たかよし氏は書いています。
なぜわざわざ書き留めるのか。記憶として残るものは、客観性が歪められた自分の都合の良いものになっているからだそうです。
6つの認知のゆがみに気づくこと
人間は、自分を取り巻く周囲の状況を客観的に認識し、事実をありのまま受け止めるとは限りません。
しかし、この認知の歪みが、ギリギリ癖を悪化させる要因になっているといいます。それは、「両極端に考えすぎ」「他人の心を深読みし過ぎ」「先のことを読み過ぎ」「やるべきことを決めつけすぎ」「レッテルを貼りすぎ」「マイナス思考で考えすぎ」など、要するに予断を入れてしまうことです。
そうした予断が行動を妨げてしまうわけです。
3つのCがギリギリ癖に打ち克つ脳を育てる
ギリギリ癖の悪化には、ストレスも影響をあたえるそうです。そこで、ストレスに負けないための脳の鍛え方として、3つのCを紹介しています。
commitment(自己関与度)……何事に対しても積極的に関わろうとすると、逆境に直面しても立ち向かうことができるようになるといいます。
control(制御の見極め)……何でも先送りする人は無根拠な他力本願、成り行き依存のところがあるので、自分ができることを合理的に見極めてそこに集中することだといいます。
challenge(挑戦)……普段から新しいことに挑戦して自分を変えていこうとする人は、レジリエンス(resilience、精神的回復力)が強くなり、危機に陥っても立ち直れる強さが身につき、快感の力も引き出せるようになるそうです。
詳しくは同書を御覧ください。
ギリギリ癖の真犯人は自己愛だった
記憶の誤り、認知の歪み、ということが出てきましたが、同書によるとその原因は自己愛だ、と指摘されているのが興味深い。
自己愛が肥大化すると、周囲に合わせるのが苦手になるので、決められた時間で自分をコントロールしにくくなる、対人関係でも責任感が持てなくなる、権利は主張するが義務は省みない、などと書かれています。
まあそれらはだいたい想像がつきますが、さらに同書によると、自分を卑下する人間も自己愛が肥大化しているそうです。
つまり、自尊心が過大だからこそ、卑下することで周囲の人間と向き合うことを放棄するというのです。
なるほどねえ。
ルーズな友人がトラウマになるほど、他人に対して神経質で不寛容な私は、自己愛の肥大だったんですね。
それがギリギリ癖につながっていたということです。
自分の人生を支配していた負の側面がこれで解決しました。
もっとも、同書は、自己愛は社会的な成功の資源であるとも書いています。要は、自己愛の肥大化を自覚し、周囲に対して折り合いを付けられるかどうかだそうです。
いかがですか。みなさんも思い当たるフシ、ありませんか。