ローソン「天かすご飯」商品化が映し出す日本の貧困化

2025年3月、コンビニ大手ローソンが税込297円という低価格で「天かすご飯」を発売し、SNSを中心に大きな話題となっています。天かす(揚げ玉)とご飯、天丼たれ、青のりだけというシンプルな内容のこの商品は、「弁当としては安い」「おかずが欲しくなる」など賛否両論の声を集めています。
いや、でもさ、やすいのは当たり前でしょ。
めしと天かすだけなんだからさ(汗)
「やすい」ものを売るのが、悪いと言っているのではありません。
「やすいからありがたい」一辺倒の感想で、それが市場で幅を利かせるほど、日本の一般市民の暮らしが確実に貧しくなっている現実を浮き彫りにしている、そこに気づいてほしい、ということです。
「カネがないから、今回は『天かすご飯』にした」という、訳アリやレアケース扱いではなく、これが国民の食事の当たり前になっていったらまずいだろうということです。
天かすご飯が売れる時代の背景
ローソン「天かすご飯」登場で騒然!「弁当としては安い」「おかずがほしくなる」と様々な意見 コンビニで“ジャンクなズボラメニュー”が人気化する事情| マネーポストWEB https://t.co/d4E61S6N1m
— 畠中由宇・相互フォロー100% (@hata_follow) April 23, 2025
上のOGPによると、「天かすご飯」は、かつて“悪魔のおにぎり”としてヒットした商品にも通じる“ジャンクなズボラメニュー”です。
かつては家庭の残り物や節約メニューだったものが、今やコンビニの棚に並び、若者から「安くて美味しい」と支持されている現状。
その一方で、「家で簡単に作れるものに300円は高い」「同じ価格なら高級おにぎりを買いたい」といった否定的な声もあるといいます。
このような商品が登場し、一定の需要を得ている背景には、物価高騰と実質賃金の低下、そして生活の余裕が失われている現実があります。
実際、ニッセイ基礎研究所の調査によると、20~74歳の約8割が物価上昇の影響を家計に感じており、特に「食料」「電気・ガス代」「ガソリン代」で支出増を実感しています
物価高の家計への影響と消費者の要望-やむを得ず値上げを受け入れる素地の形成、企業には監視の目も|ニッセイ基礎研究所 https://t.co/dGt8bWmMwF
— 赤べコム (@akabecom) April 23, 2025
多くの家庭が支出を抑える工夫を強いられているのです。
数字で見る「貧しくなった日本」
ローソンが「天かすご飯」を商品化というニュースを見て感じるのは「日本の一般市民の暮らしは確実に貧しくなっている」という現実。
— 山崎 雅弘 (@mas__yamazaki) April 22, 2025
しかしメディアの報道は「賛否両論」という本質から目を逸らした傍観目線ばかり。一部の富裕層以外は貧しくなっている現実を意識させない。https://t.co/LTRWYltNgu
厚生労働省の調査によれば、日本の相対的貧困率は1985年以降、緩やかに上昇し続け、2021年時点で15.4%に達しています(https://gooddo.jp/magazine/poverty/asia_poverty/japan_poverty/4477/)
特にひとり親世帯の貧困率は44.5%と、半数近くが貧困状態にあるという深刻な状況です。
また、2024年~2025年にかけて実施された調査では、単身世帯の48.5%、ひとり親家庭の54.3%が貧困線(等価可処分所得127万円)以下で生活していることが明らかになっています(https://www.mottainai-shokuhin-center.org/2025/03/06/994/)。
物価上昇にもかかわらず、賃金は十分に上がらず、可処分所得は減少傾向。特に食料品の値上げは家計を直撃し、安価で満腹感を得られる商品への需要が高まるのは当然の流れです。
かつては“貧しさの象徴”だった天かすご飯が、今や「コスパの良い選択肢」として市民権を得ているのです。
「天かすご飯」が象徴するもの
天かすご飯の登場は、単なる節約志向や新しいグルメトレンドではありません。
これは、日々の食事にすら十分なお金をかけられない人が増えている現実の裏返しです。
かつては家庭の節約術だったものが、今やコンビニで「商品」として成立するほど、安価な食事へのニーズが高まっています。
この現象を「自己責任」や「時代の流行」と片付けてしまうのは危険です。
実際、子どもの貧困も深刻で、2021年の時点で9人に1人が貧困状態。
家庭の収入が少ないため、3食しっかり食べられない子どもや、給食に頼る家庭も少なくありません。
食事の質が下がれば、健康や成長、学力、将来の選択肢にも影響を及ぼします。
「普通の暮らし」が遠のく社会
「天かすご飯」のような商品がヒットする背景には、「普通の暮らし」がどんどん遠のいているという現実があります。
