ウナギ完全養殖、持続可能な未来への扉を開くか? 水研機構とヤンマーが特許取得

ウナギ完全養殖、持続可能な未来への扉を開くか? 水研機構とヤンマーが特許取得

近年、ウナギの資源保護は世界的な課題となっています。そんな中、日本の水産研究・教育機構とヤンマーホールディングスが、ニホンウナギの完全養殖における画期的な技術の特許を取得した、というニュースが大きな話題を呼んでいます。

ウナギ、国産は高いですね。

私のような下々の人間には手が出ません。

とくに、2010年以降、高くなったなあと思います。

Copilotによると、5つの原因があるといいます。

1. シラスウナギ(稚魚)の減少
2. 完全養殖の難しさ
3. 養殖コストの高さ
4. 需要と供給のバランス
5. 気候変動の影響

これだけの理由があれば、高くもなるでしょう。

しかし、逆に言えば、これらがクリアになれば、国産ウナギの供給が、より安価で安定的に行われることになります。

ということで、それらをクリアにするといわれているが、今回の特許です。

この技術は、絶滅の危機に瀕する天然ウナギへの依存を減らし、持続可能なウナギ供給の未来を切り拓く可能性を秘めています。

特許の意義:ウナギ養殖の常識を覆す革新



今回の特許取得の最大の意義は、その画期的な技術にあります。

特許の対象となっているのは、主に以下の2点です。

高密度・低コスト飼育を実現する大型水槽技術
これまでのウナギ稚魚(シラスウナギ)の飼育は非常に難しく、生存率の低さが課題でした。

今回の技術では、従来の10倍以上のシラスウナギを飼育できる大型水槽が開発され、しかも製作コストを75%削減できるとされています。

これにより、稚魚の安定供給と生産コストの削減に大きく貢献することが期待されます。

安価で高成長を促す画期的な餌の開発
ウナギの成長を効率的に促進し、かつコストを抑えた餌の開発も特許に含まれています。

これは、完全養殖ウナギの商業化において不可欠な要素であり、量産化への大きな一歩となります。

これらの技術は、天然シラスウナギの捕獲を抑制し、絶滅危惧種であるニホンウナギの保護に直結します。

ワシントン条約による国際取引規制の検討が進む中、この技術は環境負荷の少ない養殖の実現に貢献し、国際社会からの評価も期待されます。

また、人口増加による食料需要の増大と環境負荷低減という世界的なニーズに応えるものとして、その重要性は計り知れません。

現時点での課題:量産化への道のり


ウナギの完全養殖への挑戦は、長い歴史があります。

1973年:北海道大学が世界初の人工孵化に成功
2002年:水研機構が人工孵化技術を確立
2010年:水研機構が世界初の完全養殖に成功
2023年:近畿大学が大学として初めて完全養殖に成功

そして今回の特許取得にこぎつけたわけです。

今回の特許技術は、これらの課題を同時に解決する革新的なものです。

50年来のプロジェクトだったわけです。

もちろん、今回は大変な前進ですが、完全養殖ウナギの本格的な量産化には、実はまだ課題が存在するとされています。

課題点は、AIのGeminiにまとめてもらいました。

量産施設の整備と供給網の構築
特許技術を活用した大規模な養殖施設の建設や、全国への安定供給を可能にする流通システムの構築が不可欠です。これには莫大な初期投資と時間が必要となります。

品質の均一化と向上
量産化されたウナギの品質を一定に保ち、天然ウナギに匹敵する味や食感を実現することは、消費者に受け入れられる上で非常に重要です。

消費者の理解促進
完全養殖ウナギに対する消費者の認知度を高め、その安全性や持続可能性について理解を深めてもらうための啓発活動も重要となるでしょう。

今後の展望



今回の特許取得は、長年以上にわたるウナギ完全養殖の研究が、いよいよ商業ベースに乗る段階に達したことを意味しています。今後の展望としては、以下のような点が挙げられます。

持続可能なウナギ供給の実現
天然資源に頼らない安定的な供給が可能になることで、ウナギの価格変動の抑制や、今風に言えば、「持続可能な」すなわち年間を通じて美味なウナギが食卓に並ぶことが期待されます。

他魚種への応用と水産業の革新
今回の養殖技術は、ウナギだけでなく、マグロやサケ、ブリなどの他の高級魚種にも転用される可能性があります。これにより、日本の水産業全体に大きな革新をもたらす契機となるでしょう。

たとえば、今年はイワシが採れないなんていわれましたが、食物連鎖の一番弱いところの供給がしっかりしないと、魚類全般の水揚げに影響します。それらの調整にも役立つかもしれません。

環境問題・食糧問題への貢献
完全養殖ウナギは、環境問題、食糧問題、そして技術革新という三つの柱を同時に実現する潜在力を持っています。これは、日本の農水産業の未来を象徴するプロジェクトとも言えます。

今後は量産体制の確立、品質の均一化、消費者理解の促進など多方面での努力が必要ですが、「持続可能なウナギ」が日常の食卓に並ぶ日は、もはや夢物語ではないのでしょう。

技術革新と社会的意義を両立させるこのプロジェクトの進展に、今後も注目が集まります。

ウナギは召し上がりますか。

結局,ウナギは食べていいのか問題 (岩波科学ライブラリー 286) - 海部 健三
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この記事へのコメント

