「公人の不倫」ーー倫理と信頼のはざまで

2025年4月、国民民主党は平岩征樹衆議院議員に対し、「倫理の順守」に違反する行為があったとして、無期限の党員資格停止処分を下しました。報道によると、平岩議員が女性問題、つまり不倫に関わる行為を行ったと見られています。
今回の平岩征樹衆議院議員は、偽名を使い正体を隠して不倫していたといいます。
ですから、たんなる不倫以上の責任がありますが、今回は、「不倫」に絞って記事にします。
政治家、すなわち「公人」にとって、不倫はどこまで問題となるべきでしょうか。
歴史的に見ても多い「公人の不倫」
国民 平岩衆院議員を党員資格停止に 氏名偽り既婚も隠して不倫https://t.co/vyqT6iYmEB #nhk_news
— NHKニュース (@nhk_news) April 23, 2025
日本において、政治家の不倫スキャンダルは珍しいものではありません。
近年でいえば、2016年の宮崎謙介元議員の「育休不倫」、また2017年の山尾志桜里元議員の「W不倫」疑惑などが記憶に新しいでしょう。
どちらも大きなメディアの注目を浴び、本人は離党あるいは議員辞職へと追い込まれました。
また、過去には田中角栄元首相や石原慎太郎元都知事といった大物政治家も、女性関係にまつわる噂が絶えませんでしたが、当時は現在ほど倫理的な視線が厳しくなかったこともあり、大きな政治的ダメージには至らなかったケースも多くあります。
アメリカでは、ビル・クリントン元大統領のモニカ・ルインスキー事件が最も有名でしょう。
このスキャンダルは深刻な政治的危機を引き起こし、最終的には弾劾訴追まで発展しました。
フランスの、ドミニク・ストロス=カーン元IMF専務理事の性的暴行疑惑は、その国際的なキャリアを完全に断ち切る結果となりました。
これらの事例からわかるのは、公人の不倫問題は単なるプライベートな出来事ではなく、権力構造やメディアの影響力、さらには文化や価値観との複雑な相互作用によって拡大解釈されることが多いということです。
「不倫」は私的な問題か、公的な問題か
”本名を偽って不倫”の一回生議員が謝罪した日に「山尾志桜里氏」の出馬報道…日本国民は“不倫まみれ”の「国民民主党」をどこまで許容するのか(デイリー新潮)#Yahooニュースhttps://t.co/DuMipqpX4C
— 倉持 薫 (@l4ikwgs8) April 23, 2025
一方で、政治家の不倫は単なる「プライベートな問題」として見る向きもあります。
仮に公金を使ったり、政務活動と関係していれば当然ながら公的な問題となりますが、完全に私的領域であった場合、それをもって政治生命を絶たせることが妥当かどうかには慎重な判断が求められます。
ただし、政治家という職業は「信頼」が命です。
法令遵守はもちろんのこと、国民に模範を示す存在であるべきという期待が強く、不倫などの行為によって「信頼を損なった」と見なされれば、その政治的ダメージは避けられません。
「倫理の順守」と政党の姿勢
〝マッチングアプリで知り合った女性A子さんに対して、「関西国際空港の運営会社の幹部職員である橋本正樹」と偽名および虚偽の職業を名乗った〟
— まなぱぱ (@heiwanahikari) April 23, 2025
………?????
