棋士という生き方 仕事と生き方(石田和雄著、イースト新書Q)Kindle版

棋士という生き方 仕事と生き方(石田和雄著、イースト新書Q)は、プロ棋士として活躍した著者が、自身の経験や視点から棋士という職業、そしてその生き方を多角的に考察した書籍です。プロ棋士という、独特の環境と競争の中で生きていく難しさや面白さを具体例を交えて解説しています。

本書は、プロ棋士を2012年に引退した、石田和雄九段が、自らの半生の振り返りも含めて、将棋の世界について紹介している書籍です。
著者は岡崎市出身。
実家は石屋さんで、二宮尊徳の像を卸していたそうです。
昔は、学校にありましたよね。
いったんは、父親の手の怪我で仕事ができなくなったものの、戦後高度経済成長期にまた石像の注文が増えたため、父親は手の怪我のハンデをカバーして仕事に復帰。兄も家業を手伝うようになって一家は大忙しになり、自分はほったらかしにされたことで、夢中になれるものを見つけました。
それが将棋だったそうです。
1967年、20歳でプロ棋士に。
1993年に加瀬純一七段の父親が経営していた「柏将棋センター」をうけついで後進の指導をはじめる。
2006年4月、フリークラス(順位戦を対局しない)宣言。
2012年5月9日、竜王戦6組・対小林宏戦敗戦を最後に引退しました。
プロ棋士になるまでの道のり
本日は 石田 和雄 選手(-48期 A級1班)の63歳の誕生日です。(1962/2/3)
— 競輪選手誕生日没徒 (@keirin_birthday) February 2, 2025
2011年12月5日引退
2004/12 優勝(大垣F2) pic.twitter.com/7Of25RZYUX
将棋好きの若者がプロ棋士になるまでの道のりは、非常に険しく、一般的には以下のステップを踏む必要があります。
なお、「若者」と書いたのは、ほとんど義務教育の頃からはじめないと間に合わない世界だからです。
まずは、将棋のルール、駒の動かし方、基本的な戦法などを学びます。
将棋教室に通ったり、将棋アプリや書籍を活用したりして、実力をつけていきます。
本書では、『月刊将棋』を読むことを勧めています。
次に、アマチュアの将棋大会に積極的に参加し、実戦経験を積みます。
大会で好成績を収めることで、自分の実力を客観的に把握し、自信をつけることができます。
そして、プロ棋士養成機関である「新進棋士奨励会」への入会を目指します。
新進棋士奨励会に入るには、年齢制限や棋力などの条件を満たし、試験に合格する必要があります。
また、入ったからこれで安泰、というのではなく、満21歳(2002年度以前の奨励会試験合格者においては満23歳)の誕生日までに初段、満26歳の誕生日を迎える三段リーグ終了までに四段に昇段できなかった者は退会となります。
プロになれずに定年退会した会員は、その後OB・OG扱いにもしてもらえず、奨励会との利害関係は無くなってしまいます。
つまり、将棋に関しては、「ただの人」になります。
とにかく10代が勝負の世界なのです。
藤井聡太さんが、国立大学附属中学なのに、高校にいかずに将棋に専念したいとして話題になりました。
世間的には「もったいない」と思われていますが、将棋界では十分に有り得る話なのです。
藤井聡太さんは結局、高校を中退しました。
本書の著者も、東邦高校という野球で有名な高校ですが、中退しています。
話を戻すと、奨励会では、6級から始まり、三段まで昇級・昇段を目指します。
定期的に行われる例会で対局を行い、成績に応じて昇級・昇段が決まります。
奨励会三段になると、「三段リーグ」と呼ばれるプロ棋士編入試験リーグに参加する資格を得られます。
三段リーグは、半年ごとに開催され、上位2名が四段に昇段し、プロ棋士になることができます。
三段リーグは、非常にレベルが高く、プロ棋士になるための最難関と言われています。
三段リーグで上位2名に入ると、四段に昇段し、プロ棋士としてデビューします。
プロ棋士になると、公式戦に参加し、タイトル獲得などを目指します。
ここまでの道のりは大変です。
プロ棋士になるには、才能だけでなく、努力と根気も必要なのです。
プロ棋士の収入源
インストールせずに対局できる将棋AIで言えばゼロから始める将棋道場もおすすめ。ぽつんと置いとくにはもったいないレベルのちゃんとしたアプリになっている。Copyrightを見る感じ開発は別だろうかhttps://t.co/LIFK9M3Lkz
— きなこもち (@sgkinakomochi) January 14, 2025
プロ棋士の収入源を、Google AI Studioに尋ねてみました。
対局料: これは最も基本的な収入源で、公式戦やタイトル戦、あるいは非公式の対局などに参加した際に支払われます。対局の規模や相手によって金額は大きく変動します。タイトル戦などは高額な対局料が支払われます。
奨励金: 将棋連盟の奨励会員(プロ棋士を目指す段階)や、プロ棋士になってからも、棋戦成績に応じて支払われるお金です。これは、棋士としての活動の継続を促すための制度です。
指導料: 棋士の中には、アマチュアへの将棋指導を行って収入を得ている人もいます。個人の指導や、将棋教室での指導などがあります。
著作権料: 将棋に関する書籍や雑誌などを執筆、出版した場合、その著作権料が収入となります。将棋の解説本や、自身の棋譜集などが当てはまります。
講演料、広告収入: 棋士の知名度によっては、講演会への出演依頼や、広告への出演依頼があり、そこから収入を得ることがあります。
スポンサー: 一部のトップ棋士には、スポンサーがついている場合があり、そこから支援を受けることもあります。
これらの収入源を組み合わせることで生活を維持しています。
収入には個人差が大きく、タイトルホルダーやトップ棋士は高収入ですが、多くの棋士は決して裕福とはいえず、生活を維持するために、複数の収入源を組み合わせたり、節約を心がけたりする必要があるのが現実です。
藤井聡太さんのように、中学時代に賞金を1000万以上稼ぐこともあります。
まあ、別にプロにならなくても、一般人として将棋を楽しむことは、思考力・集中力・記憶力・世代を超えた様々な人との交流など、良いことがたくさんあると思います。
私も本書を読んで、久しぶりにWebアプリの将棋AIをやってみたくなりました。
みなさんは将棋はさしますか。

棋士という生き方 仕事と生き方 (イースト新書Q) - 石田和雄
この記事へのコメント
プロ棋士の頭の中はどうなっているのか・・・
名十手先まで読むなんて鈍な私には想像すら
できません・・・(^-^)!!