50周年記念完全保存版「笑点」大研究(週刊文春編集部・編)

50周年記念完全保存版「笑点」大研究(週刊文春編集部・編)は、タイトル通り50年目周年時点で長寿番組『笑点』を振り返っています。2023年現在、打ち切り説が出ながらも放送57周年を迎えた長寿番組ですが、長く続いた秘訣がわかります。

私は、正直もう何年も見ていないのですが、日曜日夕方の長寿番組としておなじみ『笑点』(日本テレビ系)があります。
現在は、演芸と大喜利で構成されているようですね。
本書『50周年記念完全保存版「笑点」大研究』は、番組50周年を迎えた2016年に、週刊文春編集部がまとめた『笑点』関係者のコラムやインタビュー記事をまとめたものです。
50周年ですから、すでに現在の大喜利の司会は春風亭昇太さんになっています。
本書は、『笑点』の歴史や、過去に『週刊文春』に掲載された関係者のインタビューなどを一冊の本にしたものです。
紆余曲折の中から大喜利の「型」が完成
『笑点』は、大喜利を中心とした寄席風の演芸番組である『金曜夜席』を前身としています。
【あの日のテレビ欄】昭和41年5月15日(日)
— 萬象アカネ (@bansho_akane) May 14, 2023
前身番組〈金曜夜席〉をリニューアルし、昨日で放送2860回・57年の歴史を重ねた『笑点』。初回のこの日は演芸が立川談志の〈源平盛衰記〉、〈ものを聞こう〉コーナーが談志と柳家金語楼の対談、そして大喜利の三部構成だった。#笑点 @retoro_mode pic.twitter.com/PvMTp53Avr
『金曜寄席』というのは、第2・第4金曜日の22時30分から放送されていた番組ですが、なぜ隔週かというと、残りの週は『日本プロレス中継』が放送されていたのです。
当時金曜日20時は、三菱ダイヤモンド・アワーという三菱電機単独スポンサーの枠でしたが、そこでは『日本プロレス中継』と『ディズニーランド』が隔週で放送されており、『ディズニーランド』が放送される週の『日本プロレス中継』は、金曜日の22時30分から放送されていたわけです。
そういう意味では、枠を埋めるための番組だったわけですが、柳家小ゑん時代からテレビに出ていた7代目立川談志さんによって、「これからは、落語家はテレビにもどんどん出て行かないと駄目だ」という考えから持ち込まれた企画で、立川談志さんらしいブラックユーモアあふれる大人向けの人気番組だったようです。
「ようです」というのは、さすがに私は幼稚園時代で、見たかどうかも記憶にないのです。
それが、現在の日曜夕方の時間帯に「進出」して、番組名は当時の人気ドラマ『氷点』をもじって『笑点』になったわけです。
本書で、初代座布団運びの毒蝮三太夫さんが書いています。
当時、三浦綾子『氷点』がブーム。それをもじった「笑点」というネーミングも画期的だった。要するに「笑いの点(ポイント)」。談志が「笑点音頭」という主題歌を作詞して歌ってさ。メンバーの俺たちがコーラス入れた。「笑いのポイント笑点ダイ」って。
私が記憶にあるのは、大喜利の司会が初代の立川談志さんから、二代目の前田武彦さんに突然変わったあたりです。立川談志さんは、例の調子で、ちょっと過激なものを求めて、出演者がついていけなくなったようなのです。
ただ、2代目の司会者、前田武彦(放送作家⇒俳優)さんについても、大喜利回答者の桂歌丸さんは、気に入らなかったようです。
「今だから言えますけど、ちょっとやりにくかったですね(笑)。(中略)前武さんは、落語家ではないので、噺家の息や間が分からないんです」と、批判しています。
一方、前田武彦さんも別の記事で、こう述べています。
「落語家さんとの笑いの感じ方に違和感が生じ、いくら言っても意見が通じなかったのが最たる理由。僕らより一つ位が上という感じがした。正直、そこでつまらなくなった」
寄席でも、トリは落語であり、漫才や奇術は「イロモノ」といわれてるでしょう。
「僕らより一つ位が上」というのは、そのへんのことかもしれませんね。
少なくとも、『笑点』は「落語の笑い」の番組であり、「放送作家の笑い」とは違うんだ、というものが落語家側にあったんじゃないでしょうか。
