「留学生は宝」か、それとも「日本人学生の不利益」か?

最近我が国で言われているのが「外国人優遇」。たとえば、「国費(日本が費用を出す)外国人の方が日本人学生より優遇されている」「留学生が日本人学生の奨学金を奪っている」といった批判がある一方で、「留学生は日本にとって貴重な財産だ」という肯定的な見方もあります。岸田元首相が、「留学生は宝だ」と発言したことも話題になりました。
さて、どちらが本当なんでしょうか。
日本学生支援機構の調査によると、2022年5月時点の日本における留学生数は約23万人です。
2008年には約14万人だったのが、2020年には約28万人まで増加した後、コロナ禍で減少し、現在回復傾向にあります。
留学生の内訳を見ると、中国が約43%と最も多く、次いでベトナムが約24%、ネパールが約7%となっています。アジア諸国からの留学生が全体の90%以上を占めています。
国費留学生の優遇問題
「日本人学生より国費留学生のほうが金銭的に優遇される」という指摘は、一定の事実を含んでいます。
文部科学省の「国費外国人留学生制度」では、選考に合格した留学生に、月額117,000~148,000円の奨学金が支給され、往路の航空券も支給されます。
これに対し、日本人学生向けの給付型奨学金は競争率が高く、全員が受け取れるわけではありません。
小野田美紀さんは自民党議員だがこの人は唯一まともだと思うわ
— YurI ♂/関西 (@Chomi38628139) February 29, 2024
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日本人学生は奨学金を借金で返済、中国人留学生には1000万円の無償給付。
— おもち (@holy_2020) June 2, 2025
これが本当に公平な「教育支援」か?
国民の声を無視してまで外国人を優遇する政治、許せない。#自民党を選挙で落とせ
#自民党は国民の敵
pic.twitter.com/PS21UkiWND
「同じ大学で学ぶ学生なのに、国籍によって支援に差があるのは不公平だ」という意見は理解できます。
特に経済的に苦しい日本人学生から見れば、留学生が手厚い支援を受けていることに対して、納得できないのはもっともな話です。
「留学生の増加により、日本人学生への教育資源が不足している」という声もあります。
日本語のサポートや生活指導に教職員の時間が割かれることで、日本人学生への指導が手薄になる可能性が指摘されています。
最近では、法政大学における韓国人留学生の暴力傷害事件などもあり、それも留学生のイメージを悪くしている一因となっています。
ただ、統計では、留学生が特に危険な集団という有意な結果が出ているわけではなく、むしろ文化の違うところでの暮らしで、逆に留学生が事件の被害者になるケースもあります。
何回これ貼ればいい? https://t.co/i8kTEV5js7 pic.twitter.com/WCWRBQUwrX
— かるぴすぎつね (@himanaanya) June 11, 2025
多くの留学生はお金を日本に落としている
留学生は日本人学生から奨学金や補助金を奪っているのではなく、与えている。給付型奨学金、補助金の増額に貢献している。
— 有馬哲夫 (@TetsuoArima) June 11, 2025
文部省のデータ
留学生総数 33万6708人
国費留学生 8761人
私費留学生 32万7947人…
ブロックされてるので直接Repost出来ないが、極めて少数の国費留学生などに限定された制度をさも留学生全員が受け取ってるかのように吹聴する目的は何?
