舩後靖彦参議院議員によって進化した国会のバリアフリー化

難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)患者である舩後靖彦参議院議員が、次期選挙への立候補をせず引退を表明しました。中途障害で人工呼吸器をつけ、特殊な機能やカスタマイズが施された電動車椅子舩後靖彦議員は、国会の施設を大きく発展させました。
舩後靖彦さんについては、以前もご紹介したことがあります。
舩後靖彦、トップセールスマン⇒障碍者⇒参議院議員という激動の人生で語ったこと https://t.co/m7suhiADTH
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) June 18, 2025
舩後靖彦参議院議員はもともと、大学を出て、時計や宝石を輸入する専門商社で、6億円を売り上げるトップセールスマンだったそうです。
それが、難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)に。
舩後靖彦さんの存在は、社会の最前線で活躍している人が、突然障碍者になってしまうことがある、ということを改めて気づかせてくれます。
つまり、障碍者・難病者を別の世界の人と思っているあなたの明日の姿かもしれないよ、ということを私たちに教えてくれています。
その舩後靖彦さんの6年前の当選は、障害者や難病者が政治に参加する上での物理的・制度的なバリアの解消を促す契機となりました。
他の障害を持つ候補者の選挙支援や、公共施設のバリアフリー化に関する議論が活発化。
「障害者差別解消法」の具体化や、合理的配慮の重要性が再認識されるきっかけにもなりました。
不出馬表明した舩後靖彦副代表に対して、感極まりながらこれまでの事を振り返る 山本太郎代表『一番しんどい時からやってきた仲間ですから‥。自発呼吸が出来ない状態で人工呼吸器を付けて6年間も議員任期を全うするというのは、憲政史上初、人類史上初の偉業ですよ』https://t.co/8TYZ40WKJg pic.twitter.com/NkDs7D39Zp
— 桃太郎+ (@momotro018) June 17, 2025
バリアフリー法(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)は、2006年12月20日に施行されているのですが、社会の隅々までそれが実践されているかというと、そうとはいえません。
障害者・難病者がどんなときにどう困っているか、その立場にならないとリアルに理解できないこともあると思います。
その意味で、舩後靖彦さんが国会議員になったことは、大変意義深いことだと思います。
バリアフリー化を更に進める
良いインタビュー。「『健康なときは短い時なんだ』というぐらいの意識を持った方がいい。やがてはみんなすべて、そういう『障害』を持つんだから。そして一生を終えるんだから」と八代さん。/元祖車いす議員・八代英太氏が語る、重度障害者が国会に行く「意義」 https://t.co/OZARwJ13eL pic.twitter.com/41yxUvUVIx
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障がい者手帳を持っている国会議員は、これまで何人もいましたが、国会のバリアフリー化をまず実現したのは、不慮の事故で車椅子生活を余儀なくされた八代英太議員です。
タレント時代の1973年、ステージから転落して脊髄を損傷。下半身が動かなくなりましたが、「車いすを国会へ」をスローガンに1977年、参院選で初当選しました。
ところが、当時の国会は階段だらけで、議員会館も正面から入れなかったといいます。
1997年には衆議院議員に当選し、こちらもバリアフリー化を実現しました。
それが、舩後靖彦議員によってさらに進みます。
舩後靖彦議員の重度障害に対応するため、参議院本会議場に車椅子・視線入力装置対応スペースが設置されました。
舩後靖彦議員が使用している車椅子は、ALSの進行に伴う重度の身体障害に対応するため、特殊な機能やカスタマイズが施された電動車椅子なのです。
八代議員の時代と比べ、ICT技術を活用したアクセシビリティ(例:視線入力での採決)が大幅に進化しました。
採決方法も、八代議員時代に「起立不要方式」に変更され、さらに舩後議員が当選後は「視線入力での投票可能」になりました。
しかし、それらは単純に「科学技術や建築技術が進んだ」から変わったわけではなく、舩後靖彦議員が在籍したからこそ実現したのです。
もし、障害者・難病者議員がいなかったら、バリアフリー法という法律を作った肝心の国会が、時代遅れの施設のままだったかもしれません。
どの党も、口先ばかりで、実際にこういう方々を擁立しないでしょう?
