なぜイランとイスラエルは争っているのか?中東の複雑な関係にフォーカスする

なぜイランとイスラエルは争っているのか?中東の複雑な関係にフォーカスする

最近のニュースで、イランとイスラエルという2つの国がお互いを攻撃し合っているという話を聞いたことがあるかもしれません。でも、なぜこの2つの国は争っているのでしょうか?今日は、その理由を分かりやすくまとめてみます。

イスラエルは、1948年に建国された比較的新しい国です。ユダヤ人という民族の人たちが中心となって作った国で、首都はエルサレムです。面積は四国よりも少し大きいくらいの小さな国ですが、技術力が高く、アメリカと仲良しです。

イランは、昔からペルシャ帝国として知られていた歴史の長い国です。ペルシャ人が多く住んでいて、イスラム教を信じる人がほとんどです。石油がたくさん取れる国としても有名です。

この2つの国は、地図で見ると約1000キロも離れていて、お隣同士ではありません。

つまり、土地の境界線で争っているわけではないのです。

以前は、イランとイスラエルは仲良しでした。

1950年代から1970年代にかけて、2つの国の間には飛行機が飛んでいて、人々が行き来していました。

当時のイランは、パーレビという王様が治めていて、アメリカと仲良くしていました。

イスラエルもアメリカと仲良しだったので、「友達の友達は友達」という感じで、イランとイスラエルも良い関係だったのです。

それが、なぜこんにちの紛争になったのか。

宗教、パレスチナ問題、核開発問題


1979年にイランで大きな変化が起こりました。それが「イラン革命」です。

イランの人々は、王様の政治に不満を持っていました。

お金持ちと貧しい人の差が大きくなったり、大切にしていたイスラム教が軽んじられたりしたからです。ついに人々は王様を追い出し、ホメイニという宗教指導者を新しいリーダーにしました。

新しいイランは、イスラム教の教えを厳格に守る国になりました。

そして、「イスラエルはイスラム教の聖地エルサレムを奪った敵だ」と考えるようになったのです。

こうして、イランとイスラエルの関係は一気に悪くなりました。

宗教と政治が絡み合う複雑さ
この争いには、宗教的な要素も関わっています。

イスラエルはユダヤ教、イランはイスラム教が主要な宗教です。

特にエルサレムという都市は、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の3つの宗教にとって聖なる場所なのです。

今回、アメリカが、イスラエルに加担したのも、トランプ大統領当選の金銭的な支援者として、ユダヤ人がいたからともいわれています。

そして、アメリカ国全体も、さらには世界のマーケットは、ユダヤ人中心に動いてるといっても過言ではありません。

以前、文藝春秋社が、『マルコポーロ』という雑誌で、「ガス室はなかった」という記事を書いたら、スポンサーがいっせいに撤退したために、雑誌は廃刊。編集長は責任を取って会社を去りました。

本が売れないだけなら、そこまでにはなりません。

いっせいに撤退した広告主は、ユダヤ系だったといわれています。

パレスチナ問題との関連
この争いを理解するためには、「パレスチナ問題」についても知る必要があります。

イスラエルが建国される前、その土地にはパレスチナ人(主にアラブ人)が住んでいました。

しかし、イスラエルの建国により、多くのパレスチナ人が故郷を失い、難民になってしまいました。

イランは、このパレスチナ人を支援し、「パレスチナ人が故郷に帰れるまで、イスラエルという国を認めない」と主張しています。

また、イランはハマスやヒズボラといった、イスラエルと戦う武装グループに武器や資金を提供しているとされています。

核開発問題という新たな火種

2000年代に入ると、新たな問題が浮上しました。それがイランの核開発です。

イランは、「原子力発電のための平和的な核開発だ」と説明していますが、イスラエルは「核兵器を作ろうとしているのではないか」と疑っています。

もしイランが核兵器を持てば、イスラエルにとって存亡の危機となるかもしれません。

このため、イスラエルはイランの核施設を攻撃したり、核開発を妨害したりしているとされています。一方、イランもイスラエルに対して報復攻撃を行うなど、緊張が高まっています。

実は日本の生命線に関係する紛争



この紛争は、日本にも重大な影響をもたらす可能性があります。

まず起こり得るのは石油問題です。

日本が輸入する石油の約80~90%は中東産(サウジアラビア、UAE、クウェートなど)ですが、ホルムズ海峡(ホラムズ海峡)が封鎖されれば、南アフリカ経由となり航路が約2倍(約11,000km増) に。

