坪島孝、クレクレタコラやハッスルコーラ、怪盗ジバコの風刺表現

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坪島孝(つぼしまたかし、1928年4月13日~2007年8月12日)さんの生まれた日です。映画監督としては、古澤憲吾監督とともに、全30作の東宝クレージー映画を撮り、テレビでは『クレクレタコラ』という、PTAが大騒ぎしそうな子供向けブラック番組を作りました。

クレクレタコラ


『クレクレタコラ』(1973年10月1日~1974年9月28日、東宝/フジテレビ)は、毎週月~土曜日の午後6時55分から7時まで、フジテレビ系列にて放映された5分番組です。全260話。



タコが公害で怪獣となったタコラ。

怪獣たちだけが住む不思議な森の木の上に住み着きますが、欲しいものが見つかると、相棒のチョンボと共に「クレクレ クリャリンコ」と持ち主から手段を選ばず強奪するものの、最後は手痛い目にあうオチです。

TV番組として制作されたのは50年近く前なのに、今もキャラクターは活躍中で、昨年は東京大田区のキャラクターと組んでイベントをやっていました。



内容は、『クレヨンしんちゃん』が俗悪番組といわれますが、まったく次元の異なるヴァイオレンスコメディとして現代も不思議な人気があります。


>高倉健のヤクザ映画『昭和残侠伝』パロやる幼児番組…?

>これこそ昭和の醍醐味。

>刃物を振り回す子供番組…(笑)

ユーモラスな動きですが、クレクレタコラはいつも暴力をふるっています(笑)

ただ、それだけでなく、この物語は、「タコが公害で怪獣となった」ところがミソです。

怪獣にさせられた社会の犠牲者が、社会の荒くれ者になってそんな社会にあぐらをかいている一般の住民に報復。

だけど暴力を使った強奪は決して幸福にはなれない、というなんともシニカルな話です。

結局、誰も幸福になっていないのです。

これはやはり、メインライターであり、メイン監督が坪島孝ならではのモチーフだと思います。

坪島孝は、つねに社会のシワ寄せを受ける人達の側に立った映画を撮ってきました。

しかし、単純に弱者が勝つ、という安易なまとめ方はしませんでした。

それが、子供の特撮ぬいぐるみ映画にも反映されていたわけです。

クレージー映画傑作選


クレージー作戦 くたばれ!無責任


さて、坪島孝監督が世に出たのは、『クレージー作戦 くたばれ!無責任』(1963年、東宝)です。

東宝クレージー映画のひとつで、この映画のヒットから、坪島孝監督は古澤憲吾監督とともに、クレージー映画のメイン監督になりました。

キーワードになったのは、ハッスルコーラでした。

ハッスルコーラ

無気力社員だった植木等はモノクロで、ハッスルコーラを飲むとカラーになって元気になる様子を表現しました。

植木等

植木等

植木等が、大企業が社員を使い捨てる体質にいったんは絶望のどん底に落ちながら、浜美枝に励まされて勇気を取り戻すという青春映画のようなシーンが私好みでした。

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『クレージー作戦くたばれ!無責任』より

そして、坪島映画はエンディングは必ず晴天のシーンで、見たあとで爽やかな気持ちになれるように結んでいるのは、会社は違いますが、山田洋次監督をモデルにしているのかなと思われます。



クレージー黄金作戦


『クレージー黄金作戦』(1967年、東宝)は、食い詰めた住職(植木等)、派閥の大将に食い下がって汚職の抜けぎぬを着せられた国会議員(ハナ肇)、病院をクビになり想っていた看護師との関係もうまくいかなくなってしまった医師(谷啓)が、ラスベガスで一山当てたり、宝探しの地図から財宝を見つけ出したりするものの、結局全額寄付させられてしまった話を描きました。

クレージー黄金作戦

ラスベガスの大通りを通行止めにして踊るシーンを撮ったそうです。

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クレージーの怪盗ジバコ


これはもう、何度もご紹介しましたが、クレージーキャッツが7人1役になって怪盗ジバコを演じています。

北杜夫の原作とは違い、財閥のドンの刀を盗み、「返してほしければ、子どもたちのために1日だけでいいから工場を止めて、青空を見せてやれ」(←当時は公害が社会問題でした)と求める、ここでも社会派の展開です。

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その他、坪島孝監督は谷啓が好きで、谷啓主演の作品も何本か撮っていますが、以前ご紹介したものもありますし、それはまた改めて記事にしたいと思います。

クレクレタコラ、ご存知ですか。

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この記事へのコメント

2019年04月13日 02:20
ハッスルコーラ、どんなお味でしょう。
2019年04月13日 03:03
坪島孝、クレクレタコラやハッスルコーラ、怪盗ジバコの風刺表現・・・クレクレタコラは子どもの頃から知っておりましたが、フジテレビ系列なので高知で放送していたかどうかは定かではありません。ひょっとしたら子ども向け雑誌などで紹介されていたのを見て知ったのかもしれません。ともあれこのネーミングも見た目のインパクトも、子ども心を掴むのに十分過ぎますね。
クレクレタコラの成り立ちやキャラクターなどはまったく知りませんでした。

