戦後史の激動

餃子に何をつけて食べますか？というアンケート結果から考察する『ハフポスト日本版編集部』（2025年5月3日更新）の記事が話題です。醤油、 酢+胡椒、ポン酢などがランクインしていますが、どの調味料をどう組み合わせるのかは人によって好みが分かれますよね。

アンケートの初出は、暮らしに役立つ情報メディア「さぶろぐ」です。

日本全国の10代以上を対象に「餃子に何をつけて食べる」についてのアンケート調査を実施。100人から回答を得て結果を発表しました。

「餃子に何をつけて食べる？」ランキング

1位　醤油＋お酢+ラー油
2位　付属の餃子のタレ
3位　ポン酢
4位　酢+胡椒
5位　醤油
6位　塩
7位　その他

となっています。「少し辛く、酸味もきいていて飽きずに食べ続けることができるから」「その日の気分や餃子の味で、酢を多めにしたりラー油を減らしたりと味を調整することができるから」などの理由が集まりました。

餃子には何をつけて食べますか??？

「ポン酢」や「酢+胡椒」より人気。

圧倒的支持を集めた組み合わせがコレだ?? https://t.co/4MPW4kxz3A

— ハフポスト ライフ （@HPJPLifestyle） May 3, 2025

ということで、今日は餃子について少しだけ深堀りしてみます。

餃子の起源と歴史的背景

餃子の起源は諸説ありますが、最も一般的な説では中国の春秋時代（紀元前6世紀頃）に遡るといわれています。

当時の山東省で誕生し、敦煌の唐代の遺跡からは餃子が食べられていた痕跡も発見されています（Wikipediaより）。

さらに古い説では、紀元前3000年のメソポタミア文明の遺跡から、小麦粉を具で包んで食べていた形跡も見つかっているそうです（新和皮革より）。

このように、「皮で具材を包む」という調理法は、人類の食文化において非常に普遍的なものだったことが伺えます。

日本で本格的に餃子が広く普及したのは、実は第二次世界大戦後のことです。

特に中国の東北地方（旧満州）から引き揚げてきた日本人によって伝えられ、日本独自の「焼き餃子文化」が発展していきました（モランボンより）。

日本と中国の餃子の違い

同じ餃子でも、日本と中国では大きな違いがあります。

1. 調理法の違い
最も顕著なのは調理法の違いです。日本では「焼き餃子」が一般的ですが、中国では「水餃子」や「蒸し餃子」が主流です。中国では焼き餃子は水餃子を焼き直した程度の認識で、本格的な焼き餃子文化は日本で発展したものと言えます（全中連より）。

2. 食べ方の違い
中国では餃子は主食として位置づけられていますが、日本では副菜やおかずとして食べられています。そのため、中国の餃子は皮が厚くモチモチしていて、皮自体の味わいも重視されています（イートアンドより）。

3. 食材と味付けの違い
日本の餃子はニンニクが入っているのが特徴的ですが、中国の地域によってはニンニクを入れないところもあります。また、日本ではタレをつけて食べるのが一般的ですが、中国の一部では卸したニンニクを添えて食べたり、そのまま噛んで食べることもあります（湯浅醤油より）。

実は餃子は「完全栄養食」だった

餃子は「ほぼ完全食」とも言われることがあります。その理由は、バランスの良い栄養素が含まれているからです。

炭水化物:皮に含まれる
タンパク質と脂質:ひき肉の餡に豊富
ビタミンとミネラル:キャベツやニラなどの野菜に含まれる
特に注目すべき栄養素と効果としては:

