若宮正子さん(90歳)「なぜシニアはスマホを使わないのか?」に答える

若宮正子さんが、アメリカ・アップルのCEOに招かれて、「なぜシニアはスマホを使わないのか?」と質問されたとの本人インタビューが話題です。若宮正子さんについては、以前著書をご紹介したことがありますが、62歳でパソコンを始めて、70代で『エクセルアート』を考案しました。

若宮正子さんは、1935年4月19日、東京生まれの現在90歳。
三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)に入行し、「女性社員は『女の子』扱いで、固有名詞では呼ばれなかった」時代に、ノンキャリながら本部の企画部に抜擢。
当時としては異例の昇進を果たし、定年まで勤め上げます。
定年退職後、パソコンを独学で学習し、パソコンのプログラミングができるようになります。
70代で、表計算ソフトのエクセルを使って図案を描く『エクセルアート』を考案。
81歳で、ひな人形を正しくひな壇に並べるiPhone用ゲームアプリ『hinadan』を公開します。
その実績から、米アップルのCEOティム・クック氏とより、世界最高齢プログラマーとして世界開発者会議に特別招待されました。
そして、NPOブロードバンドスクール協会理事、一般社団法人メロウ倶楽部理事に。
さらに、政府からの要請で、デジタル改革ワーキンググループのメンバーとして、平井卓也デジタル改革担当大臣(当時)のもとで仕事をしていました。
62歳でパソコンを始め、86歳で政府IT戦略の要人になった話 https://t.co/Jm3kflEnut
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) April 25, 2025
インターネットをはじめたのは、定年後の62歳だそうです。
第二の人生を始めようとしたときに、母親介護が始まったため、社会と切れてしまうことを心配した若宮正子さんは、独学でパソコンを始めます。
まだ、インターネットの前のパソコン通信の頃です。
スマホゲームのプログラムに興味を持ったのは80歳。
「またも独学ですよ。近所でプログラミングの本を買ってきてね。わからないところは若いお友達に聞くの。コンピューターの勉強は老若男女関係なし! 好奇心さえあればいいんですよ」
その若宮正子さんが、「シニアがスマートフォンを使わない理由」というインタビューに答えています。
アップルに招かれた当時のエピソードです。
シニアがスマートフォンを使わない本当の理由
“世界最高齢のアプリ開発者”若宮正子さん(90歳)、アップルのティム・クックCEOに「会いたい」と言われアメリカへ 「なぜシニアはスマホを使わないのか?」と聞かれて伝えたことhttps://t.co/0STcMbZT8O#インタビュー pic.twitter.com/xsJtG154Iu
— 介護ポストセブン (@kaigo_postseven) April 24, 2025
「それでCEOにお会いした時、「どうしてシニアはスマートフォンを使わないんだ」と聞かれたんですね。それで私は、年寄りは指先が乾いてるから、上からトンとつくのはやれるけど、スワイプとかは反応しない、と答えたんです。
CEOはその話を一生懸命聞いてくださいました。ただ、あれから8年ぐらい経ちますけども、iPhoneが高齢者にとって使い良くなったって話は聞いたことがありませんね(笑い)。」
要するに、シニアがスマートフォンを使わない本当の理由は、シニア向きのアプリがないことかもしれません。
私は、小さい画面が苦手なので、スマホは電話とLINE以外、自分からは使わないですね。
でも最近は、商店のポイントカードがウェブアプリのみになりつつあるので、そのときは仕方なく出しますが。
ただ、電子書籍を読むので、11インチのタブレットはいつも持ち歩いています。
シニアの皆さんは、いかがですか。
啓蒙はしませんが実践は尊重してほしい
若宮正子さんのポイントは2点あります。
1.定年すぎてからはじめても、新しいキャリアを作った
2.独学で成果を出せた
「自分は年だから」「学校に行ってないから」というのは、若宮さんにとっては決して自己実現の障壁にはならない、ということです。
さて、こういう記事については、往々にして、こんなコメントを書かれる場合があります。
「若宮さんは立派だが、なかなかできることではない。私は、気持ちだけはそうありたいと思っている」
若宮正子さんご自身は、それはもっとも望まないコメントかもしれません。
仏教では、日常的修行で、六波羅蜜という6つの教えの中の「正語(しょうご)」という実践が重視されます。
「正語」とは、嘘をつかない(不妄語)、悪口を言わない(不悪口)、仲違いさせる言葉を避ける(不両舌)、中身のない飾った話をしない(不綺語)など、言葉の使い方に関する教えです。
「気持ちだけはそうありたい」などと、実践する気もない口先だけの「決意」は、「綺語」そのものであり、自分の心に嘘をつくことになるので、おすすめしません。
べつに「高齢者はみな、若宮さんのようにヤるべきである」と啓蒙しているわけではないのです。
私が言いたいのは、定年すぎてからでも、若宮さんのような「第二の人生」もあるのだから、高齢者の頑張りをバカにしたり、嫉妬から悪口を言ったりするものではない、ということなのです。
「綺語」や、「嫉妬による悪口」をいうぐらいなら、ご自身でチャレンジしてみませんか、というのが若宮正子さんの気持ちだと思います。
私は、歳を言い訳にせずやりたいことに積極的にチャレンジし、しかも独学で結果を出す若宮さんは、これからの私自身の生き方のモデルだと思っています。
みなさんは、人生終盤にかかっても、こだわっていたい夢はありますか。

