参政党の「終末期医療全額自己負担」提案が抱える5つの深刻な問題
参政党・神谷宗幣代表の「終末期の延命措置医療費の全額自己負担化」が、医療関係者や市民団体から強い反発を招いています。朝日新聞の報道によれば、神谷代表は「みとられる時に蓄えもしないと大変だと啓発する思いで入れた」と述べています。
参政党の問題発言は、挙げるとキリがないのですが、私はこの党はいずれ何らかのトラブルを起こすと思うので、その時になってから批判しても「後出しジャンケン」「結果論」などと言われかねないと考え、今のうちにとくに重大なことを指摘します。
神谷代表は何を言っているかというと、「死にゆく人に医療保険は使うな」ということです。
胃ろうや点滴などによる延命措置は、原則行わないともいっています。
ただし、何をもって延命なのか、「死に行く人」は具体的に何歳の人を指すのかなどは明らかにしていません。
ですから、医療現場の現実をあまりにも軽視した危険な提案と言われていますが、私の経験上もそのように感じています。
問題1:医学的に定義不可能な「終末期」の線引き
死ぬ時肺炎でぜえぜえ苦しい人を助ける最も端的な方法は肺炎の治療をする事で、かつそれをすると基本延命するのですが、それは苦痛を取る為の治療でしょうか、それとも延命の為の治療でしょうか?両者を確然と分けられるというのは、幻想です。 https://t.co/EX15DM7WEq
— 米山 隆一 (@RyuichiYoneyama) July 9, 2025
最大の問題は、「終末期医療」という概念そのものが、医学的に明確に定義できないということです。
例えば、80歳の方が、誤嚥性肺炎で入院したとします。
誤嚥性肺炎は高齢者の主要な死因の一つですが、だからといって、この時点で、その患者が「終末期」にあると勝手に判断されたらたまんないでしょう。。
80歳の平均余命は10年あり、適切な抗生物質治療で完治することで、さらに長寿で暮らす可能性が高いのです。なぜなら、長生きするほど平均余命は長くなる可能性が統計的に明らかだからです。
もしこの政策が実施されれば、医師は毎日のように「この治療は終末期に該当するか」という判断を迫られ、ことと次第にょっては患者側から訴えられ、医療現場は大混乱に陥ることでしょう。
診察・治療だけで手一杯の医師に、さらに仕事を加えることになります。
問題2:高齢者と家族に押し寄せる経済的負担
現行制度では、75歳以上の後期高齢者の医療費自己負担は原則1割(一定以上の所得者は2割または3割)で、月額の自己負担には上限が設けられています。
例えば、年間所得が156万円以下の後期高齢者(住民税非課税世帯)の場合、入院時の自己負担上限は月15,000円です。
これが全額自己負担となった場合、同じ治療でも負担額は数十倍に跳ね上がります。
DeepSeekの試算によると、
- 肺炎治療(2週間入院):現行制度では上限15,000円 → 全額負担なら約50-70万円
- 人工呼吸器管理(1ヶ月):現行制度では上限15,000円 → 全額負担なら100万円以上
- 化学療法(1コース):現行制度では上限57,600円(高額療養費制度適用後) → 全額負担なら200万円以上
だそうです。
問題3:医療格差の拡大と憲法違反の懸念
日本国憲法第25条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定しています。終末期医療の全額自己負担化は、経済力によって受けられる医療に格差を生じさせ、この憲法の理念に明らかに反します。
問題4:医療現場への悪影響
全額自己負担制度が導入されれば、医師は治療方針を決定する際に、医学的根拠だけでなく患者の経済状況を考慮せざるを得なくなります。
これは医療の公平性を根本から損なう危険性があります。
たとえば、経済的負担を考慮し、本来は回復可能な患者にも終末期診断が下されたり、症状が悪化するまで積極的な治療を行わなかったり、訴訟リスクを恐れ、必要以上の検査や治療が行われたりしかねません。
問題5:社会保障の理念からの逸脱
社会保障制度は「相互扶助」を基本理念としており、健康な人が病人を支え、若者が高齢者を支えるという世代間の連帯によって成り立っています。
