IQ(知能指数)が20以上離れていると会話が成立しない、の虚実

高須幹弥さんが、「IQ(知能指数)が20以上離れていると会話が成立しない理由。」というタイトの動画を上げて話題になっています。頭か悪い奴とは、話が合わないのは当然である、といわんばかりですが、実際には性格や感情の影響も大きく、会話の注意事項を指摘しているように思われます。

高須幹弥(たかすみきや、1975年2月1日~)さんは、美容外科「高須クリニック」名古屋院院長(美容外科医)であり、かつ59.3万人の登録者を擁する人気YouTuberです。
父親は、高須クリニック創業者の高須克弥さん。母親も配偶者も現役医師です。
その高須幹弥さんが、YouTubeチャンネルを更新。
「会話をしている両者が、IQ(知能指数)が20以上離れていると会話が成立しない理由。」というタイトルで、話題になりました。
高須先生の動画
— Tristan (@toristann) April 3, 2024
iQが低い人ほど自分は賢いと思い、メタ認知能力に欠け論理的思考ができない傾向が高くなる
実験でIQテストを受けさせると、下位の人ほど自分の成績を実際より上に予想する
IQ(知能指数)が20以上離れていると会話が成立しない理由。 https://t.co/hIEbP6wkBS @YouTubeより
要するに、知能の低いやつはまともに相手をしていられない、という、解釈次第では大炎上のタイトルです。
実はネットには、「IQが20違うと会話が成立しない」説を論考するサイトや、Xのポストが複数あるんですね。
「IQが20違うと会話が成立しない」という言葉は真実か|IQチェッカー https://t.co/ITPdTIc9nQ
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) April 12, 2024
なんだっけIQが20違うと会話が成立しないじゃないけど、前提知識が違うと会話にならないよね
— お茶が美味い (@CTea001) March 12, 2023
人類は女に性善説持ちすぎなんだよ、歴史やデータを見てみろよ、女も男と対して加害性は変わらないし、弱者に関しては女の方が加害性発揮するのが女だぞ…
要するに出来る環境があるかないかの差でしかない pic.twitter.com/e1t6lE3HVC
そのことを、視聴者から質問された高須幹弥さんが、解説しているのです。
「こんな会話をしていると、『こいつレベル低いから相手にするのよそう』と思われてしまいますよ」という注意喚起の内容と思われるので、みなさんの参考になればと思い、このブログ記事でシェアします。
感情的な影響も大きい
動画の内容を、かいつまんでご紹介します。
IQが高い人は、論理的思考能力、言語能力、空間認知能力、数学的能力、記憶力、集中力、学習能力、問題解決能力が高い傾向にあり、これらの能力が高いほど、正しい答えを出す能力も高いとされています。
一方で、IQが低い人はこれらの能力が低く、知識が少ないために短絡的な結論を出す傾向があります。
次が大事ですが、IQが高い人は、自分の能力を正確に把握し、謙虚であることが多いですが、IQが低い人は自己過大評価の傾向があります。自意識過剰とか、へんに負けず嫌いとかね。わからなくても、素直に白旗を挙げられない。相手の意見につっかかりたくなる。
IQが、20から30以上離れると、会話が成立しなくなるというのは、IQの差によって知識量や論理的思考能力に差が生じるだけでなく、そうした感情的な影響もあるようです。
例えば、高須幹弥さんは、こんな例を出しました。
喫煙をすると、どのくらいの割合で健康被害があるか、というタバコの害に関する統計データを示しても、「うちのばあちゃんはヘビースモーカーだったけど、100歳まで生きたよ」なんて反論する人って、かならずいますよね。困っちゃうんですよね。
マクロな話をしているときに、次元の違う「個別の例外」で対抗したがる人。
そりゃ、青酸カリを飲むような必発ではありませんから、タバコを吸っても、がんになる人もならない人もいます。
そのうえで、もしなる場合、どのくらいなりやすいのか、という話ですから、結果としてならなかった人がいると言ったところで意味ないですよね。
動画では、IQの高い人の側から、「相手の理解度に合わせたコミュニケーションが必要」と結んでいます。
論理的に疑問符がつく反論は低IQとは限らない
で、ここからは私の意見ですが、動画で言われている、論理的に疑問符がつく反論をする人は、低IQとは限りません。
別の言い方をすると、IQが低くなくても、相手に迷惑をかける会話をしてしまうことはある、ということです。
人間は、欲得と思い込みに走りがちですから、それによって理性が狂い、IQに関係なく、「あれ?」と思うようなことを言うことはあるのです。
そのことは、以前、和田秀樹さんの『「異情」な人々』という書籍に書かれていることをご紹介しました。
「異情」な人々(和田秀樹著、フォレスト出版)をご紹介します。「異情」とは、「人間の合理的思考を奪う感情」を表現した著者の造語です。「周囲の異情な人」に振り回されない、そして自分自身が「異情な人」に陥らないための対処法がまとめられています。https://t.co/Z6ohyd39Rn pic.twitter.com/386w5XIMgA
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) March 24, 2024
たとえば、上の例で言うと、喫煙者なら、そういう反論をしがちです。
喫煙を否定してほしくないから、IQに関係なくズレた「反論」を生み出すのです。
ですから、IQが高くても、感情に走って「間違う」ことはあります。
逆に言えば、IQが低くても感情に走らなければ、「間違い」を事前に防ぐことはできると思います。
動画では、IQの高い人が、低い人の理解レベルに落とせ、と言っていますが、逆に、論理的でない発言をしてしまう側からはどうすればいいのか、私が対策を考えました。
1.欲得に基づくバイアスを自分から掛けないこと
あいつの性格が嫌いだから、正しいことを言ってるけどケチつけてやろうとか、そういう了見で無理な「反論」しないこと。周囲からは、「コイツへんだな」と思われるだけです。
2.わからないことは、わからないと潔く言うこと
Aのことを聞かれているのに、Bのことならわかるとか、論点をそらす負けず嫌いっていますよね。そういうときは、Aはわかりません、とだけいえば良いのです。余計な釈明をしても評価は高まりません。
3.自分が反論する前に、相手の発言意図を確認すること
「今の話は、これこれこういうことを言いたいわけですね?」などとのように確認すれば、ズレた会話になることを防ぐことができます。「そんなこと聞いたら相手にバカにされる」と思いますか。いやいや、的はずれな反論されるよりはずっとマシです。
結論ですが、会話が成立しないのは、IQの数値以前に感情の問題のような気がしますね。
IQと結びつけるなら、その数値自体ではなく、「自分は頭が悪い」というコンプレックスや嫉妬心のようなものが、自分に見栄をはらせたり、人の意見に逆らいたくなったりするのではないでしょうか。
いつも書いているように、自分なんか、全世界80億人中80億番目にあたるかもしれないザコなんだ、ぐらいの見定めで、もっと謙虚な気持ちでいたらいいのではないでしょうか。
そうすれば、わからないときはわからない、と素直に言えるし、相手の話も「なるほど」と胸に落ちるのではないでしょうか。
余談ですが、IQというのは、もとは遺伝、栄養状態、環境など、「ほしのもと」の影響が大きく、つまり本人のせいではなく、だけれど様々な工夫や集中力で改善の余地があるといわれています。
つまり、低IQなら親を含めた先祖のせい、少しでも改善できたら自分の手柄、と考えるべき気楽なものです。
みなさんは、会話が成立しない経験はありますか。

