石井トミコ、お喋りでお節介なおばさん役で芸歴60年

石井トミコ(いしいトミコ、1935年1月12日~)さんの誕生日です。お喋りでお節介なおばさん役として映画やドラマに多数出演していますが、かつては野川由美子主演の『肉体の門』(1964年、日活)で豊満な肉体を披露するなどグラマーな女優としても活躍しました。

石井トミコは、どこかのトレンドネタのブログで、野村昭子、あき竹城とともに、三大おばさんという表現でくくられていましたが、それぞれちょっとイメージが違いますね。
あき竹城は山形弁を隠さないローカルなおばさんですが、石井トミコは、ざっくばらんでも決して下品ではなく、女性も感じさせる(←この表現はセクハラですか?)役です。
そのため、映画やドラマでは、渥美清や石立鉄男が、石井トミコのちょっと図々しいお願いでも、つい聞いてしまうのです。
野村昭子は、開けっぴろげではありますが一定の知性も感じられる役柄で、『家政婦は見た!』の所長(野村昭子)と家政婦(石井トミコ)のキャスティングは良かったですね。
『松本清張の熱い空気 家政婦は見た!夫婦の秘密「焦げた」』
『松本清張の熱い空気 家政婦は見た!夫婦の秘密「焦げた」』(1983年、テレビ朝日)は、視聴率は27.7%(関東地区・ビデオリサーチ社調べ)をたたき出した、後に市原悦子の代表作になる『家政婦は見た!』シリーズの第1作です。

ビールを飲んでいるのが石井トミコです。
この家政婦紹介所は、住み込み可で食事もついているのです。
夕食時は、お互いの派遣先の事情をサカナに楽しんでいます。
8作目で、市原悦子以外の家政婦が総入れ替えになるのですが、このメンバーでも十分面白かったと思いますけどね。
『肉体の門』
『肉体の門』(1964年、日活)では、野川由美子や松尾嘉代らと共に娼婦の役を演じています。
今日1月12日は女優・石井トミコ(石井富子)の78歳の誕生日。『肉体の門』('64、鈴木清順監督)『花と龍』('73、加藤泰監督)他の映画やTV、舞台など千本以上の作品に脇役として出演し、TVバラエティ番組でも人気を博した。 http://t.co/sl4woJjO
— nave (@nave4000) 2013年1月12日
『スクラップ集団』
『スクラップ集団』は、昨年12月9日の記事でもご紹介しました。
汲み取り業者の渥美清に、主婦の石井トミコが頼み込んで、ストライキ中に汲み取りをさせたことがきっかけで、渥美清は職と故郷を捨ててあいりん地区に行かざるを得なくなりました。

まだ若かったですね、石井トミコ。
『時間ですよ』
時間ですよ 第32回
— ちかるん (@busuharu) 2018年10月4日
石井富子(石井トミコ)元気かな…(。´・ω・)? pic.twitter.com/hYi0JWg9zN
『時間ですよ』(1970~1972年、TBS)のオリジナルは全3部ですが、その1部と2部において、噂話に忙しい常連客として出演しています。
石井トミコ自身は風呂にはいることはなく、下着姿にすらなっていません。
『秘密のデカちゃん』第13話
『秘密のデカちゃん』(1981年4月15日~1982年1月6日、大映テレビ/TBS)の第13話におけるプールのシーンでは、46歳の膨よかなプロポーションを披露しています。

石井トミコが現役でいろいろ出ていた頃、娘さんが公式サイトを作っていて、「何でもかんでも仕事を受けるな」というようなツッコミを石井トミコにしているのですが、この仕事もそうだったのかもしれません。
『男はつらいよ 旅と女と寅次郎』
『男はつらいよ 旅と女と寅次郎』(1983年、松竹)は、マドンナが都はるみの話です。
恋に破れた演歌歌手・京はるみ(都はるみ)がコンサートをすっぽかし、出会った寅次郎と佐渡ヶ島へ逃げてしまうというストーリーです。
この頃の『男はつらいよ』は、渥美清がまだ元気で、都はるみとか、太地喜和子とか、寅次郎がマドンナからダメ出しされてというものばかりではなかったのでストーリーにも幅ができて、観ていて心地よい頃でした。
石井トミコは、最初の夢のシーンで登場する、関敬六とのチンドン屋夫妻。

