1971年の青春が甦る!伝説の学園ドラマ「おれは男だ!」がYouTubeで期間限定公開中

1971年から1972年にかけて日本中の若者たちを熱狂させた伝説の青春ドラマ『おれは男だ!』。この昭和の名作が、令和の今、松竹の公式YouTubeチャンネル「松竹シネマPLUSシアター」にて毎話2週間限定で無料公開されています。
なんと初出から半世紀ですよ。

DVDより
時代を超えて愛される本作の魅力、時代背景、そして今だからこそ感じる“青春の輝き”を、たっぷりとご紹介します。
時代を切り開いた画期的な学園ドラマ
『おれは男だ!』は、津雲むつみ原作の同名漫画をもとに、森田健作を主演に迎えて1971年2月から1972年2月まで全43話が放送された青春学園ドラマです。
それまでの学園ドラマといえば、教師が主人公で生徒たちの成長を見守るという構図が主流でした。
しかし、『おれは男だ!』は、生徒たち自身が主役。
しかも、1970年代初頭のウーマンリブ運動をモチーフに、主人公・小林弘二(森田健作)は、女生徒が大多数を占める高校に転校し、剣道同好会を立ち上げ、男らしさを武器に逆境に立ち向かいます。
彼の奮闘する姿は、時代の空気を色濃く反映しつつ、青春の葛藤と成長という普遍的なテーマを描き出し、当時の若者たちにとって新鮮で痛快なものでした。
それとともに、思春期の中高生にとって感情移入したのは、対決する剣道同好会(⇒途中から部に昇格)とバトン部の対決。
対決と言っても、本当はお互い気になるがゆえのツンデレです。
物語が進むにつれ、弘二は男子たちを率いて剣道部を結成し、操が所属するバトン部と対立しながらも、互いに理解を深めていきます。
男と女の戦いを通じて、実は友情、恋、葛藤、そして成長。今見ても色褪せない青春のエッセンスが、画面いっぱいに詰まっているのです。
とくに、バトン部キャプテンの吉川操(早瀨久美)は、剣道部の小林弘次(森田健作)に対して、対抗心を抱きながらも、心のなかではどんどん惹かれていきます。
ところが、森田健作の方は、ライバル女剣士の丹下竜子(小川ひろみ)とフランクなお付き合いで、いつもやきもちを焼いています。
いまでも、「吉川くんより丹下竜子のほうが良かった」というネットの意見を見ますね。
俺は吉川操より丹下竜子の方が好きやったけどな?? https://t.co/67xUhA7wMi pic.twitter.com/PEwONAMo4A
— 洗濯屋JUN ちゃん@昭和をこよなく愛するアナログ紳士??????? (@juncyanmomo1) April 30, 2022
森田健作は、主役だから、いろいろモテるのですが、そのたびに操が気を揉める様子を、早瀬久美さんが実にうまく演じているのです。
私も丹下派でしたが、今考えると、早瀬久美さんの、絶妙のツンデレ演技こそが、2人の関係をより羨ましいものに見せたのかもしれないと思っています。
「おーい、吉川くん!」ーー時代を超える名セリフ
本作を象徴する名シーンといえば、弘二が剣道着姿で叫ぶ「おーい、吉川くん!」の一言。
森田健作の凛々しい姿とともに、このセリフは今なお語り継がれ、SNSなどでもパロディや引用が絶えません。青春の甘酸っぱさと真剣さが凝縮されたこのワンシーンは、ドラマ史に残る名場面と言えるでしょう。
また、第1話には原作者の津雲むつみが女子生徒役でカメオ出演し、男子の似顔絵を描くシーンが。19歳という若さで原作・出演両方を果たした津雲氏の存在も、当時大きな注目を集めました。
さらに、主題歌『さらば涙と言おう』劇中歌『友達よ泣くんじゃない』(ともに作詞:阿久悠、作曲:鈴木邦彦)は森田健作自身が歌い、大ヒットを記録。
52年前(1972/4/3)のOriconシングルTOP10
— MS-DATABASE (@msdatabase) April 3, 2024
1 ちいさな恋 天地真理
2 友達よ泣くんじゃない 森田健作
3 結婚しようよ よしだたくろう
4 愛するハーモニー ニュー・シーカーズ
5 気になる女の子 メッセンジャーズ pic.twitter.com/1z8oyXm6ji
青春ドラマには欠かせない感情の高まりを、この曲がさらに盛り上げてくれます。
ロケ地と制作の裏側
撮影は主に鎌倉・藤沢周辺で行われ、江ノ電の風景や湘南の海が作品にリアルな息吹を与えました。
青葉高校のロケ地となったのは藤沢商業高等学校(現・藤沢翔陵高等学校)。海風が吹き抜ける開放感と、青春の輝きを感じさせるロケーションは、作品に一層の説得力を与えています。
当初は2クール(半年)で終了予定だったものの、視聴者からの圧倒的な支持を受けて1年へと延長。最高視聴率は21.2%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)を記録し、まさに社会現象となりました。
2025年の今、甦る1971年の青春
松竹シネマPLUSシアターで公開されている本作の第1話「ウーマン・パワーをやっつけろ!」は、すでに20万回以上、第2話「突撃一番竹刀をとれ!」も5万回以上の再生回数を記録。
コメント欄には「懐かしい!」「青春が甦った」といった声が並び、世代を超えて愛され続けていることがうかがえます。
今こそ観てほしい、ピュアでまっすぐな青春ドラマ
現代では、本格的な青春ドラマが少なくなってきたとも言われます。
だからこそ、『おれは男だ!』が描く「異性への誤解と理解」「仲間との絆」「自分の信じる道を貫く姿勢」は、むしろ新鮮に響くのではないでしょうか。
性別の違いを超えて、心を通わせていく過程は、現代の若者にとっても共感できるテーマであり続けています。
松竹の粋な計らいにより、今再びこの名作に触れることができるのは、まさに奇跡のような体験です。1971年の青春が、2025年の今もなお、眩しく私たちの心を照らしてくれています。
とくに未見の方は、どうかこの機会をお見逃しなく。