高須幹弥の人には言えないお悩み相談室 - 高須 幹弥
この記事へのコメント
はてさて。 自分のIQはどのくらいかな?
夕飯になると煮つけがいいですね。
聴く音楽の好みと同じで変化します。
IQとはあまり関係ないと思いますが、
会話が成立しない人とは
付き合う事ないですね。
IQの高い人はむしろそう思われたくないから人と合わすことが上手になって来ますよ。
子供の時はそれが分からないから苦しむことが多いです。
鳥取の親戚の子、それに私の娘の一人がそうでした。
自慢するどころか、もう病気。
不登校になるくらい。
二人とも確かIQ150以上。
どんな場合の人もどんなレベルの人も自分の悩みに負ける人と乗り越えられる人がいます。
私の娘は乗り越えました。
人付き合いの上手な平凡な子に。
すぐに物事が分かっても知らんふりしたり・・・
いい子になりましたよ。
また鳥取の子はメンサクラブ(人口の2%上位)に入会すると言っていました。
また神戸の人でメンサクラブに入ったものの、百姓している方がいいや、と言って退会して楽しく百姓しています。
IQで区別、ましてや差別はあり得ないです。
どんな人もそれぞれの道を上手に進むことが一番大切だと思います。
それは色んな人とうまく交わってこそでしょう。
低かったらショックですが、話を始めるとよく話します。
やっぱり知らない事柄だと口数少なくなってしまいます。
言われたことができない人に多いかも。
舐められない様にするための防衛意識なんだろうけど・・・