かつては当たり前だった「好きな具材のおにぎりを選ぶ」「おかずのある弁当を買う」といった日常のささやかな贅沢が、今では多くの人にとって手が届きにくくなっているのです。
また、ひとり親世帯や非正規雇用者、高齢者など、社会的に弱い立場にある人ほど貧困のリスクが高く、貧困の連鎖も指摘されています。
このままでは、格差が固定化し、「努力すれば報われる」という社会の前提すら揺らぎかねません。
おわりに
某コンビニでは、ご飯に天かすを混ぜただけの「天かすご飯」が税込み297円とか。商売の邪魔するつもりはないが、だったらもう少しだけ足して、339円で激安スーパー・オーケーストアの三元豚カツ丼を買いますけどね。#天かすご飯 #カツ丼 #かつ丼 pic.twitter.com/w9ciIUSs4T
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) April 23, 2025
ローソンの「天かすご飯」は、単なる新商品以上の意味を持っています。
安さと満腹感を求める消費者のリアルなニーズに応えた結果であり、日本社会の貧困化・生活苦の象徴とも言える存在です。
「天かすご飯が売れる時代」を他人事とせず、なぜこうした商品が必要とされるのか、社会全体で考え直すことが求められています。
食卓の風景から見えてくるのは、「豊かな国・日本」のイメージとは裏腹に、確実に貧しくなっている私たちの暮らしの現実なのです。
みなさんは、ローソンの「天かすご飯」、もう召し上がりましたか。

ローソン - 小川 孔輔
この記事へのコメント
テレビでは、ファストフードやチェーン店の料理を美味しいと言う芸能人たち
彼らにとっては、滅多に食べない物だから美味しいと思うんでしょうね
言い方を変えれば「お前らにはこんなに安くておいしい物が有るから
高級な料理は喰わなくても良い」と言ってるようにしか聞こえないのは、おいらがひがんでるせいでしょうか?
我が家は、朝ご飯にこれと同様なたぬきご飯おにぎりを作ったりして食べているので、家でこんなに簡単に作れるものが商品として販売されてるんだって思いました。
しかも、297円だったら、私もいっぷくさんと同じくもう少し足してオーケーのカツ丼の方を買います。
栄養的にも全然違いますよね。
でも、商品化されてるって事は、売れる展望があるって事ですよね。
ウケ狙いか?と思ってしまった天かすご飯、割高感があります。
でも、ありがたがられているのですね。
天かすおにぎり自体は好きで、何度か作ったことがあります。
そして、天かすご飯から見える貧困の問題。
とくに子どもたちの栄養不足が気になります。
バランスのよいごはんをお腹いっぱい食べてほしい。
最近はこども食堂などの活動も、広がりを見せていますね。
働き盛りの人や子供のいる家庭が大変になっている国。
これは政治の責任かと。
いま消費税減税が注目を浴びていますね。
成り行きを注視したいです。
ナイスです。
安い食事と言えば関西だと卵かけ定食(卵とごはん、みそ汁[お店によっては漬物])かな?280円くらい、スーパーだとLAMUでは198円で(3~4種類くらいの)弁当が売っています。
デフレ経済に陥ってからは皆さん財布の紐が固くなってしまいましたし、これから年金を受け取る世代は生涯働き続けないと生活が成り立たないと感じている方も多いので節約志向が高いのも、こう言った低価格の商品が出て来る要因かと思います。
こういう弁当に考えが及ぶ事が寂しい世の中ですね。
風の便りに私は聞いていて、ホントならとてもありがたいです。
当ブログでは時代のキーワードは二極化と述べていますが、初任給ですら二極化が始まりました。
初任給30万円と聞いたら驚く人もいるかもしれませんが、私でも初任給50万円には驚きを隠せませんでした。
もっとも競争率は600倍(2人採用に応募者数は1200人)だったそうです。
もっぱらセブンイレブンですが、
私だったら調理パン一個にします。
オーケーストアの「かつ丼」は、弁当ではコスパNo.1ですね。
最近、買った弁当はこれしかない気がします。
国民を貧乏にする政治屋の責任です。
掛けるおつゆのお味次第ですが、これって結構
美味しいでしょうね ( ^ω^)・・・
コンビニ覗くと、おにぎり.パン類 安くて150円位。
どんどん値上げの時代で、恐ろしい時代になってますね。
最後のOGPが、ちょっと唐突だったような印象を持たれるかもしれませんね。
1.日本が貧しくなった
とともに、
2.そもそもこの商品はコスパもよくない
ということを言いたかったのです。
たいした金額ではありませんが
認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン ひとり親家庭の子どもたちのために
毎月 寄付しています。 少しでも役に立てば良いと考えています。