松山英太郎、5歳で歌舞伎舞台、以来48歳までテレビ、映画で活躍

松山英太郎、5歳で歌舞伎舞台、以来48歳までテレビ、映画で活躍

7月9日は松山英太郎さん(1942年7月9日~1991年1月11日)の生まれた日です。子役時代からメキメキ頭角を現し、成人後も、『七人の孫』『時間ですよ』『大岡越前』『トラ・トラ・トラ』など、安定的に映画やテレビドラマの出演実績を積み重ねました。(画像は以下のOGPより)



松山英太郎とは誰だ


松山英太郎の家系図は、著名人(多くは俳優)が並びます。

松山省三(祖父、画家)、5代目河原崎國太郎(父親、前進座代表・女形俳優)、松山政路(弟・俳優)、7代目嵐芳三郎(甥・歌舞伎俳優)、6代目河原崎國太郎(甥・歌舞伎俳優)、由夏(長女・女優)、芦田昌太郎(長男で芦田伸介の孫・俳優)などです。

とくに、父親の5代目河原崎國太郎は前進座の大幹部であり、松山英太郎自身も5歳の初舞台は前進座です。

そして、大成高等学校在学中に、なんと俳優座養成所12期生として合格。

同期には中村敦夫、加藤剛、成田三樹夫、樫山文枝などがいますが、男優はすべて大卒や大学生ですから、松山英太郎がいかに役者として高く評価されていたかがわかります。

1964年に、森繁久彌主演のドラマ『七人の孫』に出演して一躍人気者となり、以後は映画やテレビドラマに次々出演します。


実にたくさんの映画や人気ドラマに出演しています。

このブログでも何度かご紹介したことがある、喜劇駅前シリーズ、京塚昌子がブレイクした『肝っ玉かあさん』、森繁久彌と竹脇無我の父子を描いた『だいこんの花』、銭湯を舞台にした『時間ですよ』、石坂浩二と未来人のマリアンが同居する『俺はご先祖さま』など、そのまま1970年代のドラマ史になってしまうような出演歴です。

パパと呼ばないで



このブログでも何度かご紹介した『パパと呼ばないで』。

姉(長内美那子)が急死。夫(松山英太郎)が蒸発して引き取り手がない千春(杉田かおる)を独身サラリーマン(石立鉄男)が引取り、東京・佃島の米屋に下宿して育てる話です。

石立鉄男と杉田かおるが出ているドラマであることは有名ですが、杉田かおるの実父役が松山英太郎というのは、あまり知られていないかもしれません。

ちなみに、石立鉄男は松山英太郎と、学年も年齢も同じですが、俳優座養成所13期生で1期後輩。

松山英太郎は高校在学中の合格、石立鉄男は卒業後の入所だからです。

大岡越前



『大岡越前』は、加藤剛が大岡忠相を演じた人気時代劇シリーズ。

TBSの月曜午後8時は、春夏クールが『水戸黄門』、秋冬クールが『大岡越前』で視聴率上位を通年で確保していました。

松山英太郎が演じたのは、猿(ましら)の三次


最初は義賊として登場しますが、大岡忠相に捕縛されたことで改心。小間物屋をしながら忠相の密偵を務めます。

本作に出演していた、竹脇無我や西郷輝彦と親しくなり、撮影中は京都のマンションで同居するほどの関係になりました。



トラ・トラ・トラ



『トラ・トラ・トラ!』(Tora! Tora! Tora!)は、1970年に20世紀フォックスが配給したアメリカの戦争映画です。

1941年12月の、大日本帝国海軍による真珠湾攻撃をめぐる両国の動きを描いています。

日本側は、山村聡、三橋達也、田村高廣、島田正吾、内田朝雄、渥美清など、当時の日本演劇界を代表する重厚な面々。

その中で20代の松山英太郎が抜擢されています。

しかも、セリフは、はるか年上のはずの渥美清に敬語を使っていないので、同格の軍属役ではないかと思われます。

48歳と若くして亡くなりましたが、作品実績は実に多彩な俳優生活でした。




ごめんね、英ちゃん―食道癌で死んだわが子・松山英太郎追想 - 松山 重子
ごめんね、英ちゃん―食道癌で死んだわが子・松山英太郎追想 - 松山 重子

おさな妻 DVD‐BOX Part1 HDリマスター版【昭和の名作ライブラリー 第29集】

おさな妻 DVD‐BOX Part1 HDリマスター版【昭和の名作ライブラリー 第29集】

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2016/12/21
  • メディア: DVD

この記事へのコメント

2020年07月09日 00:59
>セリフは、はるか年上のはずの渥美清に敬語を使っていないので、同格の軍属役ではないかと思われます。

若くしてそこまでの役を与えられるというのは凄いですね。
演技だとしても、緊張しそうです。
2020年07月09日 05:49
大岡越前みてました。確かに出演されてましたね。随分と古い時代劇番組でしたが記憶にあります。
2020年07月09日 07:31
松山さん、好きだったなぁ~!
時代劇、よく観てました。
2020年07月09日 07:36
お名前を知りませんでした。
でも、お顔を見るとすぐに声を思い出しましたよ。
2020年07月09日 08:26
松山英太郎さん、割と好きな役者さんでした。
でも残念ながらお亡くなりになってたんですね。知りませんでした。
この記事を読んでたら、トラ・トラ・トラが観たくなってきました。
2020年07月09日 12:07
48歳で亡くなられていたんですね。大岡越前はずっと観ていました。松山さんの存在は大きかったと思います。
2020年07月09日 14:23
『時間ですよ』や『大岡越前』に出演していたことは、よく覚えています。当時訃報を聞いた時、ちょっと驚いたことは今でも記憶に残っています。派手さはないですが、いぶし銀の活躍をした俳優だと思います。
2020年07月09日 18:29
松山英太郎さん特徴的な声が好きで
懐かしいですねっ
水戸黄門はゴールド?麦色?
大岡越前は濃いブルーどっちも
観てたわ
カラーテレビの象徴みたいな
冒頭のお色に何故か釘づけでした。
2020年07月09日 18:59
松山英太郎さん、この俳優さんは良く覚えています。でも、そんなに若くして亡くなっていたとは知りませんでした。
2020年07月09日 21:05
杉田かおるの父役とは露知らず。全然記憶に無いっす(^_^;)
2020年07月09日 21:35
こんばんは
よく覚えています
いつの間に見なくなったかと思いきや・・・
2020年07月09日 21:41
48歳は早すぎるお別れです」。
2020年07月09日 21:44
大番、肝っ玉かあさん、ジグザグブルース、江戸を斬る、おやじのヒゲ・・・
ご存命なら、昭和ドラマ史の生き字引になられたはずです。
考えさせられます。
2020年07月09日 22:51
よく見ていた記憶はあるけど、何でだか思い出せませんでした。そうか、大岡越前だ。
2020年07月11日 21:34
強烈な個性を発揮するわけではないのですが
個性的ないい俳優さんでしたね。
48歳は早すぎですね。