勝間和代さん「発達障害のパニック映像を求められ」ドタキャン

勝間和代さんが、テレビ出演をドタキャンした経験を明かして話題になっています。理由は、発達障害を放送するために、わざとパニックを起こすように仕掛けたり、あるいはそういうやらせをしようとしたからとか。マスコミとはいかなるものなのか、改めて考えてみるべき問題です。

まず最初にお断りしますが、「私は勝間和代が嫌いだから、勝間には賛成したくない」という感情のバイアスはかけずに読んでください。

Google検索画面より
今回は、「勝間和代さんが好きか嫌いか」ではなく、「勝間和代さんが話している経験をどう思うか」という話です。
⇒勝間和代の密着取材ドタキャン「発達障害パニック映像求めたから」
10月22日放送の『バラいろダンディ』(TOKYOMX)で……、
「私、ADHDという、不注意とか多動性の障害がありまして、それを皆に知ってもらう活動をやっていたんですよ」
「発達障害というのはいろんな種類があるんですけど、私の障害をもっと、パニックを起こすという障害にしたかったんです」
「何日やっても私がパニックを起こさないので、わざとパニックを起こすように仕掛けたり、あるいはそういうやらせをしようとしたんで、さすがにちょっとそれはひどいと」
「こういう画像が欲しいんですよっていうのが、他の番組がやっている発達障害の方の『パニックになっている映像』だったんです。それで、やめてしまいました」
記事では、「テレビスタッフは、発達障害を正しく伝えることよりも、「テレビ的においしい」場面が欲しかったようだ。」が、勝間和代さんへの要求は「「ADHDはパニックを起こすもの」という間違った概念を広めかねない。」と指摘しています。
たとえば、ADHD(注意欠如・多動症)の「衝動性」や「多動性」は、貧乏ゆすりをするとか、言わずもがなの話が出やすいと言ったことですが、その程度では、テレビ的にはおいしくなかったようです。
司会の蝶野正洋も、恐妻家に仕立てたい番組で、試合でケガをしたのに夫人にやられたことにされたので、ドタキャンして、それが記載されるはずのテレビの番組欄を白くしたそうです。
こういう場合のドタキャン、みなさんはどう思われますか。
お2人の体験談は、自分にも似た経験があるので、これはあり得る話だとおもいました。
私も同じ経験があった“ドタキャン”
もう15年ぐらい前ですが、日本テレビが放送していた『ジェネジャン』というディベート番組が、ある科学的なテーマで、私に出演依頼してきました。
私がそのテーマで昔、何冊か本を書いたことがあったからです。

