ざんねんな偉人伝 それでも愛すべき人々(真山知幸著、学研プラス) (新しい伝記シリーズ) Kindle版

ざんねんな偉人伝 それでも愛すべき人々(真山知幸著、学研プラス) (新しい伝記シリーズ) Kindle版

ざんねんな偉人伝それでも愛すべき人々(真山知幸著、学研プラス)をご紹介します。タイトル通りの書籍です。偉人だからといって聖人君子ではなく、残念な欠点や誤謬があった。功績と人格は別である。ただし、その点も実は愛すべき人々であるという話です。(文中敬称略)本書は、偉人の立派さを伝えるのではなく、やらかし、欠点、変わった性格などを挙げている書籍です。

アインシュタイン、エジソン、モーツァルト、野口英世、豊臣秀吉、坂本龍馬などが取り上げられています。

本書の狙いは、

1.人は功績があるからと言って、人格も優れているとは限らない。
2.成功に邁進すればするほど、実は愚か者と紙一重になり得る
3.人間は、無謬でも万能でもない、ということを明らかにすることで、だから偉人・成功者になるチャンスは誰にでもある

などなど、かなり深い意図があると思います。

私たちはよく、「この人はいい人だが、酒が入ると別人になる」といいますよね。

いや、決して「別人」ではなくて、酒の醜態も含めて「この人」なんです。

むしろ、日常的な能力や人当たりの良さなどの反動として、それがあるとみたほうがいいでしょう。

こうして、私もエラソーに書いてますが、若い頃は、功績と人格を混同する過ちをオカしていました。

人格と功績は別の話


私は20代後半の頃、日本でも有数の金管楽器奏者と、縁あって知り合いました。

その人は、ありふれた県立高校の小さな吹奏楽部出身で、初めて金管楽器を経験してから頭角を現し、なんと年度3人しか入れない東京芸大の博士課程まで進み、その世界では権威ある日本音コンという大会で賞を取り、あるオケに入りました。

私とすれば、音楽家としては非の打ち所のない経歴だから、さぞ人間的にも素晴らしいのだろうと本気で思っていたわけです。

何しろ、学校のある上野公園をその人が通ると、たぶん芸大生だと思いますが、みんないっせいに会釈するんですよ。すげーと思いましたよ。

ただ、実際のその人は、当初の幻想とはちょっと違うかな、と思いました。

結論としては、いいところも、合わないなと思うところもある、普通の人だったと思います。

その人は、公演の日と、前日にそれを「さらう」(リハーサルする)日だけは楽器に携わっているようですが、それ以外、自己研鑽している様子はなく、音楽についての話もなく、いつも「ご飯食べに行こう」というおねだりばかりしている、ともすればオケに入って給料が保証され、堕落したような印象を受けました。

そして、その人がそうであるかどうかはともかくとして、オケは地方巡業が多く、当然泊まりがあるわけですが、宿代節約もあって、団員同士でカップルができることがあると聞きました。

それはいいのですが、かつてのトレンディドラマのように、その組み合わせが団員内でチェンジされると聞いて、「おいおい」と。

もちろん、これはその人の話に過ぎません。当時それとは全く無縁の団員もいたことは確認しています。

それだけに、そういうことに疑いを持たない、その人の奔放な男女観は、当時の私には理解できませんでした。

その人が言うには、音楽家として大きくなるためには、人を好きになることが大切だというのですが、うーん、ちょっと私にはついていけないな、と思いました。

だって、もしそういう人と結婚したら、巡業に出るたびに、「あいつはまた誰かと……」と気を揉めなければならないでしょう。

でも今考えると、会社とか、学校とかサークルとか、男女の集まるコミュニティにおいては、あるある話だったんでしょうけどね。

その一方で、その人は自分の立場を自慢したり、マウントを取ったり、人と比較したりすることはまったくなかったですね。

本当の成功者だったんでしょうね。

そういう人は、くだらない自慢も、人を見下したりも、比較も、ジェラシーだのコンプレックスだのもないのです。ここはすばらしいと思いました。

「学者の道」に足を踏み入れた来年からの私は……?


