藤真利子、『文子とはつ』から『青春ド真中!』『飢餓海峡』出演、母親介護
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今日は藤真利子さん(1955年6月18日~)の誕生日です。おめでとうございます。大学在学中に『文子とはつ』に抜擢され、『飢餓海峡』での熱演を機に女優の実績を積み上げていきました。が、50歳過ぎて実母の介護のため女優としてのキャリアは停滞してしまいました。
藤真利子とは誰だ
『太陽にほえろ』の島刑事(殿下)の恋人・三好恵子役での準レギュラー、ポーラテレビ小説『文子とはつ』での藤真利子とのダブルヒロイン、NHK『真田太平記』の久野などが印象的。最も近年で記憶にあるのは、大河ドラマ『八重の桜』での新島襄の母・登美役だが、その後は特に目立った活躍はない? pic.twitter.com/EoMBRxoHgC
— キャロサンプ (@infocallithump) July 19, 2017
藤真利子は、聖心女子大学在学中に、TBSがお昼の時間帯に帯で放送していた『文子とはつ』(1977年10月3日~1978年3月31日)に抜擢されて本格デビュー。
タイトルどおり、ダブルヒロインで話題となりましたが、メインはもうひとりの女性、香野百合子の方でした。
老舗の俳優座の女優ですから、そりゃ大学生の藤真利子よりも格上なのは当然のことです。
藤真利子が、一躍注目度を高めたのは、フジテレビ系列の「ゴールデンドラマシリーズ」(土曜22:00~22:54)枠で放送された『飢餓海峡』(1978年9月2日~1978年10月21日)に出演したことです。
戦後まもなく、台風の日に北海道で起こった質店放火・強盗事件と、10年後に起こった殺人事件が、ある女性を接点に繋がっていくという水上勉の推理小説のドラマ化です。
すでに、三國連太郎、左幸子という、これ以上ない適役で映画化されており、ドラマ化に対する期待と注目も高まっていました。
その女性役を、最初は多岐川裕美がキャスティングされましたが、ヌードになるかどうかで揉めたため、結局降板して藤真利子が抜擢されたといわれています。
しかし、多岐川裕美はデビュー作の『聖獣学園』(東映)で脱いでいるので、私はそれだけでなく、失礼ながら映画版の左幸子を超える自信がなかったのかな、と勘ぐってもいます。
一方、引き受けた藤真利子はここがチャンス、と思ったのでしょう。
難しい役だけに、引き受けたのは、何がなんでも女優としてやっていくという決意が感じられました。
藤真利子さん
— 西村介延 (@TIkNvFba76wBDWM) January 13, 2018
ぼくが知ったのは
ドラマ飢餓海峡。
山崎努さんとの共演作品。
今でも
藤真利子さんと言えば
飢餓海峡しか知らん。
吉原炎上では
監督を怒鳴ったそうや。
サワコの部屋。 pic.twitter.com/EgLjUHW7RB
そのおかげで、この仕事以来女優生活が軌道に乗り、大河ドラマ、NHK連続テレビ小説、火曜サスペンス劇場、その他連続ドラマ、単発ドラマなど30年以上にわたって数多く出演。
Wikiによると、「火曜サスペンス劇場最多犯人役出演俳優」だそうです。
青春ド真中!
『飢餓海峡』の直前に、藤真利子は『青春ド真中!』(1978年5月7日~9月24日、ユニオン映画/NTV)に出演しています。
このブログとしては、1度ご紹介しておきたいと思っていましたが、意外にもまだ1度もご紹介したことのない、中村雅俊主演の青春学園ドラマです。
青春ド真中! オープニング https://t.co/yVuicqKUQD
— カエル岩 (@kaeruiwa1963) March 30, 2018
『青春ド真中!』のDVDを発掘。第1話「うわさ以上の変な奴だよ」再チェック。準備中だったTV版『ゆうひが丘の総理大臣』から急遽アイデアを頂いた穴埋め番組たったことを思うと、有沢君のお姉さん(藤真利子)は原作『ゆうひが丘~』の大宮君の姉の真理子さんが元ネタかと思えてくるのだが。 pic.twitter.com/gINtNzRbbM
— Fei1990 (@Express633) June 25, 2017
このブログでよくご紹介する『ゆうひが丘の総理大臣』と出演者がかぶるため、違いがわかりにくいともいわれていますが、『ゆうひが丘の総理大臣』は全40回にわたるため、人物の設定が深く、たとえば実母に捨てられたとか、その実母との再会に悩むとか、学園ドラマとしてはめずらしく登場人物の生き様の陰翳が深い構成になっています。
一方、『青春ド真中!』は、中村雅俊が産休補助教員という設定でわずか13回のため、より明るい学園生活らしい話を優先的に取り上げています。
