「南京大虐殺はなかった」発言が問題となる理由
ジャーナリストの櫻井よしこさんによる、「南京大虐殺はなかったことが証明済み」という発言が大きな議論を呼んでいます。この発言に対して多くの歴史研究者や専門家から疑問の声が上がり、「学問的には決着がついている」との指摘がなされています。
なぜこのような発言が問題視されるのか、そして社会にどのような影響をもたらすのかを考えてみたいと思います。
日本政府と学術界の公式見解
結論から書きますと、日本政府が南京事件の存在を公式に認めているという事実は明白です。
外務省の公式ウェブサイトでは、「日本軍の南京入城(1937年)後、非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できない」と明記されています。
外務省の公式サイトから引用します。
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1.日本政府としては、日本軍の南京入城(1937年)後、非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できないと考えています。しかしながら、被害者の具体的な人数については諸説あり、政府としてどれが正しい数かを認定することは困難であると考えています。
2.先の大戦における行いに対する、痛切な反省と共に、心からのお詫びの気持ちは、戦後の歴代内閣が、一貫して持ち続けてきたものです。そうした気持ちが、戦後50年に当たり、村山談話で表明され、さらに、戦後60年を機に出された小泉談話においても、そのお詫びの気持ちは、引き継がれてきました。
3.こうした歴代内閣が表明した気持ちを、揺るぎないものとして、引き継いでいきます。そのことを、2015年8月14日の内閣総理大臣談話の中で明確にしました。
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これは、日本政府の一貫した立場であり、戦後の歴代内閣が継承してきた見解です。
「石破は認めたが、安倍は認めなかった」とか、そういう不統一は一切ありません。
なんとなれば、それは学術的な観点から、基本的なコンセンサスが形成されているからです。
2006年から実施された日中歴史共同研究においても、防衛研究所の研究者により、「日本軍による集団的、個別的な虐殺事件が発生し、強姦、略奪や放火も頻発した」との論文が発表されています。
議論が分かれているのは、被害者の具体的な数についてであり、事件の存在そのものではありません。
当時の報道を真に受けてはならない
だから公文書が重要なのですよ。専門家がなにいってるかではなく、公文書で事実が確認できるかどうか。
— 有馬哲夫 (@TetsuoArima) August 21, 2025
公文書を踏まえない専門家の意見はただの感想。今どき英米の公文書館いかない専門家などいない。
櫻井よしこ氏「南京大虐殺はなかったことが証明済み」発言に疑問 https://t.co/6W1Qa2x3Cv
ではなぜ、これほど明白な歴史的見解を、いとも簡単に否定する言説が出回るのでしょうか。
定説の歴史観を否定する人々を、歴史修正主義者といいますが、彼らは根拠として、当時の報道を示します。
ただし、当時の日本の報道、映画、放送などの情報はすべて、徹底的に検閲、報道統制されており、とくに戦争に関しては、プロパガンダであることは疑いようがありません。
歴史修正主義者たちは、そのことを知らない、もしくは都合が悪いからスルーして、プロパガンダを真に受けて、虐殺はなかった、日本軍は歓迎されていたなどと、おめでたいことをいっているのです。
これは、学界でも、国際社会の常識にも通用しません。
だから、歴代総理は誰であっても、学術的見解を踏み外していないのです。
以前もご紹介しましたが、文藝春秋社から出ていた『マルコポーロ』という雑誌で、「ガス室はなかった」などというトンデモ記事を掲載したところ、広告主がいっせいに出稿をとりやめ、雑誌はあっという間に廃刊となり、編集長は会社を去らざるを得なくなりました。
欧州では、ホロコースト否定論(つまりガス室はなかった論)に対して、法的規制を設けている国もあります。
これは、歴史修正主義が、民主主義社会の基盤を揺るがす危険性があるという認識に基づいています。
まずはファクトチェックから
先日の、終戦の式辞で「反省」という文言が話題になったことに触れましたが、過去の過ちを認めることは「自虐」ではなく、より良い未来を築くための前提条件です。
歴史的事実について議論することは重要ですが、それは証拠に基づく学術的な手法によって行われるべきです。
SNSの、出所不明なポストを真に受けるのではなく、ファクトチェックは経たほうがいいのではないかと思います。
今は、Webから、国会図書館にもアクセスできますし、AIでも事実関係が明白なことならファクトチェックはできます。
AIは信用なりませんか?