やりたいことの見つけかた-89歳、気ままに独学 (単行本) - 若宮 正子
この記事へのコメント
最近新しいことを始めるのが難しい自分がいます(^_^;)
スーパーのパソコン教室を覗いて一念発起・基礎だけ教室に通い
70歳で見よう見まねでブログを開設*なので古希を境にという題名で
今も綴っています、スマホはガラケイが終わると聞いて替えましたね(*'▽')
私もそれ同様、やっと昨年ガラケーからスマホに変えました^^;
でも、未だにガラケーの時と同じように電話とメールくらいしませんでしたが、最近になって漫画とか見たりするようになりました。
尤も、小さい画面なので、やはりタブレットの方が見やすいですが…
新しいことにチャレンジするには勇気が必要ですね。
自分も臆することなく、やりたい事が出来たらチャレンジしたいなと思います。
私は未だにガラケーです。
理由は必要な通信以外使わないからです。
そして経済的なので・・・
最近スマホでないと駄目という場面があって
いずれはそうしないと駄目かな~と・・・
nice!!!です。
見習うところが多いですね。
距離の逆2乗に比例し、至近で使う機器の健康への影響に
関して、常々警戒しているからです。逆2乗式の比例定数
だけに着目するweb上の議論は、おかしいです。
若宮さんを見習いたい!プログラミングなんかは出来ませんが、少しでも世の中に付いて行けるように私も新しい事に慣れて行きたいと思います。
お早う!
ナイスです♪
田舎でも 年配の方が 携帯で 決済されてると すごいなーー
と 思います 使いこなしております
今のスマホは使いづらい。だから使わない。
それだけです。
スゴイ方もいるもんだなぁと感心したものです。
勤めていた会社で社員にPCが配布されたのは1997年ころだと記憶していかすが、
きっとPCの機能の数パーセントしか使ってないんだろうなぁと思います。
私もスマホは簡単なゲームをやってるくらいです。
とくに入力はPCに慣れているので苦手です。
それ以外は使わなくなりました、視力が極端に衰えてきました
Seesaaブログも文字が小さいので、老眼鏡に天眼鏡を重ねて使っています
長年勤めていた会社が50歳の時廃業をしてから
独学と分からない所は友達に教えてもらい
なんとかパソコンは少しは使えますが、
スマートフォンは知り合いに見せてもらいましたが、
文字の小ささに諦めて
今でもガラケーです。
電話とメール以外使う事ないですからね。
スーパーレディだったんですね‼️
何事にもずば抜けていたんでしょう。
私はスマホも使っていますが、家では今でもデスクトップパソコンが中心です。。
PCもスマホもほんの少しのアドバイスで、次に進めるのですが、そこで教えてくれる人がいないと、にっちもさっちも行かなくなってしまい、嫌気が先に来てしまいます。指1本で先に進めるのに。
ほんのちょっと教えてくれる人。そんな人が近くに必要です。
ブログ箱庭「ツバメ」においで頂き、ありがとうございました。
若宮正子さんを見ると年齢なんか関係ないと思ってしまいます。