越路吹雪、青春学園ドラマ、本田美奈子など歌詞提供した岩谷時子

今日は、岩谷時子さん(1916年3月28日~2013年10月25日)が生まれた日です。越路吹雪のマネージャーとして知られていますが、一方では作詞家として越路吹雪だけでなくザ・ピーナッツ、本田美奈子、いずみたくと組んだ青春学園ドラマの主題歌などを提供しました。

岩谷時子とは誰だ
岩谷時子さんは、もともと神戸女学院大学部英文科を卒業後に宝塚歌劇団出版部に就職し、宝塚歌劇団の機関誌『歌劇』の編集長を務めた「一般人」でした。
それが、編集部にやってきた15歳のタカラジェンヌ・越路吹雪と意気投合。
越路吹雪の退団⇒歌手として独立にともない、阪急グループの総帥・小林一三のはからいで、岩谷時子は東宝文芸部所属の肩書で越路吹雪の付き人やマネージャーをつとめます。
岩谷時子というと、越路吹雪のマネージャーとして知られているのですが、実はマネージャーとしてはビジネスの関係ではなかった(つまり無報酬)わけです。
岩谷時子さん、
— miyacawa Ari (@Ari_Miyagawa_) November 12, 2019
1人の女性として、作詞家として、越路吹雪さんの友として…
言い表せない彼女の美しさ強さを知る事が出来て本当に嬉しい。(オススメ本です??)
今回は、そんな岩谷時子さんの作詞、祖父宮川泰の作曲の”逢いたくて逢いたくて”を歌わせて頂きました??
Video: https://t.co/4EblGzMAId pic.twitter.com/hcbchU8EgG
一方、岩谷時子はその頃から作詞家としても頭角を現します。
1960年代、宮川泰とのコンビで、ザ・ピーナッツや園まりの歌を、弾厚作(加山雄三)とのコンビで加山雄三の歌を提供しました。

「あのー、そのー、園まりです」

なんて子供の頃、はやったような記憶があります。
昨日ご紹介した、『美しきチャレンジャー』も、岩谷時子作詞です。
いずみたくとのコンビによる青春学園ドラマ音楽
私にとって、とくに思い出深いのは、いずみたくとのコンビで、日本テレビの青春学園ドラマシリーズを手がけられたことです。
具体的には、『青春とはなんだ』(1965年10月24日~1966年11月13日、東宝・テアトルプロ/NTV)の主題歌と挿入歌、布施明が歌った『若い明日』と『貴様と俺』です。

「わっか~い、ひ・の~、わっか~い、ゆ・め~、あ・お~ぞらに、えがいて~」
「そ~ら~に、もえ~てる~、でっかい、たい~よお~」
昭和のドラマや映画を語るときにしばしば寄稿する泉麻人氏が、青春学園ドラマについて回想するとき、この歌詞を書くのですが、みんな同じこと考えるんですよね。
夏木陽介主演に始まった「青春学園ドラマ」は、この後も主役を代えて、竜雷太、浜畑賢吉、村野武範、中村雅俊と、足掛け9年に渡るシリーズとなりました。
9年の間に、ベトナム戦争も、高度経済成長も、オイルショックも過ぎ、時代の価値観も変わっているはずですが、それでも中村雅俊主演の『われら青春!』(1974年)では、岩谷時子さんといずみたくさんの『貴様と俺』は劇中で使われていたのです。

世代を超えて、「青春」の象徴として君臨したわけです。
いずみたくとのコンビでは、それ以外にも佐良直美の『いいじゃないの幸せならば』、ピンキーとキラーズの『恋の季節』など数多くのヒット曲を生み出してきました。
本田美奈子の才能を「越路吹雪の再来」と高く評価
おはようございます??
— さむさん (@samusan1020) January 16, 2020
1994.5.25に発売された『つばさ』はオッペン化粧品のCMソングでした??
作詞は岩谷時子
岩谷先生は越路吹雪さんの付き人で、美奈子さんの恩師です。
作曲は太田美知彦
正月に投稿した『つばさ』ですが、太田先生が美奈子さんが亡くなった後に作った曲です。
1/3#本田美奈子 pic.twitter.com/W66Ptuzodj
岩谷時子さんは、越路吹雪さんだけでなく本田美奈子さんの恩人ともいわれています。
ミュージカルスターへ活路を求めた本田美奈子は、オーディション(1990年9月)から『ミス・サイゴン』の主演に決まりましたが、『ミス・サイゴン』の訳詞を手がけたのが岩谷時子でした。
以来、本田美奈子の才能を「越路吹雪の再来」と高く評価して数多く詞を提供しています。
惜しむらくは、越路吹雪も本田美奈子も、まだまだ岩谷時子と仕事ができたのに短命であったことです。
岩谷時子さんの歌で印象に残るものはありますか。

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この記事へのコメント
本田美奈子さんとの関係は知りませんでした。本当に恩人だったんですね。
岩谷時子さん、お名前は存じ上げていますが、余り詳細を知らなかったです。
「阪急グループの総帥・小林一三」時代は凄いですね。小生田舎の名士です。
wikiで見たら郷ひろみの「男の子女の子」まで作詞・・・
経歴も面白いですが、作詞の作品幅が広いですね!?(=^・ェ・^=)
観に行きました。
細く小さな体で、すごい声量と歌唱力、あの世界観に
鳥肌が立ったの憶えています!
彼女のヒット曲は数多くありますが 何より私は彼女の歌といったら「つばさ」なんですよね。大好きです。岩谷時子さんの作品は今までいろいろと聴いてきましたが 私にとっては(とても失礼な話 ヒット作をたくさん発表していたのが子供の頃だったので)一時過去の人のようなイメージしかなかったんですね。でも 美奈子.ちゃんがレコード会社を移籍して第一弾としてのこの曲を 誰が作詞したか知らずにCMで聴いていたといき とてもスケールの大きな作品でそれまでにない感動を抱いたのを今でも忘れてはいません。作曲された太田美知彦さん そして美奈子.ちゃんの表現力とこの詞がとんでもない大きな作品になったのは必然だったのかなと!^^
あのロングトーンを真似て歌うんだけれど 10秒足りない・・・。^^いつか歌えるようになりたい一曲です。
そうそう美奈子.ちゃんが旅立った日 岩谷時子さんは同じ医療機関に入院されていたんですよね。
幼少の頃の思い出はザ・ピーナッツ「ふりむかないで」ですが、印象的に覚えているのは弾厚作との共作です。加山雄三の初期の一連の作曲に協力していたのが印象的でよく覚えています。
本田美奈子さんの短命は特集も組まれていましたね。残念です。
加山雄三のヒット曲もそうでした。
越路吹雪さん、本田美奈子さんとの繋がりは知りませんでした。
越路さんと、相当な信頼関係があったことがうかがえます。