組み体操ーー「感動」の裏に潜む深刻なリスク

運動会の花形種目として長年親しまれてきた組み体操。しかし、近年その危険性が社会的に大きく問題視され、各地の自治体や学校で制限や全面禁止の動きが相次いでいるはずです。にもかかわらず、まだ行われていることが話題になっています。
まだ絶滅したわけではないらしい組み体操
小学校の運動会といえば、未だに行われている組体操
— 激バズ3rd (@gekibnews) May 24, 2025
2018 年度の小中学校の負傷人数は 3891 件で、骨折人数は 986 件、負傷人数が4人に1人の割合で骨折
この動画でも、下から6段目の男子生徒が右腕骨折の大怪我、5人が軽い怪我をした
これでも組体操って必要だと思う?
pic.twitter.com/3xMn3UcoF5
今日、Xに、このようなポストがあり、リプライが相次ぎました。
Facebookにも。
たしか、2016年以降、文部科学省が事故防止の徹底を通達したと認識していましたが、未だに行われているんですね。
「日本スポーツ振興センターのまとめでは、組体操による災害共済給付医療費の支給件数は16年度に8592件だったのに対し、昨年度は4146件に減っている。」(https://tanba.jp/2019/09/%E3%80%8C%E7%B5%84%E4%BD%93%E6%93%8D%E3%80%8D%E6%B8%9B%E5%B0%91%E5%82%BE%E5%90%91%E9%A1%95%E8%91%97%E3%80%80%E7%8F%BE%E5%A0%B4%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%A0%E8%B3%9B%E5%90%A6%E3%80%8C%E9%81%94%E6%88%90/)
「通達」が出ているのですから、「減っている」ではなく、きれいさっぱり取りやめにすべきではないでしょうか。
組体操が行われている背景
運動会での組み体操の禁止:賛成ですか?反対ですか? | 最新事例研究 | ディベート教育 https://t.co/yfHDzQR4FQ
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) May 24, 2025
組み体操の現状と事故の実態
組み体操がどれほど危険な種目であるか、AIアシスタント(perplexity)を使って事実を整理します。
たとえば大阪府八尾市の中学校では、わずか3年間で8人が骨折する事故が発生。全国的には平成25年度だけで小中高校合わせて8000件を超える組み体操事故が報告されており、1969年度以降では死亡9件、障害が残ったケースも92件に上ります。
特に巨大なピラミッドでは、土台となる児童生徒に200kgを超える負荷がかかる場合もあり、これは「自分の体重の4倍を背負う」異常な状況です。
組み体操の「感動」と教育的意義は本当に必要か
組み体操の存続を主張する側は、「感動」や「信頼関係の醸成」「心の成長」などの教育的意義を強調します。
しかし、そのために多くの児童生徒が骨折や重度障害、最悪の場合は命を落とすリスクを負う必要があるのでしょうか。
組み体操の「感動」は、子どもたちが大きな危険を乗り越えて初めて成立するという構造的な問題があります。
これは「感動のために危険を強いる」ことに他なりません。
スポーツには危険がつきもの?
組み体操の危険性は他の球技や体育種目と比べても特異です。
組み体操では、体幹や頭部、頸部といった「重大事故につながりやすい部位」の負傷が多いことが明らかになっています。
たとえばバスケットボールでは手指の負傷が多いのに対し、組み体操では骨折や脊髄損傷、頭部外傷など、命や将来に関わる重篤な事故が多発しています。
しかも、組み体操は「強制参加」が一般的で、子ども自身が危険を選択できないという点でも問題です。
指導現場の限界――安全管理は現実的か
組み体操の事故を減らすために「安全管理の徹底」「段数の制限」などの対策が講じられてきましたが、現場の教員には限界があります。
教員は専門的な安全管理の知識や経験を十分に持ち合わせているとは限りません。
練習や本番で数十人の子どもを同時に監督しつつ、事故を完全に防ぐことは極めて困難です。
また、事故が起きた際の責任は、現場教員に重くのしかかります。組み体操の指導は、教員にとっても大きなリスクです。
なぜ危険性を軽視する学校や教師がいるのか
運動会は学校の「顔」とも言えるイベントであり、教師は保護者や地域社会からの期待やプレッシャーを強く感じています。
とくに、組体操は、団結力や達成感、協力の大切さを学ばせる「教育的価値」や、運動会を盛り上げる「感動」を生む伝統的な種目として位置づけられてきました。
その中で「見栄えの良い演技」や「他校との差別化」を意識しすぎるあまり、安全よりも演出や伝統を優先してしまうことがあります。
そのため、教師や学校側が、「多少のリスクは許容される」「危険を乗り越えることこそ成長につながる」といった価値観に縛られやすく、危険性そのものを軽視する傾向があります。
その一方で、事故が発生した場合の責任回避や、組体操の危険性を認めることで自身の指導力や管理能力が問われることを恐れる保身から、問題と向き合うことから逃げる心理も働くようです。
組体操から逃れるにはどうしたらいいか
組体操で重い後遺障害、非合理な教育は拒否する勇気も必要 https://t.co/L9lIRzcPBg
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) May 24, 2025
組体操の参加を断れない状態なら、事を荒立てて、教育委員会に訴えることは有効な手段の一つだと思います。
また、保護者同士で連携し、集団で要望を出したり、子どもの権利擁護委員や弁護士、教育問題に詳しいNPOなどに相談することで、法的観点からのアドバイスや、具体的な対応策を得られる場合があります。
そして、相談や要望の際には、やりとりの内容を記録・保存しておくと、後々のトラブル防止や証拠として役立ちます。
まあ、これはいじめなどでも使えることですけどね。
「事を荒立てて居づらくなったら困るから……」なんて目先のことを考えて躊躇して、事が起きてしまったら、そのためらいも責任が生じることになります。
該当する年齢のお子さんを育てておられる方は、ごく一部かもしれませんが、「感動」とは何かということをお考えいただきたいと思い、記事に取り上げてみました。

人間ピラミッド、何のため? ショー化する運動会にNO (朝日新聞デジタルSELECT) -
この記事へのコメント
ありがとうございます!
nice!です!!!