仕事場にもカメラが入りましたが、私も勝間さんや蝶野さんのようにやめることにしました。
理由は、企画書の中に、「意見は60%シロ、40%クロの事案でも、100%シロと言いきってくれ」と書かれていたからです。
つまり、極論のみを話してくれ、その方がわかりやすく盛り上がるから、と指図されたのです。
そんなことをしたら、視聴者に誤解を与えたり、センセーショナリズムに走った放送に陥ったりする可能性もあるので、お断りしたわけです。
もし、「ラーメンが好きか、うどんが好きか」というテーマだったら、それぞれの派に別れて喧々諤々したら盛り上がったでしょう。
しかし、「糖質制限について」というテーマだったらどうでしょう。
単純に「信じる」「信じない」「すべき」「せざるべき」と極論を言い合って、「賛成多数派が勝ち」とする問題でしょうか。
食餌療法として、医学的に糖質制限が必要な疾患はあります。
しかし、昨今、それを勝手にダイエットに「応用」し、それどころか、糖質制限こそが健康の道筋であるといわんばかりの、素人が見ても危険な情報を垂れ流しているメディアもあり、それがために様々なトラブルが取り沙汰され、今や糖質制限の健康被害を懸念する表明を行っている学会もあります。
そういう問題は、オール・オア・ナッシングで「肯定派」と「否定派」が勝手に意見を言い合うのではなく、どういうときに必要で、どう場合に行ってはならないのか、また制限というのはどの程度かを根拠に基づいて突き詰めていく議論が必要なのです。
余談ですが、テレビで報じる、○○という食材は△△に効く、という健康情報は、フードファディズムといい、そのほとんどは、様々な留保を端折った考察であるといえます。
テレビや雑誌などのそんな情報をパクって、そのままブログで垂れ流して、またそれに対して絶賛のコメントをつけるような低級なことは、もういい加減卒業しないと、いつまでたっても国民はメディアに騙される情弱のままだとおもいます。
「偏見」も「感動ポルノ」も出所は同じ
話を戻しますが、メディアが、障害者(←「がい」をひらがなで書けば差別ではないなどという決まりはありません!)を取りざたすときは、2つのポイントを見ておきましょう。
1.その障害における客観的な概念や状態が説明されているか
2.そこで障碍者が紹介される必然性(その障碍者による新事実や訴求すべき点)はあるのか
これがない番組は、「偏見」か、いわゆる「感動ポルノ」目的でしょう。
結局のところ、「偏見」も「感動ポルノ」も、出所は同じかもしれません。
「2」については、ヤラセによる虚偽の場合もあるので、できるだけ注意深く見るとともに、懐疑的な意見に耳を傾けることです。
もとより、どんなコンテンツにも言えることですが、しょせん、メディアで見せているものは、リアルな現実の一断面に過ぎません。
それどころか、その断面を都合よく切り貼りして、もとの現実と異なるものを作ることすらできるのです。
そこで知る情報は、そのまま鵜呑みにすること自体、大変危険です。
そんなに感動したいのなら、良質の映画やテレビドラマをご覧になったほうがいいですよ。
今のドラマはよくわかりませんが、BSもCSも、ネット配信もありますから、さしあたって過去の作品で評判の良かったものからご覧になればとおもいます。