現在、倍賞千恵子の夫である、小六禮次郎が音楽を担当しました。
藤真利子は、中村雅俊の教え子(井上純一)の姉役です。
新任の男性教員が来るとお熱を上げるのですが、すぐにメソメソするので、メソというあだ名を付けられていました。
ドラマの構成上、必要な役ではあったのですが、もっと重い役ができるようにとこの時に考え、『飢餓海峡』に出て勝負しよう、と思ったのかもしれません。
介護生活11年でも『ママを殺した』
凄いですね藤真利子さん。#日常的に介護が必要な人の介護 #介護を考える
— Sです☆ (@sakurasakurafem) January 24, 2019
藤真利子 「長生きしたらまったくもたない」 介護で感じたお金の不安 https://t.co/r7eBu7fRD5 @dot_asahi_pubから
上のOGPはAERAのインタビューページですが、藤真利子さんは、実母が2005年に脳梗塞で倒れ要介護5の認定を受けたことで、2016年11月に亡くなるまでの11年間、生活の全てが母親の介護に明け暮れました。
演技も円熟期を迎える一番いい時期に、女優業はほぼ休業状態に陥ったのは、第三者的には本当にもったいないと思います。
インタビューでは、11年にわたる介護生活は経済的な困窮ももたらし、ユニクロの服を買うのも高くて躊躇したと告白しています。
しかし、「つらかったことは1つもない」と言い切り、その心境を書いた本のタイトルは『ママを殺した』(幻冬舎)。
2005年に表舞台から消えた女優 #藤真利子 が22日フジ「ノンストップ!」にVTR出演。「私がママを殺した」と壮絶な介護生活と苦悩を明かした。
— 楽天Infoseekニュース (@Infoseeknews) November 22, 2017
藤真利子 11年に及ぶ母の介護振り返り涙も「つらかったことは1つもない」https://t.co/wCG1tU9eti pic.twitter.com/fS2i3VfykC
大事な11年間も人生を犠牲にしたのに、まだ自分の力が足りなかったといわんばかりのタイトルです。
また本の中身は、介護そのものよりも、母娘のそれまでの思い出に紙数がさかれていたように思いました。←ですから、具体的な介護を読みたい人には期待はずれです
思うに、父である直木賞を受賞した人気作家の藤原審爾と、小さい時に別居してしまった藤真利子にとって、一人だけ残った親である母親に対する思いは、おそらく両親揃った普通の家庭に育った人以上の重みがあるのでしょう。
そして、父・藤原審爾のもとには、映画監督や有名な女優が訪ねて来る環境だったことから、別居してしまった父に近づきたいという思いもあって、自身も女優の道に進んだのではないかと思いました。
さらにいえば、幼少時に温かい家庭に恵まれなかったことが、結婚に対するご自身の否定的な価値判断に影響を与えているようにも思いました。
つまり、両親に囚われた人生なのです。
よく、人生は本人の努力がすべてのように啓蒙したり、成人すぎたら親の影響のせいにするのはおかしいと居丈高に叱り飛ばしたりする意見を聞きますが、それはきっと、親で苦労したことがないんじゃないのかな。
子は、親の生き方や育て方で人格形成されており、ほんとうの意味で「親離れ」するのは、なかなか困難を極めることだなあと、藤真利子さんの生き様を見て改めて思いました。
ただ、藤真利子さんの場合は、たとえ親子であろうが人格も人生も別なんだ、と割り切る価値観と向き合うこともあってもよかったんじゃないかという気もします。

アブラカダブラ+1 - 藤真利子
この記事へのコメント
青春ど真ん中というのもNTVなのに観た記憶が無いし、飢餓海峡も残念ながら・・なんです。
とても素敵なお話が書かれているので、観る機会があれば観てみたいです(^^)
稼いでるんだから人を雇えば、という声もありそうですが、
やっぱり親子の介護は、人任せにできない泥臭いもの
なんでしょうね。
映画もみてみたいなぁ。
この方、藤真利子さんとおっしゃるのですね。
ママを殺した… すごいタイトルだなぁ。
親の生き方や育て方で人格形成されている。
わたしもそう思います…
母親の嫌いだった部分、悩まされた部分にふと自分が重なることがあり
自分を叱咤することがあります。
⊂(^ω^)⊃
ステキな色気のある方なので、これからまた活躍して欲しいです。
記憶にないです。写真写りを変えたら分かるかな?。
飢餓海峡、自粛中にBSプレミアムシアターでちょうどやっていて、こんなにすごい映画があったんだと、観てよかったとおもっていたところです。左幸子さんの役を、TVでは藤真利子さんがなさったのですね。きっと上手に演じられたことでしょう。多岐川さんでは、迫力が足りなくてミスキャストになっていたことでしょうね。