— she888??????????日中友好! (@daneishe888) June 3, 2025
私も国費留学だったので昔中国の大学へ一年間学費免除+生活費支給有りで行ってきた。何処の国にも普通にある制度だ。https://t.co/Vq2AMbPmVk pic.twitter.com/w7OE1Q2cww
一方、「大多数は私費留学生であり、日本人学生から奨学金や補助金を奪っているのではなく、むしろお金を日本に落としている」という意見も事実です。
実際、日本学生支援機構(JASSO)の調査によると、留学生の約76%は私費留学生で、学費や生活費を自己負担しています。
これらの留学生は家賃、食費、娯楽費などで地域経済に貢献しています。
特に地方大学にとって、留学生は貴重な収入源となっているケースも少なくありません。
留学生は教室に多様性をもたらし、日本人学生に「外国についての知識を与え、日本を外国から見る機会を与え、教室での議論を活発化させる」という点は大きなメリットです。
グローバル化が進む現代、異なる文化的背景を持つ人々と協働する能力はますます重要になっています。
留学生との交流を通じて、日本人学生は自国の文化を相対化して見る機会を得られます。
これは教科書だけでは得難い貴重な学びです。また、留学生の存在そのものが日本人学生の国際意識を高め、語学学習の動機付けとなることもあります。
結論
ということで、留学生という制度自体を否定する必要はないと思います。
逆に、日本人学生が外国でお世話になる場合もあるわけですからね。
要するに、この件は、政府が日本人学生をもっと大事にすればよい話なのです。
どうも、「勤勉」な日本では、「働かざるもの、食うべからず」的な哲学から、ともすれば学生を軽んじる感じがするのですが、
【仏教】「働かざるもの食うべからず」はケダモノの論理!? https://t.co/R58Ad8PEpj
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) June 12, 2025
以前ご紹介した、佐々木閑教授(花園大学)のコロナ禍動画授業でいわれているように、物質ではなく精神(価値観とか生き方)を社会にのこすことも、人として生きる大切な「生産活動」です。
知力はまさに「精神」。知力にまさる国力なしです。
人間社会は、単純に「シマウマを獲ったライオンだけがそのシマウマの肉を食べられる社会」であってはならず、適切な分配が必要なのです。
みなさんは、「留学生問題」、どう思われますか。
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この記事へのコメント
中国の1つの省となってそう
確かに、日本学生支援機構の奨学金も無利子で借りられる人は少なく、ほとんどの人が利子を払って返済に追われています。
それこそ、給付型奨学金を受けられる人なんてなかなかいないと思っています。
留学生が来ることで、地域経済が活発化するのは良いことですが、その後、就職などで日本の学生が狭き門になるのは避けて欲しいと思います。
皆さん、勉強熱心で優しくていい人ばかりでした
今でも交流があります
のは、その「回り」が、自国の人間なのか、他国の人間なの
かには、ほとんど無関係ですよ。コミュニケーションする生
物ですからね。この島国に足を降ろしている若者を、元々の
国籍に関係無く、現状よりもっと、きちんと教育して行か無
いと、この国の経済順位は更に下がるね。
留学生問題だけでなく、日本は自国民にやさしくない国だとは思います。
nice!です。
それも大切だけど、中国の富士山事件は目に余るものがあります。こういう常識はずれな留学生を何とかしたいなと思うこの頃。
家の長男も奨学金のお世話になったようなので、日本人に向けての奨学金応援をもっとして欲しいものです。まだ博士課程に進みたい!という意欲があり、講師をしながら勉強してるだけに、カツカツでやってると思うから、奨学金を日本人向けにもっと増やしてほしいです。
私の時代は留学というと更に知識・技術を高めるためで
それなりの人材しか行かなかったです。
いま、日本の留学は学生数の減少で経営上の手段の
ように思えてなりません。
『政府が日本人学生をもっと大事にすればよい話』
⇒120%賛同いたします
NICEです(^^)
異文化交流は大切だと思うし、グローバル社会では必要でしょう。
ただし日本人学生より一部の留学生が優遇されることには違和感を覚えます。
海外からの留学生に日本でなにを学んでもらうか。
差別するわけではなく、そんなカリキュラムも重要ではないでしょうか。
知らなかったですが、反対もあるのですね。
だとしたら、日本人学生向けの給付型奨学金じゃなく
全部無償給付にするべきなのでは。
卒業してすぐ返済ですから、大変ですよ。
しかも(別の話ですが)学生時代から年金迄払う。
遣隋使、遣唐使の時代はこちらからたくさん学ばせてもらっていたことだし・・
日本の学生も日本に居ながらキャンパスや教室で異文化コミュニケーションが取れることを活用して欲しい
まさにその通りです!
中国の留学生はどのような行動をするのでしょうね
長野冬季五輪のように、国からの指示で行動する
可能性もあると思っています
息子僅かな奨学金を、大学卒業後結婚奨学金返済難に
親が返済をしました(10年)拝読し腹立たしい思いを