マエタケさんにしても、テレビの隆盛は構成作家があってこそだろう、という気持ちがあったと思います。
つまり、現在の「マンネリ」に至るまでには、紆余曲折があったわけです。
その後、三波伸介さん、三遊亭円楽さん(5代目)、桂歌丸さん、そして現在の春風亭昇太さんに代わっていきました。
現在の大喜利の「型」が完成したのは、三波伸介さんのときだったといわれています。
おはようございます!
— キール・インペリアル@ロイヤルの本場 (@amberkiel1) May 14, 2023
5月15日月曜日
1966(昭和41)年の今日は
「金??夜席」を前身とする落語番組「笑点」の放送開始日
立川談志師匠が蒔いた落語の種の一つは、笑点と名を変え、演芸番組最長の2859回(2023年5月7日現在)を数え、今も脈々と受け継がれております
では今日も良い一日を?? pic.twitter.com/0YjU7T6HgF
回答者にキャラクターが確立し、それを司会者が上手にいじるという展開です。
桂歌丸さんと三遊亭小圓遊さんの「喧嘩」とかありましたよね。
本日の入荷品♪
— オフハウス立川栄店【公式】 (@of_sakae) October 1, 2019
桂歌丸さんと三遊亭小圓遊さんの首振りソフビ人形です。
今は亡きお二人の楽しそうな笑顔がとでも良いですね。#首振りソフビ人形#桂歌丸#三遊亭小圓遊#オフハウス立川栄店 pic.twitter.com/1JtAm6haUU
8/3は三遊亭小圓遊さんご生誕の日です。
— TnkAk (@tnkak1966) August 3, 2021
笑点での桂歌丸さんとの”バケモノ”、”ハゲ”罵倒合戦は名物になりました。
”キザ”キャラで売りましたが芸風は古典落語でそのギャップに悩まれていたとか。深酒が早世の原因となりました。
笑点の企画でレコードデビュー。 pic.twitter.com/pFLlzhHJ44
三波伸介さんが、毎週、松崎真さんを辛辣な表現で紹介するのですが、後に桂歌丸さんも山田隆夫さんに同じことをしていましたね。
もっとも、それ自体、もともと番組を企画した立川談志さんの構想だったようです。
「一切変えない。今までどおりやっていく」
桂歌丸さん、6代目三遊亭圓楽さんと相次いで亡くなった時、番組の行く末も心配する声もありました。
しかし、生前、長寿番組の秘訣について、歌丸さんは「マンネリ」こそ長く続く原動力だと語っています。
歌丸 (マンネリと言われるが)マンネリということは長く続いているということ。だから、ああ、ありがたい! と。あたしが司会になったときに、いろんな方に「どうやって『笑点』を変えていくんで す?」と聞かれたんですが、「変えない」って言ったんです。変えようと思って手を加えるから失敗する。「変わるというのは、自然に変わっていくのを待つのが一番いい。一切変えない。今までどおりやっていく」。だから、何も変わっていないでしょう。
変えないからこそ、安定的な人気があるのかもしれませんね。いずれにしても、先人落語家の存在あってこその長寿番組ということだと思います。
『笑点』、ご覧になっていますか。

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この記事へのコメント
懐かしいですね。
この頃が一番、笑点観てました(*´ω`*)。
「笑点」の構成はマンネリ大賛成ですが、出演する落語家の力量の要素は大きいと思います。
笑点の昔の出演者の写真を拝見して
懐かしいと思うと同時に自分の年も感じます!!
観てましたのでほんとに長い間続いていますね。
タレントが集まってくだらない話で笑いをとる番組は
大嫌いですが、こちらは単純なのに楽しくて面白いです。
両親が観ていたように思いますが
何が面白いんですかね。
木久蔵師匠はドリフでいう志村けんといった感じでした。
司会は圓楽師匠が一番良かったかなぁ
でも男女のいろんな芸人がでてくるのは戴けませんね。
仕方ないのかも・・・・
10枚達成者って年に何回でるんだろう(笑)。