『喜劇駅前女将』森繁久彌・森光子が江戸っ子夫婦を熱演

『喜劇駅前女将』(1964年、東宝)が、BS11で来る11月13日(火)よる7時00分~8時52分に放送されます。11月10日は、森繁久彌、森光子、高倉健など、有名人の命日が重なっていますが、そのうち森繁久彌と7回忌を迎える森光子が同作に出演しているので、改めてご紹介します。(画像はDVD『喜劇駅前女将』より)

『喜劇駅前女将』は、作品として大変面白かったのと、駅前シリーズ24作すべてに出たわけではない準レギュラーも出揃っていて、それに加えて両国が舞台になっていることから、佐田乃山、栃ノ海、栃光、出羽錦ら、当時の人気力士も登場しているため、今までこのブログでは2度ご紹介しました。
出羽錦は、私には「田子ノ浦親方」のイメージが強いですね。
佐田乃山は理事長時代には見せたことのない笑顔を見せていました(真ん中は京塚昌子)

DVD『喜劇駅前女将』より
左が栃光で右が栃ノ海です。

DVD『喜劇駅前女将』より
『喜劇駅前女将』解説
『喜劇駅前女将』は、喜劇駅前シリーズの第7作目です。
舞台となる両国は、隅田川を挟んで、江戸と下総という2つの国にかかる両国橋からそう呼ばれたそうです。←DVD林家正蔵の解説より。
両国駅前の酒屋の主人が森繁久彌。その夫人が森光子。
森光子の兄が、近所にある寿司屋の主人の伴淳三郎。その夫人が京塚昌子。
伴淳三郎と森光子の弟で、寿司職人の修行をするものの、上手く握れないのがフランキー堺。
その伯父さんが加東大介。息子が峰健二(峰岸徹)。
峰健二(峰岸徹)の恋人が中尾ミエ。
森繁久彌が昔惚れていた元芸者が淡島千景。
淡島千景の妹で、フランキー堺とアツアツの関係な芸者が池内淳子。
池内淳子とは同級生で、フランキー堺の結婚相手にされそうになったのが大空真弓。
淡島千景や池内淳子の置屋の女将が沢村貞子。
いつも2人のデートに店を使われる、ラーメン店の店主が山茶花究。
森繁久彌と伴淳三郎が、狙っているバーのマダムが淡路恵子。

その関係をややこしくしてしまう騒動のきっかけを作るクリーニング店の主人が三木のり平。その夫人が乙羽信子。
今回は登場人物が多いだけでなく、血縁の関係が多い設定なので、その確認をしながらストーリーを追うのが大変かもしれません。
11月10日の呪い?
そして、森繁久彌と森光子は夫婦役なのですが、2人が後に、国民栄誉賞なる内閣総理大臣表彰を受ける超大物になるとは、この当時はさすがに思われなかったでしょう。

冒頭のポスターでは、劇の中で重要な役どころは似顔絵で、その他大勢は写真になっているのですが、女優で似顔絵は、淡島千景、淡路恵子、池内淳子であり、つまり森光子は女優の中でも4番手だったのです。

森繁久彌と森光子が同じ日に亡くなり、さらに高倉健まで同じ日だったということで、老舗芸能プロ幹部も震え上がる“11月10日の呪い”なんていうタイトルをつけているページもありますが(https://www.excite.co.jp/news/article/Cyzo_201411_1110/)。
たしかに、国民栄誉賞受賞者で、亡くなった日が重なっているのはこの2人だけですが、俳優は、桜井センリ、ディヴ平尾、桜京美なども同じ日ですし、かといって総数でとくにこの日だけが多いというわけでもないので、まあたぶん偶然だと思いますけどね。
ということで、高倉健ですが、『神戸国際ギャング』という映画に、11月10日が生まれた日である真木洋子とともに出演していますので、次回はそちらをご紹介させていただきます。
『喜劇駅前女将』は、13日のBS11をお楽しみに。
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この記事へのコメント
わたしとしては、最近三木のり平にかなりはまっておりまして、ドリフの映画へも出ておりますよね。まさしく場をさらってしまいますね。いや、本当に素晴らしいです。
森光子は、「映画で主役」というタイプではなかったですよね。その意味では、「テレビドラマの申し子」の一人だと言えるのでしょうね。京塚昌子もテレビドラマでスターになりましたが、映画でギャグをやる姿を見ると、こんな京塚昌子も非常に捨て難いですよね。もちろんドラマの京塚昌子も好きでした。
森繫久彌と森光子が国民栄誉賞を獲ったのはいいのですが、他にも名だたる名優が大勢いるのに、ほとんど獲ってませんよね。まあ国民栄誉賞の価値について今更云々しても仕方ない面はありますが、日本の政府関係に文化芸術が理解できる人が存在するのか大きな疑問です。
『喜劇 駅前女将』のキャッチコピーは「待ってました! 豪華20大スターの超娯楽大作!」ということですね。しかもそれを90分に収めている。ここがまた凄いところです。昨今の日本映画、貧弱なキャストでだらだら2時間以上というのが多いのです。『喜劇 駅前女将』の贅沢な90分、ぜひ堪能したいと思います。
>ぜひ詳しくお伺いしたいことです。
本当に難しくも極めて魅惑的なテーマなのですが、これまた語らせていただき始めると延々と続きますので、今回はシンプルに400字くらいで(笑)お話させていただきます。
わたしの意識の中には常に念頭に「死」がありまして、これは20代の精神的地獄の期間に身についたものなのですが、わたしを救ってくれた重要なものが「死に裏付けされた芸術」だったのです。シンプルに生を謳歌する作品は何ら響いてきませんでしたし、それどころか不愉快だったほどです。もちろん人間にとって生の謳歌こそ、人生の中で最も大切なことなのでしょうが、「すべての人間は死ぬ、だからこそ生が輝いて見える」という視点がなければ、結局は上っ面の謳歌になり、さらに堕落して、「世間的評価を得てこそ謳歌できる」という意識に結び付くと考え至りました。本当の意味で深く人生を謳歌するためには、「死の認識」が必須だと思いますし、映画も含めて芸術はその反映であるべきだと考えております。ただ、「死」を扱っていても、必ずしも作品が深く生と死を描き切れているとは限らず、直接「死」を扱っていなくても、何かのシーンでそうしたものを感じさせてもらえる作品もあり、そこが表現活動のおもしろいところなのだと思うのです。
>私も学生時代は「真面目」といわれました。
わたしも中学までは、親からも教師からも同級生らからも「真面目」と見做されておりました。その割にはしっかりプロレスはしておりましたが(笑)。ただいつでも精神世界は自由だったと思います。件のW君の場合はまず精神世界が極めて狭く、何と言ってもモノを知らないのが現在非常に悪い方向へ向かっています。そしてわたしにとっては特に、「魂が見えるんです」というのは許し難いセリフなのです。 RUKO
ライバル同士だったそうですね。
舞台裏の緊張感が垣間見えるかも
しれないと思いながら鑑賞するのも一興ですね。
その中でもこれはたくさんの俳優さんや女優さんが出てらして、ホントにいいなぁと思います。
13日の番組、予約しました(^^)
出羽錦は強くも弱くもない優しい感じの
力士でした。 その風貌と優しさでタレントや
NHKの解説者として人気を博しましたね。
森繫久彌さんの舞台を帝国劇場へ
観に行きました~
山田五十鈴さんと共演してたけ
なんかぁ懐かしい~と
思っちゃいました~
ほっこりとした時代ですねっ~
加えて季節の変わり目で、急に寒くなることも影響しているかもしれません。