保険と運航コストがかかります。

つまり高騰します。

中国、北朝鮮、ロシアなど、アメリカに対抗している国がイラン側に回ったらどうなるか。

東西軍事ブロックが対立すれば、その戦いの舞台は台湾(有事)です。

南シナ海や東シナ海の航路が封鎖される可能性があり、日本には80%といわれるその航路からの食料が入ってこなくなります。

輸入品がストップされることで、現在の米不足など問題にならないほどの大変な食糧不足を迎えるかもしれません。

「日本は核武装すればいい」などという方をたまにネットで見かけますが、以前書いたように日本は核武装なんてできる状況ではないことと、そもそも戦車や爆弾でいくら武装しようが、こうやって日本と直接関係ない国の紛争のあおりで、簡単に国の生命線が断たれかねないほどの影響を受ける危うさをもっているということです。

中国人に簡単に免許取らせたり、文化の違いで迷惑をウケたりと、眉をひそめる出来事は耳に入ってきますが、だからといって中国と断交のチキンレースをしても、日本にとっては大変なダメージを受けることでしょう。

まず日本が、海外への依存を見直し、食料自給率を高め(減反政策などもってのほか)、他国から価値を認められる国作りを行っていかないと、外交的駆け引きで勝負できるような国ではないという厳しい認識を、私たちはもつべきではないかと思います。

今回の紛争、どう受け止めておられますか。

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この記事へのコメント

2025年06月23日 22:16
こんばんは、いっぷくさん。
食料とエネルギーの自給率のない国は自由貿易がなければ国民を養ってはいけません。
本当の意味での国力は弱いと言えるでしょう。
2025年06月23日 22:40
米国に敵対する国々は早々に批判的なコメント出してますよね
正式な物ではないかもしれないけど
話し合いをしようとしないで、金と力で相手を牛耳ろうとしてる
イスラエルと米国のトップ・・・こんなんで良いの?本当に
2025年06月23日 22:40
(# ̄  ̄)σ・・・Nice‼です♪
2025年06月23日 22:41
>当時のイランは、パーレビという王様が治めていて、アメリカと
 仲良くしていました。

