「天下一品」首都圏で店舗閉鎖が相次ぐ ~こってりラーメンの名店が直面する現代の飲食業界の現実~

「こってりスープ」でおなじみのラーメンチェーン「天下一品」が、首都圏で次々と店を閉めていると聞いて驚きました。東京や神奈川、埼玉の10店舗が2025年6月末で閉店するそうです。新宿や渋谷、池袋など、よく知られた駅前の店も含まれています。
なぜ今、天下一品は店を閉めなければならないのでしょうか?
天下一品ってどんなお店?
【悲しむ声】「天下一品」首都圏で閉店ラッシュ、6月末で10店舗閉店https://t.co/qBfoNGtcLA
— ライブドアニュース (@livedoornews) May 16, 2025
渋谷店、新宿西口店、池袋西口店、田町店、目黒店、吉祥寺店、蒲田店、川崎店、大船店、大宮東口店が6月30日で閉店。首都圏の店舗の3割近くが閉店するが、運営会社はその理由について明らかにしていない。 pic.twitter.com/XTAnm4lcDW
天下一品は1971年に京都で生まれたラーメンチェーンです。
2025年5月現在、全国に209店舗があるそうですが、そのうち首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)には34店舗あったのです。
天下一品と言えば、何といってもあの濃厚な「こってりスープ」が特徴です。

創業者の木村勉さんが3年9ヶ月もかけて完成させたというこだわりのスープで、鶏ガラと11種類の野菜を使って作られます。
1日に工場で使用する鶏がらの量は、およそ16,000kgにも及びます。
見た目はとろ~りと濃厚で、まるでポタージュスープのようです。
でも、食べてみると意外と重くなく、野菜のうまみが効いているのが分かります。
専門家からも「あれだけ濃いのに重く感じないのは野菜の力だ」と評価されています。
なぜ今、店を閉めるのか?
ショック! #天下一品 #川崎店 #閉店 のお知らせが!
— Keiji Andy Higashi (@i0sl) May 7, 2025
まあ、#ともちんラーメン に客が流れたんだろうな、そりゃ客には面倒でしかない #QRコード注文 は導入するくせに手数料がかかる電子決済には一切対応しないし、店側の都合の改悪ばかりしてるわ値上げもひどいわ、当然かもなww pic.twitter.com/1p8KmDCV2F
2025年6月末に閉店するのは次の10店舗です。
渋谷店
新宿西口店
池袋西口店
田町店
目黒店
吉祥寺店
蒲田店
川崎店
大船店
大宮東口店
調べたところ、2024年にも6店舗が閉店していて、2年連続で店を減らしているのです。
運営会社は「コメントしない」としていますが、専門家の話によると、主な理由は次のようなことが考えられます。
1. フランチャイズ契約の問題
閉店する店の多くは「エムピーキッチン」という会社が運営していました。
この会社は「三田製麺所」というつけ麺チェーンも経営していて、天下一品よりもつけ麺店の方が儲かるため、店の種類を変えているようです。実際、去年閉店した店舗のいくつかは三田製麺所に変わっています。
2. 経営コストの上昇
天下一品の自慢のスープは、たくさんの材料と手間がかかります。最近の食材価格の高騰で、これまで通りの品質を保ちながら利益を出すのが難しくなっているのではないでしょうか。
3. 駅前の高い家賃
閉店する店はほとんどが駅前の一等地です。こうした場所は家賃がとても高く、売上が少しでも減るとすぐに赤字になってしまいます。
4. キャッシュレス対応の遅れ
今どきはスマホで支払いをする人が増えていますが、天下一品の多くはまだ現金しか使えません。これでは若いお客さんや外国人の観光客を取り込むのが難しいでしょう。
5. 値上げの限界
天下一品の「こってり並」は現在940円です。ラーメンには「1000円の壁」と言われる心理的な価格の限界があり、これ以上値上げすると客が減る心配があります。
飲食店が今抱える問題
こうしてみると、天下一品の閉店は、日本の飲食業界全体が直面している問題でもあるように思います。
1. 人手不足
東京商工リサーチによると、2023年度の飲食業全体の倒産は930件で過去最多を更新し、このうち「人手不足関連倒産」は57件と報告されています。この57件は、飲食業における人手不足が直接的な原因で倒産に至ったケースを指します。
飲食店の仕事はきつい、休みが少ない、給料が安いというイメージがあり、人が集まりにくくなっています。
2. 物価高によるコスト増
近年、食材費、光熱費、人件費などすべてのコストが上がっています。しかし、客の懐も厳しいので、値上げばかりもできません。
3. 客の外食回数減少
物価高の影響で、外食を控える人が増えています。特に家族連れや若い世代の節約傾向が目立ちます。
4. 高級店と安い店の二極化
中間の価格帯のお店が苦戦しています。客は「ちょっと贅沢」か「安くて早い」かのどちらかを選ぶ傾向が強まっています。
天下一品はなくなるのか?
今回閉店するのは首都圏の一部の店舗で、公式サイトによれば、以下の店舗はこれまで通り営業を続けます。
神田店
秋葉原店
上野アメ横店
中野店
高円寺店
立川店
八王子店
など
全国にはまだ209店舗あり、運営母体である天一食品商事を含むグループ5社の売上高は、2022年度に95億8,900万円、2023年4月期で115億3700万円と、回復基調にあったとの報道もあります。
今回の閉店は経営戦略の一環と考えられます。
天下一品のあの独特な味は、今でも多くのファンに愛されています。テレビで「天一芸人」と呼ばれる有名人が紹介していたこともあり、「ラーメン界の異端児」として強いブランド力を持っています。
これからの飲食店に必要なこと