たしかに、分野によって得手不得手もありますし、シラッと間違った回答を出してくる場合もありえますからね。
私は基本的に、複数のAIで確認しています。
私は、GeminiとnotionAIは有料プランを使っていますが、今はそれ以外は、複数のサービスの無料プランを少しずつ使っています。
Grok、ChatGTP、Claude、DeepSeek、Genspark、Perplexity、Copilot、Manu、Felo……
これだけ使っていれば、無料プランの渡り歩きでもなんとかなります!
みなさんも、AIでファクトチェックされてはいかがですか。

南京事件 新版 (岩波新書) - 笠原 十九司
この記事へのコメント
認めて次へのステップへ進まなければいけない気がしますが、不思議です。
AIは相変わらず使ってないのですが、Xを見てると最近良くGrokのインストール画面が表示されています。
素晴らしい!
事実かフェイクかいちいち裏を取らなければいけない嫌な時代になりましたね。
情報過剰の闇の部分ですね。
あの婆さんをジャーナリストだと見ている人が多いですが、記者として現場で取材した事実はありませんので、表現としては論説委員ぐらいが妥当ではないかと思います。
人数が多いから、つじつまが合わない、という論法です。
事件があったのか、なかったのかを語るとき、
人数のつじつまがあわないから、なかったと言い切るのは
乱暴な論法と思いました。
nice!です。
AIは複数でって所が今のところ正解な気がする(^◇^;)
を探そうとしているときに表示されると、かなりうっとうしいです。
一体どっちが正解なのか?
惑わされるのは 一般市民 携帯の普及で 正解のないネットニュース
本当に怖い時代に です
私は詳細を調査したわけではないので、意見ではなく感想に近いですが、
当時、南京でなにかを日本軍が起こしたのは事実なのではないでしょうか。
しかし80年以上前の出来事です。
具体的にどんなことが行われたのかを検証するのは、
今となっては難しいのではないでしょうか。
批判を覚悟で言うと、中国の主張を鵜呑みにするのもどうかと思います。
議論をすればいいと思っています
お互いに歴史をどのような視点でみているのか?
大虐殺の大とは何人をさすのかは、疑問です
私は、一応学者の世界の玄関先に入っている人間なので、有馬哲夫先生のコメントが全てだと思います。
自分にとって受け入れたくないか、都合がいいかではなく、ファクトが前提です。
一次資料に当たらない感想では、「専門家」であろうがなかろうが、学術的には意味のないことです。
あのお国の数量の表現は当てになりませんよね。
AIを使う事ないので、
使ったことはないです。
あまりにも無理があるのではないでしょうか。
愚者の私は口にチャックを
まして国が認めていることなんだからそれでいいんじゃないかと思うんですが
なんでそこまでなかったことにしたいのか不思議ですね。
ファクトチェックだけでなく、仕事で複数のAIさんにお世話になっています、無料で。よほどのクリエイティブな要件でない限り、十分なポテンシャルです、無料版。
それにしても、桜〇某さん、ファクトチェックしてないのですね、ジャーナリストなのにね。。。
NICEです(^^)
最右翼ですね。
安倍元総理に近い人物と云われています。
岸総理元総理の流れを受け継いでいるとみられる人物です。
中国は日本から被害を受けた立場です。
さて、南京大虐殺を否定する櫻井ろしこ氏が今、何故否定するのか?
男社会を肯定して、その中で生き抜こうとする氏の思惑を感じない訳にいきません。
私は理解できません。