高橋悦史、政治家も浪人もライトコメディーも演じた男の色気

今日は、高橋悦史さん(1935年8月2日~1996年5月19日)の生まれた日です。文学座出身で、舞台、岡本喜八監督作品、山本薩夫作品、さらにテレビドラマなど数多く出演しました。作品も時代劇や政治・歴史もののような重厚なものから、ライトコメディーまで幅広く演じました。(上の画像は以下のOGPより)
高橋悦史とは誰だ
高橋悦史は大阪出身です。
立教大学(野際陽子と同期)在学中から演劇を始め、卒業後は、TBSラジオ劇団養成所⇒NHK俳優養成所⇒文学座付属演劇研究所⇒文学座研究生⇒文学座座員になりますが、研究生時代に映画やテレビから声がかかります。
文学座座員に昇格した1967年には、岡本喜八監督の『日本のいちばん長い日』の青年将校役に抜擢されました。
『沖縄決戦』は悲痛、悲惨な作品ではあるが、高橋悦史は、J・コバーンみたいでよかった…岡本作品の高橋は『日本のいちばん長い日』『肉弾』『赤毛』もそうだけど、醒めた目線で、どうしようもない状況に関わる役が立ち位置になっている。 pic.twitter.com/9jqfh2unnU
— 七涙八喜 (@superexpress109) July 11, 2020
以後、文学座舞台、岡本喜八監督作品、山本薩夫作品、さらにテレビドラマなど数多く出演しました。
ママはライバル
高橋悦史と言えば「ママはライバル」と「ヤヌスの鏡」?? #おしん pic.twitter.com/0YM9eM4xxQ
— カエル岩(しばらくの間お休みします) (@kaeruiwa1963) February 29, 2020
『ママはライバル』(1972年10月04日~1973年09月26日、大映テレビ/TBS)は、『おくさまは18歳』『なんたって18歳!』に続いて、当時シリーズ化されていた岡崎友紀主演のライトコメディ第3弾です。
パイロットで、ヤモメ暮らしの父親(高橋悦史)と、明るい少女・早乙女ツバサ(岡崎友紀)。
ツバサは学校では人気者でしたが、青海マリ(純アリス)という美少女がツバサのクラスに転校してきたため、マリに人気が集中。
面白くなくなったツバサ(岡崎友紀)にはさらにショッキングなことが。
パパが結婚したいと紹介した相手が、なんとマリでした。
このシリーズは、担任の先生の妻(おくさまは18歳)、勤務先会社の社長令嬢(なんたって18歳!)など、岡崎友紀が自分の身分を隠していて、あやうくバレそうになるドタバタが売り物でした。
本作は、「結婚しても高校だけは卒業させたい。学校ではママということは内緒だよ」というパパの意向で、秘密の主体者は純アリスへ。
母親として、学校でも何かと岡崎友紀にマウントを取りたがる純アリスに対して周囲が不思議がると、「この人はマ……いえいえ、絶対に(母親とは)認めなーい」と、毎回岡崎友紀が葛藤するのが定番のストーリーでした。
昭和の古き良き時代を象徴するようなライトコメディーです。
ヤヌスの鏡
#ヤヌスの鏡
— 畠中由宇・相互フォロー100% (@hata_follow) August 1, 2020
平時はまじめな優等生だが、時に狂暴な不良少女に豹変してしまう二重人格の少女・裕美と母親の由紀子 #杉浦幸 父親の #高橋悦史 pic.twitter.com/VT4Uv9CrCt
やはり大映ドラマの『ヤヌスの鏡』(1985年12月4日~1986年4月16日、フジ)は、サスペンス調の学園ドラマ。
主人公の小沢裕美(杉浦幸)は二重人格の少女です。
母親の由紀子(杉浦幸・2役)は、高校生の時に交際相手(高橋悦史)の子を妊娠しますが、男から捨てられてしまい、裕美を出産後に入水自殺。
以来、祖母(初井言榮)は由紀子を否定し、裕美に対しても暴力や折檻なども行うことで、裕美はガラスや陶器類の割れる音、裕美自身や誰かがぶたれたり、お香の匂いがしたりすると人格が変わり、凶暴なユミに変身するようになります。
裕美とユミ?????♀?#ヤヌスの鏡 pic.twitter.com/9lZtFaFhWy
— ときめき!ぺぱーみんとくらぶ (@tokipepaclub) March 29, 2020