>2025年05月24日 23:24
>いっぷくさんが、組体操反対に賛成とは思いませんでした。
itomakiさん、これは賛成派と反対派が対等に議論する話ではないんです。
9年も前に危険だからという結論が出て「通達」となっているのに、なぜ守られていないのか、という話なのです。つまり行われていること自体が通達違反なのです。
そもそもたかが学校の1日行事で、子どもが人生を棒に振る障害者のリスクを背負ってもいいなんて、普通は見合わない話だと思いますけどね。障害者になることを甘く見過ぎじゃないんですか。
中学の時、女子はダンスだったので…
確か、中学の時練習時に肩を骨折した男の子がいましたが、当日止めることなく組み体操は演目に入っていました。
騎馬戦は危ないからって理由で無くなっていた割に、何故か組体操はずっとやってました。
花形の演目かもしれませんが、怪我の事を考えると学校や教育委員会に働きかけて止めてもらうのが一番かもしれませんね。
訓練されたチアリーダーとかでも危なそうに見えるのに
そうですね。
精神と肉体ですが。
難しい問題だとは思います。
精神と肉体は鍛えてしかるべきものだと思いますが
無理し過ぎは良いと思いません。
何事も基礎が大事で、基礎が出来ていないのに無理をしても
良い結果は得られません。
何でも危ない危ないでは、危ない事が学べません。
木に登ったら落ちるから辞めなさい。
刃物は危ないから使ってはいけませんと、ダメダメでは
危ない事も学べません。
今の状況では、文化省から廃止の通達があるのですから
学校としては行ってはいけない事になっていますから通達違反になります。
行なうなら行える事を元にして、先ず、通達の破棄を訴えて通す必要が
あると思います。
其れには児童の安全保障が必要ですね。
基礎体力作りにしても、人様々で違いが在ります。
アレルギー疾患があれば皆と同じものは食べられません。
幾ら素晴らしい事でも、皆が出来るとは限りません。
気持ちだけで出来ればそんな素晴らしい事は無いのですが・・・。
命が一番大事ではないでしょうか?
私は女子校でしたので経験もないです。息子たちのときはやったのか覚えていません。多分していないと思います。
学校もリスク管理に大変でしょうから。
nice!です。
見栄とか、他者の感動とか、どうでも良い気がします。
危険というデータがあり、事故の責任が取れないのならば子供たちのことを最重要視して考えるべきでしょう。
組体操、身体が硬くて重い大人がやったらケガ人が10倍くらいになるでしょうね
>「他校との差別化」
が理由なら大人(学校)の自己満足ですし
>「見栄えの良い演技」
が理由なら、某独裁国家や某宗教団体がマスゲーム大好きだったことを連想してしまいます
組体操で感動とか言ってる人が勘違いしてるのは最近のチアリーディングみたいな見栄えを期待してんのかも知れないんじゃ無いかね、あれとんでも無い訓練の賜物よ。
それをたかが運動会で再現するのは無理がある、ありすぎる。
何よりも組体操って結局一番上の子がヒーローじゃんよ、怪我云々の前に土台達の子の気持ち考えた事あるのかよと言いたい、社会の縮図が結局学校にも浸透しきってる証拠。
今考えるとピラミッドの最後に一斉に崩れるのはたしかに危険かも。
これだけけが人が出ているとなると運動会の意味を再考して、
実施の可否をよく吟味する必要がありそうです。
途中のお写真にあるような10段ものピラミッドは
私が見ても危険極まりないです❗
事故が起きると何もかも中止、することが極端過ぎます。
体操部の選手がやるなら大丈夫かもしれませんが、運動が得意な子、苦手な子、全員参加でやらせるのは危険ですね。
安全に指導できる先生がいるのかどうかも大いに疑問。
危険をおかしてまでやる理由がみつからず、感動の押し売りなら勘弁願いたいです。
最近の子は体力不足なんでしょうか?
確かにリスクを伴う競技でもあり、難しいですね。
生徒たち本人も、怖くてやりたくない子が多いんじゃないかなぁ。
教師だって、指導したり怪我をさせないようにしたりするのが大変だろうし、生徒たちに何かあったらと思うと恐怖でしかないですよね。
自分が生徒本人だったら絶対にやりたくないし、教師だとしたら指導したくないし、もし自分に子どもがいたらさせたくないです。
教師の言うこと、指示はあまり聞かない方がいいと思います。
経験上。道徳観とか法令遵守を放棄するという意味ではなく、
学校というのは社会から隔離された価値観で動いていることが多い。。。
事故や問題が起きると、隠す、ごまかす、自己保身にはしる、
そんなのばかりですね、報道を見ていると。
いるようです。
怪我をしたということが原因かと。
以前はどこでも見られたと思いますが
やはり組体操危ないと思っていました。
高学年になればなるほど
変換がおかしいですね。
SSと違って気が付いても治せないのが
残念です。中止と書いたつもりが・・・
でも私の学校ではやったことがないですね
人間の五感が 衰えそうです・・・そんな不安な社会に
大人がしてるんですね
本当に下の段の生徒の負担を思えば、あんなに高く迄組むことは
教育って本当に難しいですね。