善意から生まれた「逆ヘルプマーク」はなぜ広まらなかったのか?
このブログでも何度かご紹介しているヘルプマーク。それと同じデザインで色が違う逆ヘルプマークが話題になったことがありました。ヘルプマークは理解とヘルプを求めるもので、緑色の逆ヘルプマークは、ヘルプする意思を示すカードでしたが、普及することはありませんでした。
まず、最初にヘルプマークの“おさらい”として簡単にまとめます。
ヘルプマークは、外見からは分かりにくい困難を抱えている人が、周囲に配慮や手助けを求めるためのものです。
ヘルプマークの対象者は、義足や人工関節を使用、内部障害や難病、精神障害、パニック発作、発達障害、知的障害、高次脳機能障害、妊娠初期など、援助や配慮を必要としている方々です。
障害者認定の有無や、身体機能等に基準はありません。
赤色を基調としたデザインは、目につきやすく、緊急性が高いことを示すために選ばれました。
ヘルプマークは、援助や配慮を必要としていることを周囲に知らせるためのマークです。ヘルプカード(たすけてねカード)は、障害名、症状、配慮してほしいこと、緊急連絡先などが書かれています。#ヘルプマーク #ヘルプカード pic.twitter.com/omSaWdIp5d
— 無明子 (@shirimochigome) June 12, 2024
このヘルプマークの認知度が上がるにつれて、健常者の中にも「手助けする意思があることを示したい」と考える人が増えてきました。
そこで登場したのが、緑色をベースにした「逆ヘルプマーク」です。
緑のヘルプマーク 市役所に行って聞いてみましたが…まだない(泣)入る予定も未定。
— かつやんぶるえっぐ☆心の應援團長☆ (@1205_yuzu) June 25, 2025
もしかしたらフェイクニュースだったかなぁ?
まぁこの意識は持ち続けたいと思います。 pic.twitter.com/8xGL0eJDzo
赤いヘルプマークと同じデザインで、色を緑に変えただけのシンプルなマーク。
「困っている人がいたら助けますよ」という意思表示を示すために考案されたこのマークは、多くの人の共感を呼びながらも、結果的に普及はしませんでした。なぜこの温かいアイデアは実現しなかったのか。
善意と現実のギャップ
最近話題の
— れいちゃん(ぜろ)@停止 (@REI_KGM) January 18, 2020
「逆ヘルプマーク」
ヘルプマーク(右)の色を緑にした
手助けの意思表示マークなんだけど
これはあくまで
小学生が発案しただけであって
ヘルプマークと違い
公的機関の物じゃないし
ヘルプマークを作った都庁は
製作許可してないみたいだから
あんまりまだ拡散しない方がいいと思う… pic.twitter.com/7jo1afJv7J
逆ヘルプマークは、2019年、静岡県清水市の小学6年生、米田海乃梨(みのり)さんが考案しました。
きっかけは、先天性の難病「ムコ多糖症」を患う、2歳年上のお兄さんの存在でした。
母親の真由美さんが、仕事仲間から「私はこの逆マークが欲しい」と言われたことを話すと、海乃梨さんは学校の総合学習の授業で、友達と一緒に実際に逆ヘルプマークを描き、作成したのです。
この純粋で温かいアイデアは瞬く間に注目を集め、2019年の静岡県議会で取り上げられ、県も「前向きに検討する」と答弁。新聞やSNSで話題となり、全国に広がりを見せました。
しかし、ヘルプマークの著作権を持つ東京都が、緑色の逆ヘルプマーク作成を許可しませんでした。
東京都の公式見解は以下の通りです。
「考え方としてはとても共感するものの、緑色の逆ヘルプマークを作る考えがない。理由は、ヘルプマークの本来の目的は、誰もがマークを掲げている方をサポートしてあげる、そんな社会の実現をイメージして作ったもの。もし逆ヘルプマークがあると、持っていない人には声をかけづらい、逆ヘルプマークをつけていないからサポートしなくていいんだという意思表示になってしまう可能性がある」
問題点は、4つありました。
1. 色覚特性への配慮不足
最も深刻な問題は、色覚特性(色覚異常)を持つ人への配慮です。赤と緑の区別が困難な人にとって、ヘルプマークと逆ヘルプマークの判別は極めて困難。助けが必要な人なのか、助けたい人なのかの区別ができないという致命的な欠陥がありました。(biquet.infoより)
