ウナギ完全養殖、持続可能な未来への扉を開くか? 水研機構とヤンマーが特許取得
近年、ウナギの資源保護は世界的な課題となっています。そんな中、日本の水産研究・教育機構とヤンマーホールディングスが、ニホンウナギの完全養殖における画期的な技術の特許を取得した、というニュースが大きな話題を呼んでいます。
ウナギ、国産は高いですね。
私のような下々の人間には手が出ません。
とくに、2010年以降、高くなったなあと思います。
Copilotによると、5つの原因があるといいます。
1. シラスウナギ(稚魚)の減少
2. 完全養殖の難しさ
3. 養殖コストの高さ
4. 需要と供給のバランス
5. 気候変動の影響
これだけの理由があれば、高くもなるでしょう。
しかし、逆に言えば、これらがクリアになれば、国産ウナギの供給が、より安価で安定的に行われることになります。
ということで、それらをクリアにするといわれているが、今回の特許です。
この技術は、絶滅の危機に瀕する天然ウナギへの依存を減らし、持続可能なウナギ供給の未来を切り拓く可能性を秘めています。
特許の意義:ウナギ養殖の常識を覆す革新
ウナギ、完全養殖で量産へ 水研機構とヤンマーが特許取得https://t.co/xEN3VXBFcf
— 日経関西 (@nikkeikansai) July 4, 2025
水産研究・教育機構は完全養殖のウナギ量産に向け、ヤンマーHDと大型水槽の新技術を開発し特許を取得。研究用の水槽の10倍のウナギの幼生が居心地よく過ごせ、餌もまんべんなく食べられる設計です。 pic.twitter.com/iryIFQt3YQ
今回の特許取得の最大の意義は、その画期的な技術にあります。
特許の対象となっているのは、主に以下の2点です。
高密度・低コスト飼育を実現する大型水槽技術
これまでのウナギ稚魚(シラスウナギ)の飼育は非常に難しく、生存率の低さが課題でした。
今回の技術では、従来の10倍以上のシラスウナギを飼育できる大型水槽が開発され、しかも製作コストを75%削減できるとされています。
これにより、稚魚の安定供給と生産コストの削減に大きく貢献することが期待されます。
安価で高成長を促す画期的な餌の開発
ウナギの成長を効率的に促進し、かつコストを抑えた餌の開発も特許に含まれています。
これは、完全養殖ウナギの商業化において不可欠な要素であり、量産化への大きな一歩となります。
これらの技術は、天然シラスウナギの捕獲を抑制し、絶滅危惧種であるニホンウナギの保護に直結します。
ワシントン条約による国際取引規制の検討が進む中、この技術は環境負荷の少ない養殖の実現に貢献し、国際社会からの評価も期待されます。
また、人口増加による食料需要の増大と環境負荷低減という世界的なニーズに応えるものとして、その重要性は計り知れません。
現時点での課題:量産化への道のり
ウナギの完全養殖への挑戦は、長い歴史があります。
1973年:北海道大学が世界初の人工孵化に成功
2002年:水研機構が人工孵化技術を確立
2010年:水研機構が世界初の完全養殖に成功
2023年:近畿大学が大学として初めて完全養殖に成功
そして今回の特許取得にこぎつけたわけです。
今回の特許技術は、これらの課題を同時に解決する革新的なものです。
50年来のプロジェクトだったわけです。
もちろん、今回は大変な前進ですが、完全養殖ウナギの本格的な量産化には、実はまだ課題が存在するとされています。
課題点は、AIのGeminiにまとめてもらいました。
量産施設の整備と供給網の構築
特許技術を活用した大規模な養殖施設の建設や、全国への安定供給を可能にする流通システムの構築が不可欠です。これには莫大な初期投資と時間が必要となります。
品質の均一化と向上
量産化されたウナギの品質を一定に保ち、天然ウナギに匹敵する味や食感を実現することは、消費者に受け入れられる上で非常に重要です。
消費者の理解促進
完全養殖ウナギに対する消費者の認知度を高め、その安全性や持続可能性について理解を深めてもらうための啓発活動も重要となるでしょう。
今後の展望
ウナギ、完全養殖で量産へ 水研機構とヤンマーが特許取得https://t.co/IymlfMIyeC pic.twitter.com/EPKZ84cZeS