「若者世代が高齢者世代を支えるのは大変だ」と神谷代表はいいますが、その若者だっていずれ高齢者になって世話をしてもらう世代になるんだ、ということを忘れてはなりません。自分はいつまでも若いつもりなのでしょうか。
自分の家族に置き換えて考えてください
AIのGeminiに、終末期とは何かと尋ねたところ、このような回答が出ました。
「回復の見込みがなく、死が避けられないと判断された患者に対して、身体的・精神的な苦痛を和らげ、残された時間をより穏やかに過ごせるように提供される医療やケア」
冒頭に書いたように、参政党の提案は何歳以上という定義もないので、法案化されたら、高齢者でなくても終末医療扱いされる場合が出てくる可能性があります。
14年前の火災で、私の妻は心肺停止、子どもがJCS300(深昏睡⇒脳死の一歩手前)になったことがあります。
胃ろうや経管栄養を、無駄な延命の代名詞のように唾棄する人はいますが、私の妻子は、鼻からチューブを入れて栄養を摂って命をつなぎました。
とくに下の息子は、2歳だったために胃が小さく、栄養が十分に行き届かないため、チューブを2本入れて、1本は十二指腸に直接栄養が入るようにして命を保ちました。
そうやって、「延命」したから「生還」したのです。
何を言いたいかというと、延命と救命は地続きにあるもので、区別なんかつけられたら助かる命も切り捨てられるぞ、といっているのです。
延命と救命とそんなに簡単に区別がつくんですか?
— 有馬哲夫 (@TetsuoArima) July 9, 2025
神谷氏はこう突っ込まれたらちゃんと説明できる人ですか?
単なる人命軽視では? https://t.co/nfZHtuURB2
みなさんは、この問題いかがお考えですか。

「終末医療」45のウソ 愛川欽也はなぜ「在宅死」を選んだのか? (「無駄で危険な医療+治療45」シリーズ vol.6) - EDGE編集部
この記事へのコメント
治療と延命の線引きもどうやって区別をつけるのか定かではないですよね。
我が家の母たちは、延命を望んでいないと言っていますが家族としてはいつまでも生きて欲しいと思っています。
こんな政党の方々には、当選して欲しくないですね。
発達障害は存在しないと書かれた書籍は、考えが変わったから絶版にしたとか。
なぜ、こんな政党が人気3位なんだろう。
支持を集めていると聞いて驚いています・・。
高齢になれば年金暮らし。
高額の医療費を負担できる人ばかりではありません。
お金のないヤツは長生きするなということなのですね。
こんな政党には投票しません!年取るとその前の費用も莫大
だが。終末期は「ヒドイ病気で、病院救急入院」が、未来は
読め無い万人にとって、その時点では真ですから。相当な
親族への、負担の押しつけ政党が、いつのまにか、日本には
出現したようですねぇ。
最近の政党支持率からみて自民党票の相当数が他党へ流れそうですからね。
セミの大合唱。夏真っ盛り。
この政党が票を延ばす勢いなのかと言うことです。
終末期医療全額負担・・・これに賛成する人たちが
多いということですかね。
この政党は票を集め政権に加わりたいのですよね。
終活の年齢ですが、本格的に進めていません
子どもたちには、ベッドに寝かされ管を巻かれているなら
延命長はしいようにと伝えています
自分の寿命が尽きるときは、自然体でいいと思っています
物事は深い洞察をもって理解し、国の統治は実に多岐な問題に直面していて、
総合的に政策判断が必要とおぼえます。
実際、父は100歳を超えていましたし、母も90歳を超えていましたので
迷うことはなかったですが、念を押されると心が揺らいだ記憶もあります。
誰しも明日の保証はありません。
是非、彼には100歳まで生きていて欲しいものですね。
いくら素晴らしい政策言われても所詮数の力ですから
見通し暗しです 😂
選挙公報には、「健康で医療費削減に協力した高齢者には国内旅行券を配布」程度の事を言っていて、なるほど、わたしは健康維持するため、けっこう頑張っているからなあ、と思っていましたが、終末期医療は自己負担などというのはなんという、ひどい言葉でしょう!期日前投票はすませてありますが、ここに入れなくてよかった、もちろん比例もいれていません
子息には延命治療はしないように伝えています。
(自力で食事がとれなくなったら)子供は書類に書いておくようにと
こんな主張をする人が国会議員にxxxまっぴらxごめんこうむり隊