池上本門寺奥庭「松濤園」一般公開

池上本門寺の松濤園(しょうとうえん)が、今年も3日間限定で6日まで公開されます。普段は入れない庭園で、池泉回遊式の美しい景色を楽しむチャンス。1936年(昭和11年)に東京都旧跡に指定されましたが、普段は非公開です。ゆったり歩くだけでも心が整う場所です。

日蓮宗は、身延山久遠寺(山梨)に総本山があり、東京大田区にある池上本門寺(東京都大田区)は宗務を司る大本山だそうです。
私は日蓮宗の信徒ではないので独自解釈ですが、総本山は会社で言えば「代表取締役」、大本山は「全部署担当取締役の創業者」といったところでしょうか。
日蓮宗は、対立関係にある宗派が統一されたもののため、対立関係にあった由緒ある寺院をそのように位置づけ、バランスをとっているようです。
さて、その池上本門寺の境内地には、北側に朗峰会館という、結婚式場やレストラン等の入った複合施設があり、

会館内には松濤園という庭園があります。
桂離宮の建築と造園で名高い小堀遠州により作庭されたと伝えられる、約1万3000平方メートルの池泉回遊式庭園です。
普段は一般非公開なのですが、この連休中は、庭園の見学ができ、本門寺学芸員の解説と僧侶による法話が行われています。
池上本門寺の説明によると、松濤園は池上本門寺の旧本坊奥庭として、小堀遠州の作庭により、遠州茶道の極意を更現して渓流と池を回遊する庭園としたそうです。
朗峰会館に入ると、案内図と、帰るときに提出するアンケート用紙をいただきます。そして庭園見学。
正面は池です。

池には、小さな島と石もありますが、これは亀島と鶴石と呼ばれています。

理由は、それぞれ亀と鶴に似ていて、鶴と亀は縁起がいいからだそうです。
僧侶が説明しています。「池は窪地にできているので、周囲の民家などが見えないようになっているのです」

会見の碑。西郷隆盛と勝海舟が、松濤園内の四阿(あずまや)で江戸城無血開城の話し合いを行った記念の碑です。

慶応4(1868年)年3月、新政府軍の参謀・西郷隆盛と、徳川軍の勝海舟が、松濤園内の四阿(あずまや)茶室浄庵で江戸城無血開城の話し合いを行った場所であり、記念の碑もあります。
ここで話し合いが決裂していたら、歴史は変わったかもしれない、という話です。
江戸城無血開城について
#池上本門寺 の奥庭「#松濤園」が
— Mr.にゃんちゅう (@mr_nyancyu) May 5, 2025
年に一度公開されるということで行って来ました
今年は5月4~6日の3日間だけ
小堀遠州によって作庭されたという池泉回遊式庭園
それも谷筋に造られ、高低差がかなりある地形
西郷隆盛と勝海舟の江戸城無血開城の会見が
行われた場所で石碑が建っています(4枚目) pic.twitter.com/xBi3Mt8Sfu
江戸城無血開城は、明治維新の過程で新政府軍と旧幕府軍との間で行われた交渉の結果、武力衝突を避ける形で江戸城が明け渡されたことを指します。
この出来事は、戦争を回避し、平和的な政権交代を実現する上で非常に重要でした。
西郷隆盛は、新政府軍の指導者として、勝海舟は旧幕府側の代表として、松濤園のあずまやで会談を行いました。
松濤園は、静かな環境と美しい景観を提供するため、会談に適した場所でした。
西郷と勝の会談は、江戸城の明け渡しに向けた重要な交渉であり、松濤園のあずまやはその歴史的な瞬間を象徴する場所となっています。
松濤園は、今でもその歴史を伝える重要な文化財として、多くの人々に親しまれています。
歴史を感じながら、東京都内とは思えない緑豊かな庭園を歩いてみたいと、毎年多くの人が訪れます。
都営浅草線、西馬込駅から徒歩10分、東急池上線池上駅からは15分ぐらいだと思います。
いかがですか。歴史、とくに明治維新に関心ありますか。
池上本門寺の“ご当地”商品は……
馬込三寸にんじんまんじゅう、於馬込文士村商店会御菓子司わたなべ 「品種改良によって生まれた約10cmの馬込大太三寸人参をすりおろし、白餡に混ぜたお饅頭」(大田観光協会)です。「平成24年度おおたの逸品」選定だそうです。 pic.twitter.com/lIzrCLEMdV
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) December 30, 2024
池上本門寺だから、最寄りの駅は東急池上線池上駅、と思われがちですが、都営地下鉄浅草線の西馬込駅がすぐ近くにあります。つまり都心まで一直線です。
ご当地名物もご紹介します。
馬込三寸にんじんまんじゅうです。
大田区馬込というと、高級住宅地のイメージや、馬込文士村などが有名ですが、実は昭和の初め頃、ニンジンを改良して、ずんぐりした朱色のニンジンを開発しており、それが名物になったそうです。
馬込三寸にんじんをすりおろして、白あんの中に練り込んだのが馬込三寸にんじんまんじゅう。

