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泉田純がなくなったというニュースで持ちきりである。
泉田純太朗というフリーレスラーとして、かつて所属していたプロレスリング・ノア時代に、後援者のように振舞っていた成田真美容疑者に8800万円を騙し取られた件は一応の解決を見た。泉田純太朗はなぜ詐欺事件で騙し取られたのかを改めて振り返ろう。
泉田純太朗というよりも、泉田純という本名のほうが多くのファンは通りがいいだろう。
大相撲出身で、廃業後に全日本プロレスに入団。
前座試合のスタートではなく、さりとてメインイベンターでもなく、休憩前の第4試合が泉田純のスタートだった。
ジャイアント馬場やラッシャー木村らとのしょっきりのような試合に抜擢され、もっぱらコミカルなキャラクターでレスラー生活を過ごしていた。
それは、2000年に、三沢光晴らほとんどの選手とスタッフが離脱してプロレスリング・ノアを立ち上げてからも同様だった。
しかし、プロレスラーとしてのキャラクターとは異なり、実際には、かなり真面目で、また真面目すぎるがゆえにいささか神経質で気にしやすいタイプのため、三沢光晴の覚えが悪く、同団体をリストラされている。
さて、その泉田純が、どうして8800万円を騙し取られた詐欺事件に発展したのか。
事件を一口に言えば、ノアの選手が食い物にしたつもりが、実は逆に食い物にされたものである。
だが、具体的に金銭の損害があるのは、泉田純と、三沢光晴の夫人だけである。
容疑者をプロレス団体NOAH(ノア)の永源遥営業部長から紹介された泉田純が、成田眞美容疑者の詐欺に引っかかり、莫大な借金(9000万円)を背負ってしまった。
それとともに、容疑者がノア本体にも大スポンサーとして関わり、信用した三沢光晴社長夫人からも、三沢光晴の死亡保険金(5000万円)を騙し取ったものである。
詐欺師は、まずエサを撒いてから大きく騙す。相手を信用させるだけでなく、相手の人格も見る。
容疑者一家の滞在するヒルトン東京ベイホテルに行けば、泉田純太朗はいつも5万、10万の小遣いをもらい、食事をすれば生ビール1杯2000円の高級料理、誕生日には50万円のロレックスをプレゼントされたという。
他のレスラーも、何かというと容疑者一家のところに行き、呑んだり食ったり、そして小遣いをもらったりしていた。ようするにノアの連中はたかっていたのである。
だが、泉田純だけは違った。
たとえば、義理堅く容疑者の実子の世話などをしたり、いくらいい思いをしても他のレスラーに関係を安易に口外したりしなかった。
容疑者は、そこで泉田純太朗の人の良さや誠実さ、口の堅さなどを見透かし、騙す相手にふさわしいと考えたようだ。
泉田純太朗も、容疑者一家の洋服や趣味にかけているお金も庶民とは桁違いで、そんな贅沢な暮らしを10年も続けていたことで信用したという。
しかし、その金だって、詐欺で集めた金なのである。
いずれにしても、他のレスラーのように、タカるだけだったら、泉田純太朗は騙されなかったかもしれないのですある。
泉田純太朗が、義理堅くちゃんとしていたのが災いしたというのは、何とも悲しい話である。
しかも、泉田純太朗は三沢光晴に嫌われていたので、自分の将来も不安だった。
そこで、将来店を持たせてくれるという容疑者の甘い誘惑に騙されてしまったのである。
興味深いのは、泉田純太朗が、1度に9000万円騙し取られたわけではないことである。
最初に4000万騙され、返却の催促をしているそのさなかに、追加として5000万騙されているのだ。
普通だったら考えられないかもしれない。
しかし、それができるのが詐欺師なのである。
詐欺師というのは、返還を求められてもなんだかんだと理屈にならない言い逃れをして返さないばかりか、追加の騙しまで行うところがある。
そして、ダマされる人間は人がいい。
泉田純太朗が、まさにそうだったのである。
責任を取らないプロレスリング・ノア
容疑者の夫は、稲川会系二次団体の組長代行ということでも注目された。
要するに、容疑者が泉田純太朗を騙して巻き上げたカネが、反社会的団体の資金源になったのではないか。
もしくは、反社会的団体のカネでプロレスリング・ノアの連中がタカったのか、という疑惑である。
これは、容疑者の単独の犯行で、夫は無関係ということが後に明らかになった。
しかし、コンプライアンス重視の時代なのに、そのような付き合いがある事自体、いかがなものだろうか。
ところが、社長の田上明はこの事件では何の責任も取っていない。
泉田純太朗に容疑者を紹介した永源遥は、形だけ役員を辞任したが、従来通り業務を行っており、「引責」は実質的に何の影響もない。だからペナルティとはいえない。
もう一人、仲田龍という三沢光晴を全日本プロレスから独立させた黒幕がいる。
仲田龍も、実は多額の金が容疑者から渡ったとされるので、一応役員は降りたが、永源遥同様、そんなことではすむ問題ではない。
その使途不明金は、三沢光晴が亡くなると、亡くなった三沢光晴に「女性問題」があるとして、そのために使われたかのような釈明をした。
そういうことをしてバチでもあたったのか、仲田龍自身は51歳で急死してしまった。
では、さんざんたかってきたプロレスリング・ノアの連中はどういう態度をとったか。
何の責任も取っていない。
全くもって、薄気味悪い団体である。
試合で不慮の死を遂げた三沢光晴の夫人は、いきなりノアの筆頭株主になった不安から、容疑者を頼り、やはり泉田純太朗と同じように容疑者の口車に乗って、三沢光晴の死亡保険金5300万円を騙し取られてしまった。
三沢光晴が、激闘の連続の末に命を落とした、その保険金というのがやるせない。
この団体はもともと、全日本プロレスに対して、金銭問題や、自由にやらせてくれないから、といったことを挙げ、「脱馬場」ということで選手とスタッフがいっせいに独立したはずである。
たとえば、ジャイアント馬場は、スポンサーを持つことを嫌い、自分の金でご飯を食べた。
ノアの連中は、スポンサーを持って、「ごっつぁんです」をしたくて独立。
そして、容疑者と出会い、このザマである。
少なくとも、三沢光晴と合わない泉田純太朗は、全日本プロレスに残ったほうが良かったのだろう。
泉田純太朗は、事件の全容について、『内側から見たノアの崩壊』(泉田純/宝島社)で述べている。
版元の視点では、『全日本プロレス「崩壊」の真相ー馬場イズムと「王道」の終焉』(別冊宝島編集部編、宝島社)に詳しい。

全日本プロレス「崩壊」の真相

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