天下一品のような伝統のある店でも、時代の変化に対応していかなければならないということですね。
天下一品の閉店ニュースは、単に「あの店がなくなる」という話ではありません。日本の飲食文化が転換期を迎えていることの表れです。
私たち消費者も、ただ「安いものがいい」「早いのがいい」と求めるだけでなく、良いものを作り続けるお店を応援する姿勢が大切かもしれません。
次に天下一品に行く時は、あのこってりスープの味を、いつまでも残してほしいという思いを込めて味わいたいと思います。
飲食店を経営する方々には、大変な時代ですが、天下一品のように「これだけは誰にも負けない」という強みを見つけて、乗り切ってほしいと願っています。
天下一品、行かれたことはありますか。

サッポロ一番 名店の味 天下一品 京都濃厚鶏白湯 袋麺 105g ×10個
この記事へのコメント
来来亭にシフトしたおいら^^;
過去にも、天下一品さんには行ったことがないです^^;
大企業の賃金アップはニュースで流れていますが、賃金のあまり上がらないサラリーマンにとって一食1000円は高すぎるのではないでしょうか。
ラーメンはほとんど食べませんので天下一品は行ったことありません。
nice!です。
糖尿病だというのと、外食しないので、これからも食べる機会には恵まれないでしょう!
には記憶が薄いです。美味しい店が少なくなるのは残念ですが、
コロナが響いてしまったのではないかとも、懸念されますね。
名前はどなたかのブログで知っていましたが、このお店は
残念ながら横須賀には見当たりません (´・ω・`)
全国的に名の知れた有名チェーン店ですよね。
今のご時世、どの企業も、とくに飲食店は厳しい状況のようですね。
何時も有難う♪
ナイスです。
もちろん当時は「こってり」で^^
昔ながら味を守りつつ全国展開のためにはコストを抑えなければならない・・難しいのでしょうね。
もう年を取りましたので、今はこってりより透明なあっさりスープのラーメンが美味しく感じるようになりました。
天一にはご無沙汰しています。
今後は、大きなチェーン店でも経営難が続きそうな気がしますね。
人手不足、材料費値上げ、外食減り どれも問題ですね。
その頃の天一は店でスープを仕込んでいたために臭いが強烈で友達がバ○ラーメンて言ってました~(^^)
こってりは苦手でした。
まだまだ頑張ってほしいです
知らなかったです。
当然のことながら行ったことがないです。
そうなんですね。
天下一品そういえば見なくなりましたね。
nice!です!!!
天下一品、名前はよく聞くけどまだ行ったことない。。
濃い系のラーメン好きなので次に秋葉原に行った時に食べてみようと思います。
若い頃はあのこってりスープが好きでしたが病を患ってからはあっさりに変わったのですが物足らなさと言うか味に深みが無く、あっさりしつつもコクの有る神座に行ったり少しコッテリが欲しい時は横綱に行く事が多くなりました。
又、駐車場が無い店舗も多く、 逆に神座やラーメン横綱は郊外店で大型駐車場が有る店舗が多いので利用し易い部分も有るかと思います。
スガキヤラーメン~~