2025年07月08日 22:24
先日の報道でウナギの稚魚の量産に成功を見ました。
安くなる事を願っています(残念ながら私は魚・貝が苦手ですが)
2025年07月08日 22:30
今年はシラスウナギが多いとなんかの番組で観ました
養殖が上手く行けばいいですよね
以前は鰻の代用でナマズって話も有ったけどどーなったのかな?
2025年07月08日 23:18
毎年2回美味しい浜松の鰻を頂いて食べています。
なので中国産を食べる事がないです。
でも国産が安くなったら、買って食べたいですね。
早く生産コストが下がる事を祈ってます。
2025年07月08日 23:59
鰻はお高いので、安売りの時に買って冷凍しています。
と言っても、食べるのは年1回土用の丑の日だけなんですけど…
なぜか日にちを間違えて、既に冷凍庫で熊本産のウナギがスタンバってます^^;
2025年07月09日 00:35
近大の養殖技術はすごいです
マグロだけでなくウナギまで!
2025年07月09日 01:52
ウナギの完全養殖が実現したら、大儲けですね。
ヤンマーの株価はもっと上がるかな。
2025年07月09日 02:01
NICEです👍
2025年07月09日 06:13
ウナギは高級食材なので。今世紀に入ってから私は、ほぼ
全く食べません。
2025年07月09日 06:32
おはようございます、いっぷくさん。
鰻は好きなので、日本の技術力に期待したいです。
2025年07月09日 06:43
鰻、食べたいと思いながら、値段を見ると諦めてしまいます(^_^)
夏炉冬扇
2025年07月09日 07:17
うなぎに目の色変える派ではありませんが、完全養殖の成功と商業ベース化には大賛成です。
2025年07月09日 07:44
中国産の鰻は食べる気になりません。
昔は川でとれましたが、やはり開発でおかしくなったんでしょうかね。
2025年07月09日 08:18
おはようございます!
nice!です。
2025年07月09日 08:19
拝見しました。
NICEです(^^)
うなぎ、食べたいです!
(問いかけに対する答えになっていませんが。。。)
2025年07月09日 08:21
おはようございます・・・(^-^)!!
一昔前、湘南の海岸にもシラスウナギが来ましたが
今は少ないと。
平塚に花水川という川には成魚のウナギが出没する
ようです (*^_^*)
pn
2025年07月09日 09:03
タイトル下の写真はAIだよね?これ本当にやってたら凄くない?
2025年07月09日 09:53
素晴らしいですね!

うなぎが安く食べられるかもしれません
2025年07月09日 10:37
養殖ならいいかなと思いますが、その次の段階として、細胞を培養する話が出ていますね。どうなるのでしょうね。
2025年07月09日 10:39
みなさん、コメントありがとうございます。

>pnさん
>2025年07月09日 09:03
>タイトル下の写真はAIだよね?これ本当にやってたら凄くない?
もちろんAIです。
「うなぎの養殖場をバックにリポートするキャスター」という司令文で出てきました。
水研機構とヤンマーから、クレームが来たらどうしようかということも考えなくはなかったですが、まあちょっと変わった画像のほうが面白いかなということで、そのまま使いました。
2025年07月09日 11:00
ウナギは高級な食べ物で自分には手が出ません。
もう何十年も食べていないです。
別に食べなくても困らないしね。
もーもー
2025年07月09日 11:09
ウナギ  全国に合わせて  流行に乗りますが。。。昔は  そんなの
全然関係ない親でした   平和です  売れればよい商法に  乗りたがります
2025年07月09日 12:42
このニュースを聞いて画期的だと思いした。
50年来の技術開発だったんですね。
この長期的な技術革新は欧米しはない日本の特徴ですよね。
私は来週に鰻を食べに鎌倉まで行こうと考えています。
2025年07月09日 13:08
あまり食べ物の好き嫌いがない私の唯一に近い苦手がウナギ^^;
高級食材でもあるのでもう何十年と口にしていません。
この季節はスーパーのチラシもウナギだらけですが・・。
気候変動や海洋汚染で採れなくなる魚もあるでしょうし、完全養殖が実現すれば食糧安定供給の助けになりますね。
2025年07月09日 15:55
完全養殖が出来るようになるといいですね!
ウナギは美味しいだけでなく、非常に栄養価が高いので、夏バテの時期に貴重な栄養源なのです。
安めの所を見計らって、少しですがゲットしてるんですよ^^
2025年07月09日 16:33
先日TVで水産業も厳しいと見ましたが、ウナギ完全養殖 成功して欲しいですね。 残念ながら食べず嫌いでとても恥ずかしい事です。
bgatapapa
2025年07月09日 17:12
ウナギお~いしかのやま~niceどすえ~!(^^)!
2025年07月09日 18:29
ウナギに限らず、基礎研究は50年単位の長い時間が掛かります。
でも、国内では基礎研究を軽視し応用研究だけに絞っていて、近視眼的な成功のみを追求しています。
こんな事をしていたら、技術立国なんて言う言葉も他国に取られてしまい、日本は没落の一途でしょうね。
2025年07月09日 18:54
写真がAIだと聞いて安心しました^^;
中国産のウナギは絶対食べませんが、ヤンマー産のウナギなら食べてもいいかな~♪