【独自】独身を偽って名前も職業も全部ウソ…!国民民主党・平岩征樹衆院議員の「なりすましゲス不倫」 https://t.co/xLW2hTJoz5
今回、国民民主党が平岩議員を無期限の資格停止処分にした背景には、「党としての倫理観」を明確に示す意図があると考えられますが、過去には玉木代表の不倫問題を甘々処分したこともあり、今回も果たしてそれで十分かどうかは議論の余地があります。
まず、党がどのような基準で処分を決定したのか、透明性が求められます。党員資格停止の理由やその背後にある倫理基準について、明確な説明が必要です。
そして、不倫問題が再発しないようにするための具体的な対策が求められます。例えば、倫理教育や内部監査の強化などが考えられます。
特にSNS時代では、スキャンダルは瞬く間に拡散され、イメージ悪化が政党全体に波及するリスクも高まります。だからこそ、個人の不始末であっても、党が即座に対応する姿勢が求められるのです。
ハニートラップだった場合の論点
では、仮に不倫が、「ハニートラップ」(=誰かに仕掛けられた罠)であった場合、どう評価されるべきでしょうか。
つまり、スキャンダルをこしらえ、それを弱みとするために女性が近づくことです。
一部の国会議員や官僚が、外国のスパイや特定勢力に、色仕掛けで機密を漏洩させられたという疑いが過去にも報道されたことがあります。
こうしたケースでは、倫理問題だけでなく安全保障上のリスクすら伴います。
一方、罠にかかったことそのものが、「隙がある」「判断力に欠ける」と評価される可能性もあります。
政治家は多くの情報と人間関係の渦中にいるため、あらゆる誘惑や圧力から身を守ることが求められる立場です。ハニートラップであったとしても、完全な「被害者」とは見なされにくいのが現実です。
ですから、ハニトラにひっかからないためにも、政治家は下半身スキャンダルには気をつけなければなりません。
一部にあるような、「政策が良ければ不倫ぐらいいいではないか」といった擁護論に頷くことはできないのは、そのような理由もあります。
現政権の、総理や外相の特定国への異様な譲歩、変だと勘ぐりたくなりませんか。
国民が求める「透明性」と「説明責任」
今後の課題としては、公人としての倫理基準を明確化するとともに、個人の自由と社会的期待のバランスをどのように保つかが求められます。
また、ハニートラップといったリスクに対する具体的な対策を講じることで、健全な政治文化を維持することが重要です。
平岩議員が今後どのような説明をし、どのような再出発を図るのかはまだ見えていません。
しかし一つ確かなのは、政治家という職業は、私生活においても「見られている」存在であるという現実です。
「政治家も人間だ」との声がある一方で、「人間だからこそ規範を守るべき」との声もまた根強い。
公人の不倫は、個人の道徳観だけではなく、その人が持つ「公的責任」や「リーダーシップ」をどう評価するかという社会的問題へとつながっていきます。
スキャンダルを通じて、私たちは公人に何を求めているのか、そして信頼とは何かを改めて問われているのかもしれません。
みなさんは、「公人の不倫」、いかが思われますか。

政治倫理Q&A - 読売新聞政治部
この記事へのコメント
以前問題になったパパ活にしても、その方の志向なんだから良いと思うけど
相手が未成年だったら話は別ですが
失脚させられるよう、政治家は情報を集めている、という話を聞いたことが
あります。自分自身の評価を下げ、選挙協力してくれた家族や支援者を裏切
るような行為を自制することも仕事の1つだと認識して頂きたいです。
この党は党首からしてだから、大いにお盛んなのかなって勘繰りたくなります。
それにしても、独身を偽って職業も氏名も全部ウソとは悪質極まりないですね。
それなのに、党員資格停止で済むんだ…
甘いんですね~。
もう、政治家一人一人身辺調査した方が良いんじゃないかって思います。
国民民主って政党そのものが不倫天国。
議員の数を減らせば確率論的に、問題の総数自体が
減るのでは?(笑)
nice!です。
なんでやるんだろう
「地位が人を作る」が事実とすれば社会的地位がある人は(公人と呼ばれる人も含む)普通の人より厳しい基準が必要という事でしょうね。
あの有名な 渋沢さん も そうだったみたいですけど・・・
今は その元気も 気力も・・・ お金がある人だけです
女の人が 寄っていくのは と 思っております
いつまでも無くならない感じがしますね。
私はそういう議員は政治家として信頼できないです。
私は結婚は一種の契約だと思っていて、不倫は契約不履行ですよね。
でも、それと社会的制裁はどうなんだろうと考えてしまいます。
そんな暇ないと思うのですが??
現政権もどこまでクリーンなのかわからないからねぇ(−_−;)
公人としての立場をわきまえるべきです、
そうでなければ信頼を得ることはできませんね。
そんな人の為に時間を割いた議論は止めて、自分から議員を退く仕組みに。
税金の無駄と時間の無駄、無責任な政治家が多過ぎます。本音。
公人でも私人でも不倫はいけません…
ただ偽名使ってとか言うのはかなり情けないですね(^_^;)
あとハニートラップ・・・なるほど、そういう観点では考えたことなかったです。
そうなると・・・たしかにうかつに手を出すと思うツボですねぇ!
一般人でも罪に問われる事象だけに、政治家がそれをしたと言う事で有れば厳しい追及が来るのは避けられないと思います。