Fラン大学存廃論 - 教育機会と社会的役割を考える

最近、一部のインフルエンサーたちが、SNSや講演などで、「Fラン大学」と呼ばれる偏差値の低い大学不要論を展開し、世間の注目を集めています。この議論の背景には何があるのか、そして本当にFラン大学は不要なのでしょうか。
最近、「Fラン大学なんか入っても仕方ない」というネット上の意見が多すぎるので、私が、「いや、そんなことはないよ」と反論すると、意外と支持されたので、逆に戸惑っています。
でもさ、学歴は銘柄ではなく学位だからね。「資格大卒」という時に、どんな名門高でも高卒ではダメ。Fランでも出ておいてよかったということはある。こいつら、大卒でないことで損してもその責任は取らないから。
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) April 14, 2025
職業と大学は密接につながっているので、官僚や一部上場企業に入るための大学や学部は高偏差値になり、逆に福祉や介護関係の大学や学部などは低くなりがちです。
では、「Fラン大学は要らない」といって、介護や福祉の大学を減らしていったらどうなってしまうのか、って話です。
当然、介護や福祉は衰退します。
介護や福祉関係で、大卒が条件の資格ってありますからね。
社会福祉士(国家資格)とか、精神保健福祉士(国家資格)とか、つるの剛士が、大学に入り直してとったという認定心理士(公益社団法人日本心理学会認定)もそうですね。
東京未来大学通信教育課程、こども心理学部こども心理学科の認定心理士・生涯学習コース(長い)
— 眠い大学職員 (@StaffSleepy) March 23, 2025
つるの剛士、大学卒業「夢かないました」 https://t.co/GqtAvUApJ5
つるの剛士は短大出身で、入り直した大学は、失礼ですが「Fラン大学」ですよ。でも、資格取得には必要な大学なんです。
ところが、ホリエモンをはじめとする一部の著名人が、近年「Fラン大学は不要だ」という主張を積極的に展開しはじめました。
ホリエモンは、例によってロケット事業などの新規事業に予算を配分してもらうため、緊縮財政を進める財務省の意向に沿った発言をしているのでしょう。
つくづくわかりやすい人です。
財務省としては、少子高齢化による税収減と社会保障費増大という厳しい財政状況の中で、教育予算を削りたいのでしょう。
しかし、その主張が「Fラン大学をつぶせ」という形で表出する時、私たちは慎重に考える必要があります。
市場原理による自然淘汰はすでに進行中
実は、Fラン大学の淘汰は財務省主導でなくとも、すでに市場原理によって進行しているのです。
少子化により、18歳人口が減少し続ける日本では、今年度だけでも全国の短期大学の約1/4が閉校を決め、全国で15の私立大学が募集停止または閉校しており、この傾向は今後も続くと予測されています。
Fランどころか、むしろ名門と言われていた、京都ノートルダム女子大学ですら、学生募集停止を発表しました。
【速報】京都ノートルダム女子大学 26年度からの学生募集停止 今春の新入生が最後の代…29年閉学見通し https://t.co/OefIiaZyQv#MBSニュース #ニュース
— MBSニュース (@mbs_news) April 25, 2025
ですから、決して無名とは言えないかつての名門大学だって、今後どうなるかわかりません。
市場原理による自然淘汰が機能しているのに、その上さらに大学を「つぶす」という強硬な手段は、本当に必要なのでしょうか。
Fラン大学と呼ばれる教育機関には、一般的に認識されている以上に重要な社会的役割があります。
1. 教育機会の平等性の担保
全ての若者が難関大学に入れるわけではありません。Fラン大学は高等教育を受ける貴重な機会となっています。これらの大学がなくなれば、教育格差はさらに広がる可能性があります。
2. 地域社会の活性化
地方に位置するFラン大学は、地域経済の重要な部分を担っています。学生や教職員による消費活動、大学と地域企業との連携プロジェクト、文化的イベントの開催など、地域社会に多様な形で貢献しています。こうした大学の閉校は、地方の過疎化をさらに加速させる恐れがあります。
3. 専門職・技術者の育成