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この記事へのコメント
>極論のみを話してくれ、その方がわかりやすく盛り上がるから
討論もどき番組もすべてこれですよね。だいたいが、見た目もおいしくて、しかも相手が話している最中に被せて大声で話を展開するおいしい話し方をするような人物が視聴者の人気を博し、人気を集めます。そうした番組に出演する人たちもそれが分かっていますから、どんどん「おいしくなろう」とするわけですよね。「医療バラエティ」とかへ出てくる医者なども極めて単純化した話をする人が多く、非常に危険な態度だと思いますし、こうした番組で浮かれて喋る医療関係者の人間性はまったく信用しておりません。
>国民はメディアに騙される情弱のまま
まったくおっしゃる通りです。ネットはその気にさえなれば、ネット以前では考えられなかったような良質の情報が手に入ることもあるのですが、国民の多くはそんな努力をしませんし、そもそも「何が良質な判断か」も判別できないほど劣化しておりますよね。
>良質の映画やテレビドラマをご覧になったほうがいいですよ
おっしゃる通りです。そして、ここでも「国民の理解力」の問題が出てきまして、映画やドラマのネットニュースに対するヤフコメ欄などを見てみると、映画やドラマが両汁であればあるほど理解できそうにない惨状が展開されております。「感動ポルノ」を観て本気で「感動した!」とか言っている人は、丹念に演出され、ストーリーを紡ぐような映画、ドラマ、そして小説などもまったく理解できない人たちだと思います。
前澤社長はもうお金は腐るほど持っているのだから、今後のおおきな目標は、「いかに日本、そしてできたら世界での知名度を上げるか」なのだと想像します。いずれ、『小説 前澤友作』とか『映画 前澤友作』、あるいは『社長 前澤友作』という漫画とか。すごく二番煎じっぽいですが。なにせ今のところ国内ではホリエモンの知名度にまだまだ及ばないと見られますから。
しかし知名度というのも本当に食わせ者で、例のタレントパワーランキングはほぼ知名度ランキングのようなものですが、つまり日本の場合はテレビにしょっちゅう出ているか否かでほぼ知名度の高低が決まってしまい、他のルートがほとんどないのが現状です。俳優に至っては、朝ドラへ出ることが極端な知名度アップに繋がる唯一のルートに現在なっているのが侘しいですね。
>話が下手、というより世間知らずで会話の返しもできないし物事の視点も狭い
なるほどです。前の『あさイチ』はちらちら眺める程度でしたが、井ノ原に負けていたわけですね。お話を拝読させていただいて、有働に番組内でも数々の不備があったのですね。その辺りを顧みず、知名度と話題性だけでニュース番組(らしきもの)へ起用した日本テレビの適当さも問題になりますね。
あと、女性ニュースキャスターの問題として、欧米では「いかにもデキる女」的なバリバリの人が普通はメインキャスター、あるいはそれに準じるポジションに就くのですが、日本の場合は主婦が「デキる女」を敬遠する傾向にあるようですね。だから日テレの有働のニヤニヤ顔に期待したのかもしれませんが、「ニュースを伝える女性」にはいい加減、「仕事中心」で見られるようになってほしいところです。もちろん和久田麻由子や保里小百合のように容姿も愉しみな人たちもいるにはいますが(笑)。でもこの人たちは若い頃の有働と比べたら、もっとしっかり仕事しているような。
>私は大学出てるのにくやしーとかおもったんでしょう。
そうでしょうね。でも大学出てるとか、さらに言えば、東大とか何とかの学歴と、「機転が利く」「会話のセンスがある」といった人間としてとても重要な要素とは、ほとんど関係ないのですよね。
>これは役者冥利につきる
さすがはいっぷく様!わたしが緩やかに推している(笑)有村架純にも聴かせたいお言葉です。ちなみにわたしが有村架純を緩やかに推すきっかけになったのが『女子―ズ』というおバカ映画で、この中のワンシーンで「木」の役をやってるんですが、それがケッサクだったのです。 RUKO
おいしい画が欲しいのは分かるけどそれって偶然撮れたから「おいしい」のであって仕向けた画は違うと思うなぁ。
演技ややらせで自分を語って欲しくないです。。。
もちろんその中には幾分かの本当もあるのかもしれないけれど、世の中100か0かではないというのがありますからね。
あと、ニュースは民放のは私見を言うから大嫌いです(^^)
最初は、書いてあることが全てなので自由に使ってよいと返事しましたが、送られてきた企画案を見たら、筆者の立場を曲解してテレビ的に茶化すような内容でしたので、すぐに断りました。
その後、上司のDからも謝罪メールが来ましたが、結局番組に取り上げることにはOKしませんでした。今でも断って良かったと思っています。
テレビとかぁネット情報とかぁ
わりといい加減ですよっ
あっちこっちのパクリコピペして
書くだけ~のライター募集してるの
見て・・はぁ~と
思ったし
昔の作品は良質なことは間違いないですっ
美味しいエズラが欲しいかぁ
やらせ的ですねっ
怖いことだ
情報発信てぇ
視聴率が取れないとスポンサーも付かないので、そう言う商売なんでしょう。
記事を読ませていただきました。
今回のようなケースは、ときどきネットのニュースなどで見かけますね。
こういった内容を読んでいると、「テレビ局は相手のことよりも、やはり視聴率が取れれば良いのだなぁ」と嘆かわしく思います。
私自身が最近の地上波放送をほとんど見なくなってしまったのですが、ネットでは「テレビがおもしろくないから」という理由で、私のようにテレビ離れをしているらしいので、テレビ局側からすると、だからこそ「ヤラセでも視聴率が欲しい」のかもしれませんね。
他の情報と比較するのが大切だと思います。
マスコミに踊らされている部分がありますね。