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) July 5, 2025
今回の特許取得は、長年以上にわたるウナギ完全養殖の研究が、いよいよ商業ベースに乗る段階に達したことを意味しています。今後の展望としては、以下のような点が挙げられます。
持続可能なウナギ供給の実現
天然資源に頼らない安定的な供給が可能になることで、ウナギの価格変動の抑制や、今風に言えば、「持続可能な」すなわち年間を通じて美味なウナギが食卓に並ぶことが期待されます。
他魚種への応用と水産業の革新
今回の養殖技術は、ウナギだけでなく、マグロやサケ、ブリなどの他の高級魚種にも転用される可能性があります。これにより、日本の水産業全体に大きな革新をもたらす契機となるでしょう。
たとえば、今年はイワシが採れないなんていわれましたが、食物連鎖の一番弱いところの供給がしっかりしないと、魚類全般の水揚げに影響します。それらの調整にも役立つかもしれません。
環境問題・食糧問題への貢献
完全養殖ウナギは、環境問題、食糧問題、そして技術革新という三つの柱を同時に実現する潜在力を持っています。これは、日本の農水産業の未来を象徴するプロジェクトとも言えます。
今後は量産体制の確立、品質の均一化、消費者理解の促進など多方面での努力が必要ですが、「持続可能なウナギ」が日常の食卓に並ぶ日は、もはや夢物語ではないのでしょう。
技術革新と社会的意義を両立させるこのプロジェクトの進展に、今後も注目が集まります。
ウナギは召し上がりますか。

結局,ウナギは食べていいのか問題 (岩波科学ライブラリー 286) - 海部 健三
この記事へのコメント
安くなる事を願っています(残念ながら私は魚・貝が苦手ですが)
養殖が上手く行けばいいですよね
以前は鰻の代用でナマズって話も有ったけどどーなったのかな?
なので中国産を食べる事がないです。
でも国産が安くなったら、買って食べたいですね。
早く生産コストが下がる事を祈ってます。
と言っても、食べるのは年1回土用の丑の日だけなんですけど…
なぜか日にちを間違えて、既に冷凍庫で熊本産のウナギがスタンバってます^^;
マグロだけでなくウナギまで!
ヤンマーの株価はもっと上がるかな。
全く食べません。
鰻は好きなので、日本の技術力に期待したいです。
昔は川でとれましたが、やはり開発でおかしくなったんでしょうかね。
nice!です。
NICEです(^^)
うなぎ、食べたいです!
(問いかけに対する答えになっていませんが。。。)
一昔前、湘南の海岸にもシラスウナギが来ましたが
今は少ないと。
平塚に花水川という川には成魚のウナギが出没する
ようです (*^_^*)
うなぎが安く食べられるかもしれません
>pnさん
>2025年07月09日 09:03
>タイトル下の写真はAIだよね?これ本当にやってたら凄くない?
もちろんAIです。
「うなぎの養殖場をバックにリポートするキャスター」という司令文で出てきました。
水研機構とヤンマーから、クレームが来たらどうしようかということも考えなくはなかったですが、まあちょっと変わった画像のほうが面白いかなということで、そのまま使いました。
もう何十年も食べていないです。
別に食べなくても困らないしね。
全然関係ない親でした 平和です 売れればよい商法に 乗りたがります
50年来の技術開発だったんですね。
この長期的な技術革新は欧米しはない日本の特徴ですよね。
私は来週に鰻を食べに鎌倉まで行こうと考えています。
高級食材でもあるのでもう何十年と口にしていません。
この季節はスーパーのチラシもウナギだらけですが・・。
気候変動や海洋汚染で採れなくなる魚もあるでしょうし、完全養殖が実現すれば食糧安定供給の助けになりますね。
ウナギは美味しいだけでなく、非常に栄養価が高いので、夏バテの時期に貴重な栄養源なのです。
安めの所を見計らって、少しですがゲットしてるんですよ^^
でも、国内では基礎研究を軽視し応用研究だけに絞っていて、近視眼的な成功のみを追求しています。
こんな事をしていたら、技術立国なんて言う言葉も他国に取られてしまい、日本は没落の一途でしょうね。
中国産のウナギは絶対食べませんが、ヤンマー産のウナギなら食べてもいいかな~♪