2. 既存の類似マークとの競合
逆ヘルプマークと同じ趣旨の「サポートマーク」や「サポートハートマーク」が既に存在していました。特に「サポートマーク」は青地に白十字のデザインで、NPO法人日本サポートマーク普及協会が推進。同じような目的のマークが複数存在することで、かえって混乱を招く恐れがありました。
3. ヘルプマーク自体の認知不足
冒頭で認知は広がってきたとは書きましたが、まだ不十分で、障がい者総合研究所の2018年調査では、障がい者379名のうち「ヘルプマークを知らない」と答えた人が53%に上りました。本体のヘルプマークすら浸透していない状況で、新たなマークを導入することの是非が問われました。(media116.jpより)
4. 社会的な意味の複雑性
東京都が懸念したように、「逆ヘルプマークを持たない人は助けない」という逆説的なメッセージを社会に与える可能性がありました。本来、困っている人を助けることは当然の行為であるべきで、特別なマークがなければ助けないという社会になってしまうリスクが指摘されました。
善意の圧力に繋がりかねない懸念も
緑のヘルプマーク初めて知った。是非ほしい。付けたい。 pic.twitter.com/cjghlSd7wO
— るみな?????? (@Luminyan_F) June 24, 2025
私自身の感想としては、気持ちはわかるけれど、東京都の不採用の理由、つまり、助ける意思をマークで表明することへの懸念がたしかにあります。
「私は逆ヘルプマーク持ってるよ、あんたはないのか。あんたには人を助ける気持ちがないのか」と、善意を大義とした圧力に繋がりかねないからです。
コロナ禍の自粛警察とか、必ずそういうなやつが出てくるんですよ。
そして、こうしたマークは、普及し実践されないと意味がないので、「覚えきれない」ことがあってはならないことから、なるべく必要なマークだけに数を絞ったほうがいいのではないかと思います。まずは本来のヘルプマークを知ってもらうことです。
そして、ヘルプする側は、マークの有無に関わらず、困っている人に気づき、適切なサポートを提供できる社会を作ることです。
ヘルプマークをつけた方を見かけたら、気に留めてください。

parabito22 ヘルプマーク キーホルダー ヘルプマーク ケース ヘルプマーク タグ (紫)
この記事へのコメント
そういうのがあるのですね
認知全然されてないですよね
下らん報道よりもこういう事の認知に時間を割いてほしい
でも、まだつけている方を実際見た事はないのですが…
ヘルプマークの有無に関わらず、困ってる人には手を差し伸べたいですね。
ものなので、首都圏の電車やバスにはマークの説明が
ありますよね。
わたしも、横浜ではなく、都内の地下鉄でもらいました。
首都圏以外では、配布しているところが少ないのでは?!
ましてや、逆ヘルプマークとなると、都内でも知っている
人は、ほとんどいないと思います。そもそも必要性を
感じません。
ヘルプマークは申し出だけでもらえるので妹が助かってます
作った子や家族の気持ちも理解できるし、都側の言い分わかり、普及しなかったのは仕方なかったかな?と理解しました。でも、ここでそういう物があったんだとわかった事が良かったです。
ダッシュで走って、探す程度しか、私には能が無いですが・・
年一度の24時間なんちゃら、ではなく。
そういう人間になりたいです。
でも実際は言葉や行動に移すには勇気が必要ですね。
先ずは出来ることからやれたらいいな!!
逆ヘルプマークなどなくても自然に助けられる社会になってほしいものですね。
と言う気持ちとは裏腹に、もし、嫌がられたら、とか、色々考えてしまう面もありますね
何もつけなくてもみんなが助け会えるような社会に
なって欲しいですね (^▽^)/
これが無くても誰もが手を差し伸べられるといいですね。
外見からでは分からない助けを必要とする方にとっては有効だと思うんですけど。
個人的には逆ヘルプマークはちょっと懐疑的です。
日本人の民度の高さを信じたいです。
また付けている方も最近多く見ますが、これは何なのか?
恥ずかしながら初めて知りました😢
最近多く見られ、大丈夫なのかなと思う時が
もし緊急の事態に出会って対処できるか、心配になります。
自分はヘルプマークをあまり見かけません。
nice!です!!!
逆ヘルプマークは知らなかったです^^