 イスラエルもアメリカと仲良しだったので、「友達の友達は友達」という感じで、 イランとイスラエルも良い関係だったのです

意外にも、そうだったんですね
勉強になります。

宗教上の根深い問題
聖地
平和的解決とはいかないまでも
人類の叡智を結集して
より良き方向性
何とか
導きだしてほしいものです
2025年06月23日 23:30
10歳で終戦を迎え幾多の苦労の上今の幸せな日々に感謝を
昨日思ったこと、コメ不足で水田青々と思いましたが
車窓の外の風景は放棄田(雑草)が多く見られ(高齢農業放棄??)
呑気にアジサイを見に行く平和な国に住める幸せ
戦争をしている国の一般の人々達も戦争を望んでいないと思いますが
2025年06月23日 23:43
昔、アラブ諸国への輸出業務に際して、L/C条件として「イスラエル船籍の船舶は禁止」「書類や船にヘキサゴナルスター(六角星)のマークはNG」などの記載があったのを思い出しました。
2025年06月23日 23:57
石油を中東諸国に依存している日本としては両国が争うと困りますね。
2025年06月24日 00:13
日本は直ぐに立場を明言できず。アメリカはいつも頼れる国?
アラビアのロレンスの頃、英国、バルフォアの2枚舌がパレスチナ問題、イスラエルとアラブ紛争の元、
英国の責任は大きいとおぼえます。
2025年06月24日 00:13
世界地図さえ頭に入っていないので、どうしてこの2つの国が紛争しているのかさえ良くわからないでいました。
詳しく説明して下さりありがとうございます。
日本から遠い国の紛争でも、石油の高騰や輸入品のストップなど懸念される問題が多く発生するのですね^^;
2025年06月24日 00:51
宗教問題が関わると怖い
2025年06月24日 04:08
イラクは全世界が石油の輸入を控えるようとの情勢の中で日本が(背に腹は代えられないので)イラクから石油を輸入した事で仲が良いですが、世界的には仲が悪く、飛行機も輸入する事が出来ず骨董品のような機材が今だに飛んでいますね。
日本の自給率はとても低いので私的にはもっと上げて欲しい所ですが、外国からの圧力で要りもしないお米を強制的に輸入させられたりしているので自国の事だけを考えたい方向へはナカナカ進みませんね。
豪州が捕鯨反対をする理由の1つにクジラの肉を食べさせるくらいならオージービーフを食べて(輸入して)もらいたいと言う側面も有りますから。
エネルギー分野では更に深刻で特に石油は中東からの輸入は生命線ですから対岸の火事と受け取れないですね、特に赤い国が干渉したりすると面倒な事になりますから何とか良い方向での解決を望みたい所です。
2025年06月24日 04:10
どんな神様も戦争して人を殺せなんて問いてないだろうに。
おろかな争いだと思います。
2025年06月24日 05:23
おはようございます!
nice!です。
2025年06月24日 05:57
エスカレートし無いように、あらゆる努力をすべき。紛争が
拡大すれば、我々にとっても悪い事ばっかりだ。
2025年06月24日 05:58
こうして読ませて貰うと、他国の戦争だと少し横目で見てたけど、かなり日本も影響受けるという事をもっと深刻に受け止めなければならないと感じました。
私ではどうにもできないけど、せめて死なないためには食量自給率をあげて、日本内でみんなが暮らせる体制を作って欲しいものだと思いました。
夏炉冬扇
2025年06月24日 07:17
最後の4行。肝に銘じます。
2025年06月24日 07:56
イランとイスラエルの紛争の原因、イランとパレスチナとの関係、最悪のケースでの日本への影響などはおおよそ理解していました。
ホメイニ氏がこんなに長く最高指導者であることは知りませんでしたし、なぜ今なのか、そしてなぜアメリカが直接介入したのかは分かりません。
日本になにができるかも分かりません。
ホルムズ海峡が封鎖されても護衛艦の派遣なんてできないでしょう。
2025年06月24日 08:30
おはようございます❗
21世紀になったら争いのない世界になると思いましたが
最近あちこちできな臭いですね。
大国の指導者がやってるのに恐ろしさを感じます 😂
もーもー
2025年06月24日 08:48
同じ人間同士なのに   人間が  地球を滅ぼします  恐ろしい
2025年06月24日 08:56
勉強になりました。
pn
2025年06月24日 09:48
真の国防とは食糧自給率を上げる事は間違いないんだけど政治家どもがなぁ。
くどいようだが我が園栄えて国滅ぶをまっしぐらだからねぇ。
2025年06月24日 10:22
遠い国のお話と思っていたのに、日本にも影響してくるというのは他人事ではないですね。
一体私達は何をすればいいのでしょうか?
2025年06月24日 10:52
宗教色々。
私も色々。
10歳で終戦を迎えた私は
色々認め合えたらいいなと
思っています。
何で俺とお前は違う子を何だってね
云っても仕方ないでしょう。
殺し合って何も生まれません。
2025年06月24日 10:55
何で俺とお前は違う顏なんだでした。
訂正。
2025年06月24日 12:52
おおざっぱに理解していましたが、わかりやすく段階を追っての開設、ありがとうございました。
宗教問題は大きくて、「この世の中に宗教がなくなれば、平和になる」と言った人がいましたが、それもあながた間違いではないでしょう。
なぜエルサレムにイスラエルを建国したのか、それにはきっと事情もあるのでしょう、そうなった経由も知りたい気がしてきました(-_-) ロシアの侵略行動が、きっかけとなり大国の指導者たちの権力誇示で、多くの戦争が生み出されそうな不安があります。
2025年06月24日 13:58
NICEです👍
2025年06月24日 14:36
信じる宗教の違いでの紛争は
簡単に解決できる問題ではないですね。
bgatapapa
2025年06月24日 16:04
利権を得ようとする人が居なくなれば自然エネルギー分野での国民の生活が可能となるかも~(^^)
2025年06月24日 16:19
この様な戦争が起きると、何で? と思いますが
勉強になりました。
2025年06月24日 22:26
仰る通りだとおもいます。改めて日本に目を向けれると考えさせられますね。
価値を認められる国造り、例えば、スイスがいい例でしょう。難しいですがそれを目指さないと日本はどこかの属国になってしまいます。その価値がなんなのか、日本の課題です。
日本を不当に扱ったらヤバイとおもうような国になるか、或いは以前のように芸者のように振舞うしかないでしょうね。