大山勝美、“ドラマのTBS”を支えたプロデューサー・演出家

大山勝美さん(おおやまかつみ、1932年2月5日~2014年10月5日)の生まれた日です。『岸辺のアルバム』や『ふぞろいの林檎たち』などの演出やプロデュースをつとめるなど、かつてTBSのドラマ制作で活躍されました。夫人は女優の渡辺美佐子です。
昭和の40~50年代のTBSは、“ドラマのTBS”といわれるほど、テレビ史に残るスタジオドラマを多数制作しています。
その頃の、スタジオドラマのプロデューサーや演出家は、ほぼこの顔ぶれでした。
大山勝美……『知らない同志』『白い影』『岸辺のアルバム』『想い出づくり』『ふぞろいの林檎たち』
石井ふく子……『肝っ玉かあさん』『ありがとう』『女と味噌汁』『あしたがござる』『渡る世間鬼ばかり』
川俣公明……『七人の刑事』『花王愛の劇場』『ありがとう』『あたしのものよ』『ふぞろいの林檎たち』
鴨下信一……『青年の樹』『天国の父ちゃんこんにちは』『七人の刑事』『おんなの家』『岸辺のアルバム』
高橋一郎……『知らない同志』『白い影』『高原へいらっしゃい』『七人の刑事』『淋しいのはお前だけじゃない』
久世光彦……『七人の孫』『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』『ムー』『ムー一族』

『岸辺のアルバム』Youtubeより

『知らない同志』TBSチャンネルより
『白い影』TBSチャンネル2より

『七人の孫』Facebookより。島かおりといしだあゆみの区別がつかなかった子供時代(笑)

『時間ですよ』DVDジャケットおよび劇中より
人気ドラマというと、この方々が、プロデューサーか演出か、どちらかをされていました。
石井ふく子P以外は、プロデューサーと演出の2役で、ときには脚本も手がけていたのです。
社員プロデューサーが、演出や脚本までできるんだから、便利ですごいですよね。
石井ふく子Pの『ありがとう』や『渡る世間は鬼ばかり』は、川俣公明演出でした。
私が出たことある橋田壽賀子脚本の『ああ家族』(1987年)や、高橋玄洋脚本の『花王愛の劇場ー氷紋』(1986年)なども、川俣公明演出だったのですが、テレビドラマの場合、端役への指示は演出者直々ではなくADが行うので、直接川俣公明さんからなにか言われた記憶はありません。
久世光彦Pが、『時間ですよ』や『寺内貫太郎一家』などで、やや異色の「笑い」を交えたドラマを作った以外は、みな硬派なドラマであったようにおもいます。
これに、大映テレビの春日千春、野添和子が加わった『大映ドラマ』があったわけですから、たしかに当時のTBSは面白かった。
大山勝美さんについては、テレビドラマデータベースを作られた古崎康成さんが、追悼ツイートされています。
大山勝美さんといい吉野洋さんといい、70年代から80年代にかけて、どちらかといえば「テレビドラマは脚本家のもの」と言われた中でドラマ演出の存在を懸命に高められた方の訃報が続く。4:3の小さな画面から16:9の大画面になった今こそ、もっとドラマ演出に辣腕をふるって欲しかった。
— 古崎康成 (@furusaki_y) 2014年10月27日
大山勝美さんがプロデュースしたドラマで、今回ご紹介したいのは『真夜中のあいさつ』です。
『真夜中のあいさつ』
【「TBS50年史」より⑰】
— しがない三四郎 (@shinya_bokudake) 2016年12月2日
『寺内貫太郎一家』
『白い滑走路』
『赤い疑惑』
『真夜中のあいさつ』#tbs #tbs954 @retoro_mode pic.twitter.com/C1NkIEGws7
『真夜中のあいさつ』(1974年8月11日)は、単発ドラマだったのですが、テレビドラマ史を語る時、しばしば登場する名前です。
第29回文化庁芸術祭大賞(文部大臣賞)、ギャラクシー賞期間選奨受賞作品。
脚本:山田太一、ディレクター:大山勝美、片島謙二、プロデューサー:大山勝美
山田太一・大山勝美といえば、『岸辺のアルバム』コンビです。
昭和なテレビ(302)。
— オダブツのジョー (@odanii0414) 2018年9月21日
「岸辺のアルバム」
(TBS・77.6.24?9.30)
東京・多摩川沿いの平凡な
四人家族の苦悩と崩壊を
描いた、TVドラマ史に残る
山田太一原作・脚本の名作。
このドラマの題材にも
なった、多摩川の水害に
よって家屋が流されていく
タイトルバックも鮮烈。 pic.twitter.com/tpOOoSkZ1x
『真夜中のあいさつ』は、深夜放送のディスクジョッキーの話です。
せんだみつおが、リスナーから片思いに悩む投稿をもらい、相手の女性(あべ静江)を他のリスナーたちの協力を得て番組で探し出し恋を実らせようとする話です。
元祖『電車男』というのは、山田太一も感じているようです。
あべ静江のドラマ初出演です。
NHKがやはり昭和に放送していた『少年ドラマシリーズ』という青春ドラマと作り方が似ていて、このドラマはぜひまた観たいとおもいます。
同じような意見の人が、知恵袋にいました。
「真夜中のあいさつ」は1974年にTBSで放送されたドラマです。もう一度見たいのですがビデオやDVDはあるのでしょうか。他に見る方法はありますか。ご存知の方がおられましたら教えてください。 宜しくお願いします。 http://t.co/QElqfvy6CD #TBS
— ☆∮★☆∮★テレビに関するQA集☆∮★ (@TV_QA) 2015年9月15日
“ドラマのTBS”と言われた頃の作品は、ご覧になりましたか。