医療、福祉、教育、介護などの分野では、トップ大学の卒業生だけでは社会のニーズを満たせません。Fラン大学の多くは、こうした実務的な職業人材の育成に力を入れており、日本の産業や社会サービスを支える人材を輩出しています。
学歴社会の現実と「学歴不問」への道のり
Fラン大学不要論の主張者は、しばしば、「これからの時代は学歴ではなくスキルが重要だ」と説きます。
しかし、現実の採用市場はどうでしょうか。多くの企業では依然として「大卒以上」という条件が設けられており、専門職の資格取得にも大学卒業が前提となっているケースが少なくありません。
企業の採用基準や資格要件が「学歴不問」に方針転換しない限り、Fラン大学を一方的に削減してしまったら、多くの若者から進学や就職の機会を奪うことになりかねません。
ですから、それをいうなら、まず、学歴に依存しない公正な評価システムの構築ではないでしょうか。
まとめ
Fラン大学不要論は、一見すると合理的に聞こえるかもしれません。しかし、教育は単なる経済効率だけで語れるものではありません。
多様な若者たちに教育機会を提供し、それぞれの可能性を最大限に引き出すことこそ、教育の本質的な役割ではないでしょうか。
日本が中国に勝てない理由…。 pic.twitter.com/RE0wB6NLk7
— らんまる??? (@Sg3Lu) May 10, 2025
私は国民民主党に投票したことはありませんが、この榛葉 賀津也幹事長の話は「その通り」だと思います。
国民が、小泉純一郎政権にたくさんの議席を与えたことで、政府は竹中平蔵さんを登用して教育予算を減らしました。
中国は、30年間で教育予算を24倍に増やした。日本は0.9倍。その結果、当時バカにしていた中国に、今や日本は何もかも全くかなわなくなったと話しています。
知力を育む教育こそ、最強の国力なのです。
みなさんは、Fラン大学の存在意義についてどのようにお考えでしょうか?ぜひ、コメント欄でご意見をお聞かせください。

Fラン大学出身の僕がGAFAMに転職できた成長戦略: 人生を豊かにするための思考法 FランGAFAM - Nao
この記事へのコメント
記事の中にあるように世の中に不要ならば自然淘汰されるでしょう。
生徒数が減れば、大学が減って行くのも当然の事ですよね。
企業の採用基準は、一流大学から面接の日程が決まりFラン大学は日程も組んでもらえなかったりしますから、どんどん淘汰されるのは仕方がないことなのかな~と思います。
これからは学歴より、人物重視に切り替えて欲しいですよね。
学力よりも常識人、やる気じゃないのかな。
nice!です。
に、2年間の現行の、「大学/短大教育の教養課程」と言われる
教育内容を義務付け、今の小中学校の全入の為の設備やシステムを
早急に、いわゆる大学に関しても構築すべき時代と状態に、国際競
争力転落という現状/状態から見て既に陥入っているとの意見です。
嫌な言い方をして差別するんですね~
悲しく・寂しい世の中だと感じます 😂
それはさておきFランそのものが良くわからない俺としては大学行っただけでも凄い人認定なんだがなー、行ける財力ある家って事でしょ?あるいは奨学金受けられる人。十分凄いよ。
NICEです
『知力を育む教育こそ、最強の国力なのです。』
⇒同感です。そこにどれだけのリソースとお金を投じることが不可欠だと。
幕末から明治にかけて、意欲のある人、可能性のある人、を国費でどんどん海外へ送り出した歴史は、目的と行動が一致した事例と思います。
どの大学に入るのではなく、入った大学でなにを学ぶかでしょう。
それでも少子化で大学の経営も厳しいようですね。
必要な人がいれば無くせないですね。
逆にまじめに勉強しそうな気がします。
偏差値が低い大学なんでしょう
偏差値が高いと言うのは記憶力が良いだけなんです
人の偉さは偏差値だけでは測れません
リーダーシップ 交渉力
こうした能力は偏差値が高いからと言って
必ずしも優秀なわけではありません
私の高校の時の同級生に学校の成績がドンジリの奴がいましたが
高校を卒業して営業マンになった途端 営業成績ナンバーワンに
なった奴がいました。
学生の時の偉さと社会に出た時の偉さは違うと言うことです。
義務教育で仕事につき、結婚の支度も自力で、なので学歴は有りません。
自分に足りないものを子供に託して大学に、お陰で子供は大成を(男子2人)
心豊かな老年期を もし普通の家庭で育っていたらどんな人生を送れたのか?
あまり人気のない教師で終わっていたかも(^_-)-☆