>タコが公害で怪獣となった

これは放射能で怪獣となったゴジラを想起しますし、同シリーズではまさしく郊外によって怪獣となった「ヘドラ」もおりましたね。大人たちが「光化学スモッグ」という言葉をよく使っていたことも記憶しております。『ウルトラセブン』などにも車社会を批判したモンスターが出てきますし、風刺的精神は現在より遥かにあった時代でしたね。

>クレクレタコラはいつも暴力をふるっています

いいですね~(笑)。そしてこういうキャラクターに目くじら立てる人たちは嫌ですね~。暴力礼賛ではありませんが、表現においては、「暴力的なアクションを、どのように使っているか」を見極めるべきでして、盲目的に「ぜんぶダメ」ではお話になりません。

>単純に弱者が勝つ、という安易なまとめ方はしませんでした。

そうなんですよね。当然ながら、人間の世界は複雑性に満ちております。何事も数学のように明確な解答を導き出せることはありません。ところが昨今はこの複雑性を受け入れられない人たちが多いのですよね。「幼稚化」と言い換えてもよさそうです。

>浜美枝に励まされて勇気を取り戻す

これは勇気づけられます(笑)。部屋の中に若き日の浜美枝がいるっていうのが既に反則で、これだけのプロポーションを持った女優、今でもぜんぜん見かけませんから。
そう言えば、昨日BSの歌番組に由美かおるが出ておりました。今もお奇麗なのですが、かなり痩せているというのは少々目立ちました。

・・・

母の話の続きとなりますが、まあ80歳を越えて困難な大手術を受けたのですから、一直線に回復というわけにはいかないのは分かりますが、感染症、嘔吐、転倒、めまい、食事を受け付けないなど次々と問題が生じてきて、(どうして母がこんな目に遭わなければならないのだ)という気持ちにもなります。基本的には多くのことに、(どうして?)という理由を求めてはならないのは理解しているのですけれど。このような時に多くの人は妙な宗教などに引っかかることもあるのでしょうが、わたしにはその可能性は皆無です(笑)。

>病院が考えていた以上にその回復は早かったと思います。

ここがいっぷく様の凄いところですね。病院の治療をしっかりご理解・ご検討の上、さらにご自分で様々なことをお試しになる。わたしはまだまだそこまでは行きません。担当医ともほとんど会ってないのです。必要があれば話し合いのセッティングはしてもらえるのですが、結局今のところいろいろありながらも、他の多くの患者さんと比較すれば状態は悪くないということもあるかと思います。しかしこれだけではいけませんよね。幸いに退院できれば(現在は間違いなくその方向に進んでいるとは思いますが)、今以上に多くの問題が生じてくることは分かってますので、もっともっと研究し、「自分ができること」を模索していきます。  RUKO
2019年04月13日 06:16
今でもいたのか、知らなかった。
2019年04月13日 07:28
おはようございます!
知らないことが多いですね!
『クレクレタコラ』など見たことも聞いた
こともないです、家内も初耳です。
2019年04月13日 08:22
小さい頃は映画監督というものを全く意識してなかったのでこの方も全然知りませんでした。
クレクレタコラも名前は懐かしく覚えているのですが内容はすっかり飛んでます。
2019年04月13日 09:07
クレクレタコラ観た覚えがあります.
放送時間帯がそのとおりなら,幼稚園ぐらいでした.
夕食から夜8時までが,子供のテレビタイムでしたから.
懐かしく思い出しました.
2019年04月13日 09:14
クレクレタコラは知りません、植木等の無責任男
まねしたかったですよ。
2019年04月13日 15:32
昨日に引き続き、知らない話題でした。すみません。
昨日は大森駅の狛龍で鯛塩ラーメンなるものを食べてみました。お店のドアを開けるいきなり魚の匂いが迫ってきます。
人気なのか若いOLさんたちの2組ほどがきてました。
普通の塩ラーメンと比べるとかなり濃厚なスープですね。
麺は針金みたいな極細でした。
2019年04月13日 17:22
ハッスルコーラやクレクレタコラは初耳です。
老夫婦2人では漫画も見ないしね。孫達は見てるのかな?。
2019年04月13日 18:43
どれも、名前だけは聞いたことがありますが、説明は出来ません。
2019年04月14日 00:07
飲んだら元気になるコーラ、一度飲んでみたいです。
2019年04月14日 16:06
番組の内容は覚えていませんが「クレクレタコラ~♪」の部分は歌えました(笑)
今も活躍?中とはびっくりしました。
たぶん、若者や子供たちは昔のキャラクターだとは
思っていないでしょうね。
2019年04月14日 22:58
「クレージー黄金作戦」、私的には「ニッポン無責任時代」「日本一のホラ吹き男」と並ぶクレージー映画の傑作でした。谷啓の坪島映画というとたぶん「クレージーだよ奇想天外」だと思いますが、クレージー映画には珍しく見た後で心が暖かくなる不思議な映画でした。