岸辺のアルバム DVD-BOX

この記事へのコメント
久世光彦の、『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』『ムー』『ムー一族』などはある程度観ておりました。ただ、「続けて熱心に」というわけではなかったので、断片的なシーンしか覚えておりません。「続けて熱心に」見ていたのは大映ドラマなどでした。あとは『スケバン刑事』とか、書いてて情けなくなってきます(笑)。
『真夜中のあいさつ』は興味あります。あべ静江の若い頃って、ホント綺麗ですよね。この時期のあべ静江を観るだけでも価値があります。せんだみつおもいい感じですね。まあ、今のあべ静江は別人ということで(笑)。
>蜷川幸雄は役者としては芽が出なくて
そうだったのですか!わたし、蜷川幸雄の演劇は観たことないので意見などは申せませんが、あの物投げたり罵倒したりという演出減はを誉めそやすのはいかがなものかとは感じておりました。あのような演出方法でも、多くの俳優にリスペクトされているわけで、知らないわたしがどうこう言う必要もないかもしれないですが、部外者から見れば、(別にあんなことしなくても)とも感じます。そう言えば最近20代の新進舞台演出家(藤田貴大)が柳楽優弥と対談する番組を観たのですが、ずいぶんと横柄だなあと感じました。こちらも舞台は観たことなく、敢えて横柄にしている節もあるし、その対談以外の彼を知らないので軽々なことは言えませんが、20代で「自分は俳優というもののすべてを知っている」という感じの話をするんです。(このような考えでは、俳優たちもたまったものじゃないな)と感じました。
>石井ふく子、野添和子、せんぼんよしこ……。最近では櫨山裕子。
考えたら、本当におっしゃる通りですね。小説家や画家も長い間、「女性には難しい」とされておりましたが、それでも筆記用具や画材さえあれば、始められます。映画監督やテレビドラマのプロデューサーなどは、男性優位の社会・人間関係の中で力を発揮せなばならない難しさがありますから、これらプロデューサーたちについては、もっともっと多くの方々に知っていたきたいし、まさに「自立した女性」のお手本ですよね。かく言うわたしも、いっぷく様のお記事などで教えていただいて、(なるほど!)と理解させていただいている次第なのですが。
>脱水も口腔の汚れも高齢者にはよくあること
そうなのですね。今回もまたいろいろお教えいただき、本当に助かります。いつも有難うございます。母は退職後どうにもずぼらになってしまい、今回のトラブルも、「つけっ放しの入れ歯」が原因でした。口腔ケアもしっかりやっていかねばなりませんね。 RUKO
俺の場合今のアイドルがみんな同じ顔に見える(^_^;)
知らない作品ばかりでした。
ただ、「ふぞろいの林檎たち」と「渡る世間は鬼ばかり」と「花王愛の劇場」と「時間ですよ」と「寺内貫太郎一家」は、見たことがありませんが、タイトルは知っています。
『真夜中のあいさつ』については、45年前の1時間半にも満たない単発ドラマが語られるとは、この頃のテレビの力は凄いと思います。私は最近ドラマを録画しても、途中でつまらなくて観るのを止めてしまうものが多いので…
この頃のあべ静江さんの歌「コーヒーショップで」「みずいろの手紙」を聞くと、清純さと色気のバランスが抜群で素晴らしいと思ってしまします。
おおやまかつみ・・
てっきり新国劇の大山克巳さんだと
思ってしまいました。
でも『ありがとう』とか『肝っ玉母さん』とかは知ってます。
当時の県内の局が買って放送していたのだと思います。
「想い出づくり」と「ふぞろいの林檎たち」は特に大好きで、強く記憶に残っています。
「想い出づくり」の三人娘、田中裕子・古手川裕子・森昌子。それぞれの相手役、チャラ男役の柴田恭兵が30年以上経った今、渋い役柄の似合う俳優に。憧れの人根津甚八に、最後本物が登場してくるニクイ演出。舞台俳優加藤健一のアクの強い個性&役柄と、それぞれ違う境遇で、適度な距離を置きながらそれぞれの恋愛模様が描かれたストーリー。同時間帯に放送された「北の国から」よりも好ましく思えたドラマでした。
「ふぞろいの林檎たち」は主役の6人もながら、脇を固めたキャスティングの妙。
小林薫の兄、 国広富之、高橋ひとみ←今もまだ奇麗です。手塚理美や石原真理子よりもたぶんずっと。
吉行和子、中野誠也・・・と。書いていたらまた見てみたい気分になってきます。
ただ長く続いただけに、先の見えない冴えない日々をおっていた若者たちが、分別ある中年になってしまいドラマ的に面白みが欠けてきたこと。シリーズ化が終焉した理由でしょう。
若い頃は汚れ役の多かった渡辺美佐子も、年齢と共に品のある。良い年齢の重ね方をしたのは、夫である大山勝美との良好な関係性からとずっと感じていました。
もう、ん十年前の話ですけど。
女性かと思っていました。
熱心に見てましたね。