高橋悦史は、その「裕美を捨てた男」ですが、捨てた理由は、初井言榮に「財産目当ての野良犬」と罵られたためでした。
鬼平犯科帳
この時既に闘病中で、入院先の宇都宮から京都まで移動して撮影に参加した佐嶋忠介の高橋悦史。登場シーンは僅かながら、気力を振り絞っての名演は何度観ても胸に刺さる。吉右衛門丈の配慮で体調を気遣い1日で撮了出来るように撮影スケジュールを調整したとか。#鬼平犯科帳 #劇場版#高橋悦史 pic.twitter.com/V9RJHJZvCx
— 迷人⍟Q太郎 (@qtarox007) May 22, 2020
中村吉右衛門版の『鬼平犯科帳』で、高橋悦史は与力の佐島忠介役を演じました。
『鬼平犯科帳』は、実在の人物である火付盗賊改方長官・長谷川平蔵を主人公とする捕物帳です。
高橋悦史にとっては遺作となったのですが、最後の収録はすでに闘病中で、入院先の宇都宮から京都まで移動して撮影に参加したそうです。
たしかに、痩せて顔色もドーランで隠していたように見えます。
登場シーンは極力少なくして、1日で撮了出来るように撮影スケジュールを調整したとか。
鬼平犯科帳録画観てて。高橋悦史さん演じる佐島忠介が出ると名優の早すぎる死に涙する。
— 菜(意見には個人差があります。 (@kamisironi) May 20, 2013
再放送のたびに亡くなったことを惜しむツイートが入ります。
数多くの作品に出演
岡本喜八監督「吶喊」??幕末維新やぶれかぶれ映画!
— 高瀬理恵☆「暁の犬」1巻4月13日発売 (@kugesamurieta) May 9, 2020
主演のおバカ男子2人組も可笑しいがヤクザに農民、烏合の衆を集めたカラス隊こと「衝撃隊」、知名度は奇兵隊に全然及ばぬが凄いカオス度。
高橋悦史=実在の仙台藩士・細谷十太夫と参謀・仙田勇之進=岸田森の笑いながらの皮肉の応酬がカッコいい? pic.twitter.com/XUxZi4cWFd
高橋悦史は、それ以外にも、映画は『日本のいちばん長い日』(1967年)『肉弾』(1968年)『戦争と人間 第一部 - 第三部』(1970年~1973年)『愛の化石』(1970年)『金環蝕』(1975年)『不毛地帯』(1976年)『日本の首領』(1977年)『青春の門 自立篇』(1977年)『柳生一族の陰謀』(1978年)『皇帝のいない八月』(1978年)『日本の黒幕』(1979年)『凶弾』(1982年)『小説吉田学校』(1983年)『熱海殺人事件』(1986年) などなど、もうたくさん出演しています。
テレビドラマは、NHKの大河ドラマがなんと7作に出演。ABCの必殺シリーズは『必殺仕舞人』(1981年)『新・必殺仕舞人』(1982年)『必殺仕切人』(1984年)など3作。
NHK連続テレビ小説は『鳩子の海』(1974年~ 1975年)『おしん』(1983年~1984年)などに出演しています。
つまり、いろいろな役を演じているわけですが、上のOGPにある岡本喜八監督の『吶喊』における藩士役は、私が印象深い作品です。
常に男優としての色気がある人でした。
高橋悦史さん、覚えておられますか。

生と死の隣合わせに… - 高橋 悦史

愛の化石 - 浅丘ルリ子, 高橋悦史, 渚まゆみ, 垂水悟郎, 川地民夫, 寺尾 聰, 石原佑利子, 清水将夫, 田宮二郎, 岡本愛彦, 鈴木岬一, 川野泰彦
この記事へのコメント
ヤヌスの鏡、懐かしいですね。父親役忘れてました(苦笑)。
鬼平の佐嶋が滅茶苦茶好きです。
幕末ファンなので、仙台藩だとカラス組や額兵隊とか好きです。カラス組細谷十太夫役は嬉しいですね。とても観たいです(*´ω`*)。
よく見かけた俳優さんで覚えています。
正月の時代劇「忠臣蔵」(浅野内匠頭が東で、大石内蔵助が松方弘樹)では、赤穂浪士の中心的存在でした。
DVDで、何故か毎年1回は、観ています。
そうか!「ヤヌスの鏡」や「鬼平犯科帳」!^^
お顔と名前はよく…大人の男性で、ごく普通の役も出来るけど、いつもどことなく色気がある方でしたね。
「ママはライバル」のパパだったんだ…!
それは忘れてました^^;
演技に熱が入ると鼻の穴が膨らむのが
印象に残っています。