おれは男だ!
この記事へのコメント
当時、夢中になって見ていました。
時間があったら拝見したい
リアルタイムでは見ませんでしたが 再放送で見ましたね。
60年代の学園ドラマ と 70年代中期以降の学園ドラマの間で
どちらにも偏らない感のある新鮮さと 生真面目さの感じが眩しく感じますよね。私は 中村雅俊さんの学園ドラマがリアルタイムになるんですが
「おれは男だ!」の再放送を見た時には ちょっと青すぎて恥ずかしい
かなって感じた記憶があります。それも また時代だったのでしょうね。
いろんな学園ドラマを見ましたが 私は このドラマが一番 ”青春期”と
いう理想を映し出しているように思えます。^^
その時代の雰囲気が 今の若い方にはどう映るのかな。^^☆彡
懐かしいですね。当時見ていました(笑)
記憶違いかもしれませんが、柔道一直線の後に
おれは男だを放送していたような覚えがあります。
いや〜本当懐かしいです。
私の数少ない
ものまねレパートリーの一部です
今職場で真似しても
ごくごく少数のおばちゃんしか
笑ってくれません 笑
テレビ持ってなかった貧乏学生時代だったから・・・
森田健作の真っ直ぐな良いイメージはここで作られましたよね。
nice!です。
ほぼ失われています。考えてみます!
期間限定公開中にぜひ見てみたいと思います。
部活動、友情と恋、汗と涙、湘南の海などが、まぶしくて切ない青春のイメージとして強く印象付けられたような気がします。
リアルタイムで観てました!
女子高生が化粧してつけまつげつけているとか、当時、不思議に思いました
けど、森田健作の爽やかさが印象に残っています。
nice!です!!!
「おーい、吉川くん!」の台詞もよく覚えてます。
半世紀前ですか、こりゃ歳をとるはずだ。
自分の子供が、中高生ですが、話を聞いている限り、最近はあまり真っすぐな子は見かけないですね。時代は変わりつつありますね。
いい時代だったかも。。。
FM東京「一粒の青春」で、森田さんは佐藤祐介さん、西山まちこさんと
共演していて、約50年前の最終回録音テープが家に残っていました。
俺は男だ〜森田健作好きで見てました!
良い男、良い女、と、子供心ながら思いました!
男・化の強いいい役者さんでしたね。
それからだいぶあと、イケオジとなった森田氏の選挙演説を吉祥寺で拝聴しました。
あのドラマを観ていた頃は、まさか県知事にまでなるとは、思ってもいませんでした(^-^)