渥美清が、チンドン屋の荷物を枕にしてうたた寝をしていたので、関敬六が怒ってムッシュメラメラ……とは言わず、「お休み中恐れ入りますが、ニイさんの頭の下の荷物を……」と丁重に荷物を返してもらいます。
しっかり化粧をしている関敬六に比べて、石井トミコの顔がぼやけていますが、これは化粧を直している途中なのです。
石井トミコの老後は……
おばさんの役で映画、ドラマに1000本、芸歴60年の石井トミコ。
正式な引退宣言はありませんが、現在は第一線から退いているようです。
一昨年の『爆報!THEフライデー』(TBS)では、大映の大部屋時代に一緒だった元クラブ経営者の女性と、ドラマ『やすらぎの郷』のような共同生活をしていることが報じられました。
『やすらぎの郷』のような老後、どうでしょう。
私の妻もよく、自分が年を取ったときには、今のデイサービスや特養(老人ホーム)はどうなっているだろう、自分も入れるだろうかと心配しています。
私も漠然と、『やすらぎの郷』も悪くないかななんて考えることもありますが、夫婦でも血縁者でもない他人に気を使うのも面倒だしなあ、なんて思うと、その夢想はとりあえずペンディングにします。
石井トミコさん、覚えてらっしゃいますか。
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この記事へのコメント
『肉体の門』はこの前五社英雄版を観ましたが、観どころは多くありましたけれど、よくできているとは言い難かったです。だから野川由美子主演のものも観てみたいです。それにしてもこういう題材って、今ではなかなか作れないですよね。それがとても残念。
『家政婦は見た!』は、もともと松本清張がらみだったのですね。知りませんでした。このようなドラマは地力のある中年以降の女優がいなければ、成立しませんよね。現在、市原悦子のような女優は・・・・ちょっと思い浮かびません。
『肉体の門』は鈴木清純監督ですものね。これはおもしろいに決まってます。そして『花と龍』が、加藤泰監督ですか。これも観たいです~。加藤泰監督作をそう多く観ているわけではないですが、ある作品で部屋の中に大勢の人がいるシーンがあったのですが、その撮り方に息を呑みました。確固たる美意識を持った監督でしたね。そして、『時間ですよ』のお写真を拝見すると、石井トミコが魅力的な徐台だったということがよく分かります。顔立ちが整っていて、しかもチャーミングですよね。石井トミコの顔立ちのバランスの良さは、ともさかりえと比較すれば、一目瞭然です(笑)。
>盛りっとしてるのも
臀部がとても貧弱なのは、やはり外見的には(う~ん・・・)となってしまいます。あくまで個人的嗜好の問題ですが、ジーンズを履いていて、尻部にまったく膨らみがないとか、ちょいちょい見かけますが、(う~ん・・・)と、内心では感じております。あとまあ、ありがちですけれど、足首とふくらはぎは大きなポイントであり続けております。胸の大きさは、「まったくない」と「大き過ぎる」の間であればどちらでもいいですが。「大き過ぎる」というのは実生活上はあまり見かけたことないのです。でも、当然ながら、最大のポイントは「心」です(←きっぱり 笑)。
>恵方巻を宣伝して予約
いかにも「日本の伝統でございます」という顔をしてのさばって(笑)おりますよね。最近はクリスマスやバレンタインデーの協奏曲がやや沈静化し、その代わりハロウィンが特に都市部で大騒動となっていますが、何もかもビジネス臭がプンプンで、商戦としては前倒しの連発。前澤社長やホリエモンなどは、こうした社会的雰囲気がかなり後押ししておりますね。もっと雛祭りとか七夕とかに盛り上がればいいと思うのですが、七夕商戦なんてないも同然ですよね。雛祭りとかのやや封建的な雰囲気はあまり好きではありませんが。 RUKO
良く知る俳優、女優さんたちがいい年齢に。
そういう自分も年重ねているのに驚きます!
喋り方が可愛くてお茶目な役も多かったですよね。
そう言えば、最近見てなかったと思ったけど
78歳になられたんですか。
この方のは知りませんでした。