食べた感じでは、にんじんを全く感じません。
にんじん嫌いの人でも、抵抗なく食べることが出来ると思います。
馬込文士村といえば、大田区北部のJR大森駅西口から、都営地下鉄浅草線西馬込駅までの一帯にある、文学史上近代(明治から昭和前半)に活躍した作家・哲学者・画家などの邸宅を、記念館として残したり記念碑を建てたりした散策コースです。https://t.co/b0dvXwvlHR #大田区 #馬込文士村 pic.twitter.com/89cOlogq47
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) May 9, 2024
池上本門寺、松濤園、馬込文士村をまわり、おみやげに馬込三寸にんじんまんじゅうを買って帰る。
連休最終日の散策コースにいかがでしょうか。

江戸無血開城: 本当の功労者は誰か? (歴史文化ライブラリー 470) - 岩下 哲典
この記事へのコメント
庭は手入れしないとあっという間に荒れるし、庭の素晴らしい眺めや枝ぶりは何十年、何百年の歳月で出来上がる物なだけに、大事にしたいですね。
馬込三寸にんじんまんじゅうも興味あります。人参を擦って入れるという饅頭にも興味あります。
すごく広いお寺なのですね。
都内に、こんな京都とか奈良みたいなお寺があるなんてびっくりです。
松濤園も見どころ満載ですね。
普段、非公開なのがもったいないくらい…
馬込三寸にんじんまんじゅう、結構大きそうで食べ応えありそうですね^^
池上本門寺に行ってにんじん饅頭も堪能したいですね。
身延駅は田舎の駅には不釣り合いな2面3線の立派なホームやキレイに整備された駅前出入口が有りますね。
全国より信者が臨時列車に乗ってこの駅から久遠寺を目指しました。
西馬込と言うと京成を利用して東京(成田)から埼玉へ戻る際に良く見かける駅名、この最寄り駅に池上本門寺が有るなんて知りませんでした。
江戸無血開城は地方の戊辰戦争で血で血を洗う戦いとは対照的で画期的な事でしたね。
にんじんまんじゅうは美味しそうですね、参道で○○祈祷済みと書かれたまんじゅうが売られているとついつい買ってしまいます。
御紹介どうも有難うございます。
日本庭園見事です。
馬込三寸にんじんまんじゅう、食べてみたいです。
人参まんじゅう興味津々。
よく成し遂げたと思います
もちろんこの二人の活躍で明治維新・江戸城の無血開城が実現したわけですが、
個人的には徳川慶喜の存在も無視できないと思っています。
なかなか行く機会ないですね。
素敵なところですね・・・
近ければ出掛けて撮り歩いてみたいです・・・(^-^)!!
池上本門寺の松濤園、3日間限定の庭園は珍しいですね。
歴史にはかなり弱いですが
「馬込三寸にんじんまんじゅう」食べたくなりました。
梅園には何度かゆきましたが、庭園のことは知らずに残念でした
新幹線の窓から、あれが本門寺かなと思い眺めていました
GWは旅行に行く人は半数しかいないそうです。
旅行にはお金がかかるからでしょう
大昔、西馬込に住んでいた時に1度だけ訪れたことがあります。
ここで無血開城の会談が行われていたとは知りませんでした(^^);