老舗子役事務所・宝映テレビプロダクション倒産が示す芸能界の構造変化
2025年7月30日、東京地裁が子役育成で知られる芸能プロダクション「宝映テレビプロダクション」の破産手続き開始を決定しました。この出来事は、長年日本の芸能界を支えてきた老舗事務所が、現代の変化についていけなくなった現実を浮き彫りにしています。
芸能プロ「宝映テレビプロダクション」が破産開始決定。
— 東京商工リサーチ[TSR]公式 (@TSR_NEWS) August 6, 2025
負債1億円超、タレント738人に影響。
設立1977年、声優・俳優・モデルを抱える老舗プロダクション。
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子役劇団や芸能プロダクションは、次の2つの収入の柱があります。
1.入団した素人の子から月謝をとってレッスンをする
2.その子が1人前になったらメディア出演のマネジメント料をとる
ところが、最近は、このビジネスモデルが崩れていました。
まず、特定の芸能プロの寡占化により、それ以外の事務所にまわってくる仕事が少なくなったこと。
少子化で、入団・入所者からの収入が減ったこと。
また、昨今の芸能界デビューのきっかけは、ネットやオーディションなど多様になり、劇団や芸能プロダクションのニーズが相対的に減っていたこと。
そして、そのネットというメディアが力を持ち、「無理して芸能界で売り出すより、YouTuberの方がコストも掛からないし自分の思い通りの活動ができる」と考えられるようになったことなどから、芸能プロダクションという市場自体が斜陽産業になっていました。
そんな中で、業界老舗の宝映プロダクションの所属タレントや事務所養成所講師が、今年に入ってから相次いで、自身のSNSで事務所が突然閉鎖された事を報告していました。
事務所には張り紙で、1月17日に事業終了及び破産手続きを開始したことを告知。
7月30日付けで、東京地裁より破産開始決定を受けました。
芸能事務所ビジネスモデルの崩壊か
出身者として
— ララ (@zqpCL4gDknmK1wE) August 6, 2025
松平健や稲川淳二、遠藤憲一、三原じゅん子、
つるの剛士、小栗旬などが名を連らね
負債は債権者約738名に対し約1億140万円。
うち700名以上はエキストラなどへの未払い
エキストラの人たち、かわいそう‼️
タレント養成所の宝映テレビプロダクションが破産https://t.co/ljzXhFnHTV
私が中高の生徒の頃は、芸能雑誌の裏表紙といえば、当時の名称で「東京宝映」の入所者募集の広告でした。
私の同級生で、芸能界が好きで応募して入団したのがいましたが、「映画会社の東映と東宝が出資者らしい」という話をしていました。
私の世代で、出身者として真っ先にイメージできるのは、三原じゅん子でしょう。
宝映テレビといえば三原じゅん子 https://t.co/30cdzx2C9e pic.twitter.com/oeVW6zutQE
— きなこおはぎ (@kinakotukiohagi) August 6, 2025
当時は漢字で、三原順子でしたね。
同時期、三原順という漫画家がいたので、そこからとった芸名かと思っていたら、当時の本名らしいですね。
それ例外にも、遠藤憲一、大場久美子、小川範子、小栗旬、高木美保、仁藤優子、松平健、つるの剛士……、たくさん出ていますね。
盛者必衰の理を表す
こうした劇団&芸能事務所倒産は、実は宝映が初めてではありません。
たとえば、私が人生を迷走していた20代の頃、なんだかんだで縁あって所属していた、劇団白鳥座というところも、閉鎖してしまったんです。
ご存知ありませんか。昭和のドラマを見ていると、エンドロールでよく出てくる事務所。
病み上がりで、就職もせずブラブラしていた頃、スタジオ収録の、テレビドラマの仕事が多い(映画に比べて拘束時間が短い)と聞いて入ったのですが、たしかに、TBSの緑山スタジオとか、六本木のテレビ朝日スタジオでよく仕事をしました。
学校時代の同級生は、名刺に「リーダー」とか「主任」とかつき始めて、結婚もし始めた頃ですが、その路線からは外れてしまった私の青春だったんですよー
とくに、『渡鬼』のプロトタイプといわれている『ああ家族』(1986年、TBS)という、石井ふく子P、橋田壽賀子脚本のドラマに呼ばれたときは緊張しました。
『ああ家族』(左から大空眞弓さん、山口崇さん、私、ベンガルさん)
子供の頃見ていた、喜劇駅前シリーズのヒロインだった大空眞弓さんと、まさかこんな至近距離で絡めるなんて……。
時期としては、『金曜日の妻たちへ』を撮っていた頃だったので、楽屋では、ちょうどいしだあゆみさんと同じ部屋で、でもいしださんには、たくさんおつきの人がいたので、ご挨拶もできなかったですけどね。
白鳥座は、わらべの「たまえ(高橋真美)」の出身事務所で、80年代はそれなりに潤っていたと思うのですが、なかなか新陳代謝の激しい世界です。
わらべ 倉沢淳美、高橋真美、見栄晴
— 懐かしい昭和時代(女性) (@natsukashi__) May 27, 2024
明星 1983年(昭和58年)11月号 #昭和#わらべ pic.twitter.com/ZHxrreDaDt
かつての名門としては、劇団若草も倒産しています。
二木てるみ、葉山葉子、松岡きっこ、酒井和歌子、坂上忍などを輩出しました。
劇団部門はありませんが、バーニング系のサムデイ、宇津井健や藤原紀香が所属していた事務所ですが、バーニングをもってしても持ちこたえられなかったようです。
どんな世界でも、永遠ということはないんですね。
逆に言えば、現在不遇をかこつ立場であっても、何がきっかけでブレイクするかわかりませんから、たとえ歳をとっても、日々希望をもって前向きに生きてゆきたいとは思っております。
東京宝映という劇団&事務所、ご存知でしたか。

劇団解散したけど質問ある? - 森山智仁
この記事へのコメント
倒産してたんですね。
ほんと!確かにかなりブレイクしていても永遠という事はないですね。
芸能界に行った知り合いもいますが、スカウトだったりオーディションでした。
劇団で知ってると言えば、劇団ひまわりとか劇団東俳くらいです^^;
はほとんど知りません。それにしてもこのブログの管理人様も、たいへん
な御苦労を、されたんですねぇ。
名前だけは知っていました。
栄枯盛衰世の習いを改めて感じざるを得ません。
選挙の様が変わったのと共通しているかもしれませんね。
今、NHKに出てるとCMにも使われ、ドラマにも使われる。
そんな感じがしています。
タレントの品性も低下してるかも。
でも、そこから輩出された芸能人の方々は存じ上げています。
一見、華やかな芸能界も厳しい現実を抱えているんですね。
芸能人が 自分で事務所開設 多くなりました・・・使われてる身は・・
お給料でしょうが・・・トップが 好きなことしてちゃーー ダメですよね
テレビドラマに出演なさっていたのですね!^^
今は誰もがyoutubeで配信が可能、そのまま人気が出てデビューというのも多そうです。
今も活躍していらっしゃる芸能人方が在籍していたプロダクションだったのですね。
年を重ねると、テレビドラマなどは見なくなりましたので
知らないタレントが増えました
東京映宝は知りませんでした、ごめんなさい
時代の波を乗り切るにはどんな企業も大変ですよね (*^_^*)!
大変な世界なのですね(お金が飛び交っているような錯覚)
対応できないところは淘汰されるのかな