ビタミンB1:豚肉に多く含まれ、糖質の代謝を促進し、エネルギーを作り出すために必要です。また、神経系の働きを正常に保つためにも重要です。

食物繊維:餃子の皮に含まれる食物繊維は、胃腸で水分を吸収して膨らむため、満腹感を得やすくなります。食べ過ぎを防ぎ、ダイエットにも効果的です。

ビタミンC:餃子に含まれるビタミンCには美肌作りに欠かせないコラーゲンの生成を助ける働きや、シミやソバカス、シワや肌荒れ、ニキビの炎症などを防ぐ効果があります。

ただし、餃子だけでは量的な栄養は完璧とは言えません。

カルシウムやたんぱく質が不足しがちなので、カルシウムが豊富な海藻類や、たんぱく質が豊富な豆類などを汁物や副菜として取り入れるのがおすすめとされています。

日本の餃子文化と人気

＼ 3月8日は 「ギョーザの日 」?? ／

皆さん餃子に何をつけて食べますか？
おすすめの食べ方教えてください???♀??? pic.twitter.com/1cb3O4884A

— もな@エムピーキッチン広報 （@mona_mpkitchen） March 8, 2025

我が国の餃子の名産地というと、私が思い浮かぶところを調べてみました。

1. 宇都宮餃子（栃木県）
宇都宮餃子は一般的な焼き餃子の形である「半月形」で、1個あたりは比較的小ぶりで軽めのサイズです。宇都宮みんみんの餃子は1人前6粒で120gと言われており、一口で食べられるサイズが特徴です。皮も薄めで軽いため、食べ歩きにも適しています（https://note.com/cuirepo_gyoza/n/n69ddddad0f4c）。

2. 浜松餃子（静岡県）
浜松餃子も基本的に半月形ですが、フライパンで丸く並べて焼かれるのが特徴です。サイズ感は標準的で、具材にはキャベツが多く使われ、茹でもやしと一緒に提供されるのが特徴です[餃子工房こがねより]（https://www.karittogyoza-kogane.com/blog/wp/2022/02/02/04/）。

3. 博多餃子（福岡県）
博多（福岡）の餃子は「一口餃子」とも呼ばれる小さめのサイズが特徴です。薄皮でパリッとした食感を持ち、一口で食べられるサイズのため「ひとくち餃子」とも呼ばれます。熱々の鉄鍋に丸く並べられて提供される「鉄なべ餃子」も博多の特徴です[原口餃子庵より]（https://original-gyoza-an.com/2020/01/31/%E3%81%93%E3%82%93%E3%81%AA%E3%81%AB%E3%81%82%E3%82%8B%E3%81%AE%EF%BC%81%EF%BC%9F%E5%85%A8%E5%9B%BD%E3%81%94%E5%BD%93%E5%9C%B0%E9%A4%83%E5%AD%90%E5%A4%A7%E5%85%AC%E9%96%8B%EF%BC%81/）。

4. 福島餃子（福島県）
福島の餃子は「円盤餃子」と呼ばれる独特の形状が特徴で、フライパンの形に合わせて丸く餃子を敷き詰め、そのままひっくり返して盛り付ける円盤型の餃子です。平均20グラムの小ぶりな餃子が1皿に20～30個ほど並ぶのが特徴です[note]（https://note.com/cuirepo_gyoza/n/n69ddddad0f4c）。

5. 津餃子（三重県）
津餃子は直径約15センチもある大きな皮を使用した揚げ餃子で、通常の餃子と比べて非常に大きく、インパクトのある見た目が特徴です。一般的な餃子の約5倍のサイズがあり、1人1個でも満足できるほどの大きさです[原口餃子庵より]（https://original-gyoza-an.com/2020/01/31/%E3%81%93%E3%82%93%E3%81%AA%E3%81%AB%E3%81%82%E3%82%8B%E3%81%AE%EF%BC%81%EF%BC%9F%E5%85%A8%E5%9B%BD%E3%81%94%E5%BD%93%E5%9C%B0%E9%A4%83%E5%AD%90%E5%A4%A7%E5%85%AC%E9%96%8B%EF%BC%81/）。

6. ホワイト餃子（千葉県）
千葉県野田市発祥のホワイト餃子は、丸みを帯びたフォルムが特徴的です。焼き方も特殊で揚げ焼きにされており、焼き目はザクザク食感、裏面はもちもちとした食感を楽しめる二つの食感が楽しめるのが特徴です[noteより]（https://note.com/cuirepo_gyoza/n/n69ddddad0f4c）。

そういえば、長崎ちゃんぽんのリンガーハットで提供される餃子はパリッと薄皮の「ひとくち餃子」ですね。同じ九州だからかな。

みなさんは、どの餃子を、どんなふうに召し上がりますか。


広がれ! 餃子キングダム （NHKテキスト） - パラダイス山元