れいわ新選組の英断だと私は思います。小さい政党だからできたことかもしれませんが。
やがてはみんな『障害』を持ち一生を終える
「誰一人として自分で障害を持ちたいと思った人はいないのよ。舩後さんだってそう、木村さんだってそう。産んだお父さんお母さんも障害を持った子どもを産みたいなんて思った人は誰もいない。『おれは障害者にならない』と思ったって、ぼくのように途中でなる人だっていっぱいいるわけ。そうはいっても健康で最後までいったって高齢化時代になると、足腰が弱ってくる、耳が遠くなる、目がしょぼしょぼしてくる。認知症とかいろんなことが出てくる。そうなると、『健康なときは短い時なんだ』、というぐらいの意識を持った方がいい。やがてはみんなすべて、そういう『障害』を持つんだから。そして一生を終えるんだから」(上掲OGPで八代英太さん)
つまり、国会のバリアフリー化は、八代さんや舩後議員のためだけでなく、(誰でもなり得る)障害者・難病者も国会に送り出せる公共的・公益的な意義があるのです。
ところが、舩後靖彦さんが議員であること自体に文句があるだけでなく、欠席が多いから歳費を返せなどという、維新の会の、音喜多駿のような生理的に気持ち悪いやつもいます。
たしか維新の音喜多が舩後靖彦氏に「歳費返せ」と言ったんだよな
— @晴れ時々は快晴 (@tamashin40_c) June 17, 2025
弱者に寄り添わない日本維新の会は本当に酷い組織#維新に投票してはいけない#OTC類似薬の保険外しに反対します https://t.co/DbY24SZ9if pic.twitter.com/lLKdneOaJ5
ワロタwwww
— 家鴨隊長(世界最速でリラックマを立たせた男)?? (@ahiru_taicho_) January 19, 2021
おときた、一昨年の参院選後初登庁の際にもやらかしとるからな。
立花孝志氏、舩後靖彦氏、木村英子氏らが初当選で取材陣凄かったにもかかわらず居眠りコイてたw pic.twitter.com/NpYhMahqAT
いや、それなら、居眠り議員、どこの委員会にも所属せず本会議だけ出てくる「重鎮」議員などに言えよ、という話なんですが、強いものには何もいえないつまらないやつです。ま、自分も居眠り議員だしな。
というわけで、「障害者・難病者が議員になって何ができる」なんて思わないで、ぜひこうした功績を知ってください。

しあわせの王様―全身麻痺のALSを生きる舩後靖彦の挑戦 - 靖彦, 舩後, 美千子, 寮
この記事へのコメント
それこそ、議員報酬返せって思います。
質問時間の少ない党であるにも関わらず、委員会質疑の回数は約30回に上り、2023年6月には、議員立法「共生社会の実現を推進するための認知症基本法案」を全会一致で可決させています。
議員立法をまとめる野党議員が何人いるか、調べたことありますか。
つまり、お情けでバッジを付けていたわけではなく、仕事もしていることも付記しておきます。
??
こう言っては失礼ですが、知的な障害ではないのですから、
議員活動は、施設と適切なサポートさえ整えば無問題ではないでしょうか。
ALSのくせに国会議員になりやがって、という一般人の嫉妬だと思いますが。
大変さはわかりませんよね。
わたしもあと数年で車いすが待っています。
バリアフリー促進は良い事だと思います、鉄道の運賃にバリアフリー促進費が上乗せされエレベーターの設置等、一定の理解を得ていますし点字ブロックや信号、EV車の補助音声等も受け入れられていますね。
それと私的に「障害者」と記するのは控えるようにしています、「障碍者」もしくは「障がい者」と記述します。
これは障碍者の方が世の中の「害」ではないと言う理由から、このような記述としています。
nice!です。
人間、いつどうなるかなんてわからない!それだけになった時もちゃんと想像して、相手の気持ちになってあげる事は大切だと思います。
誰もが障碍者になるかもしれない。
ほぼすべての人が体が不自由になる。(健康寿命の喪失)
それでもバリアフリーを進めないという考えが理解できません。
人間、いつどうなるかなんてわからない!それだけになった時もちゃんと想像して、相手の気持ちになってあげる事は大切だと思います。
インバウンドの海外の方々もそう感じているみたいですね。
点字ブロックがどこのでもあることには驚かれるそうです。
日本の立法府である国会がバリアフリー化を推進する意義は大きいですね。
インバウンドの海外の方々もそう感じているみたいですね。
点字ブロックがどこのでもあることには驚かれるそうです。
日本の立法府である国会がバリアフリー化を推進する意義は大きいですね。
それでも 人として 最後まで やれることをやり遂げたい気持ちは
人間だれしもあると思いますね
失礼しました。
そしてその方の株式上場までのノンフィクション著書を読み終えたばかりです。
れいわに対しては、いろいろ考えもありますが、維新の会の音喜多氏は嫌いです、あの方が代表になってから維新はまったく支持していません
いろんな考え方や意見も出るテーマですね (´・ω・`)
コメントありがとうございました。
玄関も門扉を外し、石段にも手すり、これも終活です
ナイスです♪
駅のエスカレーター・エレベターに助けられてできる外出の日々
れいわ新選組から立候補して当選されました。
山本太郎寺院の快挙と受け止めました。
本当に、非常に思い障がいを待たれている姿を見たときは
凄くショックでした。
それから大掛かりのバリアフリーが行われました。
障がいは当人でなければ解りません。
その立場に気持ちでなろうとしてもならません。
でも、出来るだけ近づきたいと思います。
自分が不自由にならないと人の不自由さが解らないって
哀しいです。