それは30年以上も前の話ですが、当時は若気の至りで、その人を軽蔑すらしていたけど、心の何処かで、自分のモデルとしていたのかもしれません。男女観以外は。

私も今頃になって、1名しか募集していない大学院博士後期課程に「当たって砕けろ」でチャレンジして、合格してしまいました。

2年前の時点で、還暦過ぎても迷走していた自分が、まさか学者の道に踏み出すとは思いませんでした。

人は、いつでも変われるんです。年齡は言い訳にはなりません。

まあ、難易度とか競争率とか、その人とは比べ物にならないですから、私が歩いていても、誰も会釈はしてくれないでしょうけどね

だから、私ごときでは世間的にはマウントを取りようがないですが、その世界(学界とか仏門)では、評価は多少変わってくると思います。←私はどこの宗門にも帰依してないんですけどね。

そのとき、実績を作る前に勘違いして天狗になってしまうか、その人のように自分を見失わずいられるか、男女観は別として(笑)

来年は、そんな自分の行方が我がことながら楽しみです。

ひとさまとの付き合いで、能力と人格のギャップに、困惑した経験はありますか。

ざんねんな偉人伝 それでも愛すべき人々 (新しい伝記シリーズ) - 真山 知幸
ざんねんな偉人伝 それでも愛すべき人々 (新しい伝記シリーズ) - 真山 知幸

この記事へのコメント

2024年12月25日 23:17
「人は、いつでも変われるんです」に希望が持てます。勿論本人のやる気がないと始まりませんが。
2024年12月25日 23:46
>私が歩いていても、誰も会釈はしてくれないでしょうけどね

私はいつも会釈するつもりでいます。広い見識と本質を見抜こうとする
嗅覚は見習わなければといつも感じています。
2024年12月26日 00:58
いつも困惑しています。
困惑しなかったことが少ないです。
2024年12月26日 05:47
私には別世界なのでよくわからないけど、人は自分が思えば(決心すれば)いつでも変われるんだとは思っています。
2024年12月26日 06:14
自慢しないってだけでなんとなくすごく感じる、人によって成功の意味は変わるものなんだろうな。
2024年12月26日 07:08
お昼は麺類が基本です。いつもうどんですが、いささか飽きてきています。焼きそばも農協で買いました。
2024年12月26日 09:13
昔の先輩方は飲み会ではっちゃけた人多かった気がします
今は飲み会すらほぼない
2024年12月26日 14:43
東京芸大卒の人は記事に出てくるような人間は多いという認識でした。
いっぷくさんの向上心、そして見識を広げるための読書量に脱帽です。
2024年12月26日 18:40
こんばんは。
私の知っているフルート奏者は今の奥さんが四人目で、驚いたことに今の奥さんと以前の奥さんたちも仲がいいらしいです。
以前 NHK のドラマで視た赤塚不二夫さんもそう(奥さんは二人ですが)だったようです。

お金のことをきっちりとしない人がいます。
高価な楽器を注文しておきながら、何かと理由をつけて受け取らず代金も払わないという話があります。
いろいろ注文しておきながらお金はなかなか払わないという話は珍しくありません。
2024年12月26日 20:52
「ざんねんな偉人伝」のご紹介、とても興味深く拝読しました!功績と人格を分けて考える視点が新鮮で、特に「成功と愚かさが紙一重」という点に深く共感しました。
2024年12月27日 09:49
みなさん、コメントありがとうございます。

> 人間は多様
自分の身の回りだけでもいろいろな人がいますね。

> 勿論本人のやる気がないと始まりません
そこが一番大事ですね。

> 広い見識と本質を見抜こうとする
> 嗅覚
まだまだです。

> 困惑しなかったことが少ない
人格はつきあってみないとわかりませんからね。

> 人は自分が思えば(決心すれば)いつでも変われるんだ
変わりたくない人も中にはいるようです。

> 自慢しないってだけで
自慢する人はそこで成長が止まっていますね。

> いささか飽きてきています
我が家もうどんとそばの繰り返しなので、最近はスパゲティもローテーションに加えました。

> 飲み会すらほぼない
やはりきっかけはコロナでしょうか。

> 記事に出てくるような人間は多いという認識
芸術家の常識は一般常識とは少し違うのでしょうか。

> 来年も宜しくお願いいたします
こちらこをよろしくお願いいたします。

> いろいろ注文しておきながらお金はなかなか払わないという話
いい楽器を見ると払えるかどうかを考える前に欲しくなってしまうのでは。

> 成功と愚かさが紙一重
凡人とは違うという点で共通しているのかもですね。
2024年12月27日 10:00
才能も人格も、バランスのとれた人物が望みです☆が、なかなかどうして;勘違いと棘の道~ですね;。
2024年12月28日 18:24
>バランスのとれた人物が望み
同感です。