「良役をやらせていだきます。稽古をしっかり頑張って、良い舞台をやりたいなと思います。みなさんよろしくお願いします。蜷川さんと仕事する気持ちですか?緊張してます。でも、声を掛けていただいて非常に嬉しく思っています」
厳しい舞台をつとめあげられるか心配だが、俳優として一度は演じてみたい舞台に上がれて光栄である、という期待と不安を彼は語っていた。
『SP』で麻生太郎元総理をエスコートするパフォーマンスを行った岡田准一は華やかだったが、森田剛は地味ながらも本格派の芝居を経験していたのだ。
そして、昨年は年の初めの1月から、神奈川芸術劇場こけら落とし公演ほか5都市で上演された森田剛主演の舞台が、『金閣寺』である。
こちらは三島由紀夫の原作。1950年に起こった、言語障害(吃音症)や厭世観に悩む見習い僧侶が、金閣寺を放火した事件を描いた作品で、宮本亜門が演出した。
これもまた難しい舞台だ。三島由紀夫というのは、作中に綴られている日本語が綺麗な作家として有名である。そこから描かれる世界を演者が芝居の中でどうやって表現するか。そして、金閣寺という歴史的に有名な寺を焼いてしまう。つまり、日本の歴史を自分の手で焼却してしまうという、あまりにも大胆な僧侶の心境をどうやって観客に見せていくのか。
これはもちろん、森田剛個人に相当に高いレベルの演技力が必要である。それとともに、共演者とのチームワークや演出家との信頼関係、他のスタッフとのコミュニケーションなど、自分の演技を生かしてくれる人たちとの関わり方も重要になってくる。
これは、誰でもあてはまることだと思う。難しい仕事に取り組む時、上司や同僚の役割は重要だ。学校だってそうだ。友達や先生に助けてもらうことだってあるだろう。
森田剛はそこをわかっているのか。……森田剛はわかっていた。
>>森田剛の生写真、関連グッズ一覧
「いままで仕事や取材でも、どこか『なめられたくない』というのがありましたが、舞台を経験して、そんな考えはなくなった。僕は圧倒的に経験が少ないし、ひとりじゃ何もできない。舞台はみんなで作るものだと悟ると、どんどん開放的になって、謙虚になった」(「日刊スポーツ」2011年1月22日付インタビューで)
森田剛はこの1年の間に、人間としてすっかり大きくなっていたのだ。
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