ゴハンスキー(清野とおる著、扶桑社)こだわりのB級グルメ本

ゴハンスキー(清野とおる著、扶桑社)は、著者自身の食べ物や飲食店に関する、体験とこだわりを漫画化したB級グルメエッセイです。「トラウマ飯」「100円ローソンの干しほたるいか」など、大衆的で誰でも関心を持ってしまう身近な漫画です。初出は、『週刊SPA!』です。

個人的に通っている店のカルト的メニュー、編集者と行った寿司屋、友人と飲んだときのこだわりメニューなど、身近なネタと、「あるある」的こどわりなどによる一話完結の体験漫画です。
対象となるメニューや食品は、ジャンル的にはB級グルメになると思います。
いうまでもありませんが、B級だからA級よりも価値が劣る、ということではありません。
安価でも美味しい、贅沢でなくても楽しめる、庶民的で気軽に食べられる料理のことです。
本書は、Amazonの販売ページビューによると、「読者も一緒になって驚きを体験できる、体験型、感情移入型の漫画だから」面白いと書かれています。
“自傷行為”に走るほどのゴボウ天の美味しさ!
本書第1巻を順に見ていきます。
第1話は、『岩のりそばとゴボウ天』です。
2ヶ月に1度、画材を買いに新宿へ繰り出す作者。
そこで目に入ったのが、『讃岐うどん・生そば かのや』。
たぶん、かのや 新宿東南口店のことでしょう。
かのや新宿東南口店@新宿
— masakun (@masakun19690328) October 29, 2021
老舗のここは10年以上来てない
迷わず岩のりそばを発注
6分で着丼
ご対麺
真っ黒け
麺の太さはオーソドックス
かえしは甘くもなく辛くもなく
これぞジャパニーズスタンダード??
旨し#立ち食いそば pic.twitter.com/UNOxWhReCh
ツイッターを見ると、ずいぶん食リポツイートありますね。
食券販売機で、『岩のりそば』(430円)を注文。
「いや、ちょっと軽すぎたのかも。トッピングでゴボウ天(130円)でもつければ、ちょうどいい重さになるかも!」
15時という半端な時間にもかかわらず、店内はそこそこ混んでいたそうです。
「いろんな職種の人が行き交う駅前の好立地だし、時間帯関係なく客は入るんだろうな」
まもなくして、『ゴボウ天岩のりそば』のできあがり。
食券制度ですから、出来上がると呼ばれて、食券と引き換えに注文品を受け取るんですね。
「ゴボウ天…おっきいなあ。え……?ちょっとまって……」
一口サクッ
「揚げたて。しかも、すっげー美味い!!」
そばそっちのけで、ゴボウ天を半分ほどむさぼる作者。
「これじゃあ、ゴボウ天のりそばトッピングじゃん」と言って、なんとピシャっとおでこを叩いています。
えーっ、「立ち食い」の天ぷらが、自分のおでこを叩くような「自傷行為」に至るほど美味いのかよ。
読むものは、そうあっけにとられるでしょう。
すさまじいほどの表現力です。
「さて、岩のりそば(をすする)。」
次のコマには、波立つ海の光景。
「海。一瞬、海が見えた」
ほんとかよ~(笑)
「磯の香り高く、噛みごたえのあるハイクオリティな岩のりだった」
夢中でそばをすすりだす作者。
「美味い…美味いよコレ……。まさか新宿駅前で、『海』を感じることができるなんて…」
ところが、2度目に来た時は、冷えたゴボウ天が出てきたとか。
揚げたてを期待した作者としては、がっかりしたわけです。
作者はそこで、揚げたてができる時刻について、ヤマをはって来店することを考えます。
昼の混雑時が過ぎ、一息つく頃の13時45分に揚げるのではないか、と考えました。
うーん、そこまでこだわりますか。
近所ならともかく、しょっちゅう来るならともかく……。
しかし、このヤマははずれます。
作者によると、「5度目ぐらいの夕方」に行ったときに、やっと揚げたてにあたったとか。
「たまに揚げたてに当たったときのラッキー感も含めて、俺はこの店を楽しんでいる次第である」と記しています。
こんな感じで第1話が終了です。
この調子で、第2話は『100円ローソンの干しほたるいか』の巻。
100円ローソンの、干しほたるいかをライターであぶりながら食べている。
— フユ (@Z0GG8NKB9AoTnm5) March 25, 2023
至福。 pic.twitter.com/rWNN9Y0OUH
第1話同様、100円ローソンの干しほたるいかがおいしくて夢中になり、近隣の100円ローソンで売っているものを買い占めたそうです。
第3話は、『ダイソーの安ワイン』。
噂のダイソー100円ワインを飲んでみた https://t.co/q4qN6uRZXk @weeklyasciiより
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) July 21, 2023
100円ワインなんてあるんですね。
本作では、400円で、ソムリエの田崎真也さんも絶賛したというワインを紹介しています。
ネットでは、500円ワインが取り沙汰されていました。
ダイソー店舗限定の500円ワインにやっと出会えた!けど、美味しいの?お答えします。 https://t.co/cQvm9dSPi5
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) July 21, 2023
そんな感じで、ジャンルとしては体験B級グルメコミックエッセイといったところでしょうか。
立ち食いそばの王道、たぬきそば
私は、100円ローソンも近くにはないし、新宿など大都市もそんなに出なくなったのですが、作者のマネをしてB級お気に入りといえば、えきめんや京急川崎店の『たぬきそば』ですかね。
えきめんや京急川崎店といえば、1971年に作られた京急線京急川崎駅構内の立ち食いそば店。伝統的な立ち食いそば店です。硬めの天かすが一面に広がっているたぬきそばは絶品ですす。#えきめんや pic.twitter.com/VwHdO3M7Xr
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) July 21, 2023
“テッチャン”の聖地の一つ、京急大師線の京急川崎駅ホームにあります。
そばが見えないほど広がる揚げたま(天かす)は、硬すぎずやわらかすぎず、そばをいただいているうちに自然とやわらかくなるのです。
みなさんは、お気に入りのB級グルメはありますか。

ゴハンスキー1 (SPA!コミックス) - 清野 とおる

【中古】【全品10倍!1/25限定】ゴハンスキー 1/ 清野とおる - ネットオフ 送料がお得店
この記事へのコメント
それにしてもゴボ天でそこまで唸るとは、食ってみたい(*´∇`*)
だって出身地が近くだから波長があうのかも・・・。
100円ローソンも面白そうですね (^-^)!
出かけてみます・・・
作る人が時間で入れ替わると思うので、時間帯でどうしても味の差が出ますね。
その内、海外の人もこのジャンルに手を出しそう(笑)。