「しぶそば 蒲田店」閉店で考える、立ち食いそば市場

「しぶそば 蒲田店」閉店で考える、立ち食いそば市場

東急線・蒲田駅改札内にある「しぶそば 蒲田店」が、2025年9月30日で閉店と報じられました。店舗の老朽化による閉店とのことです。JR京浜東北線や、羽田空港行きのバスも出ているターミナル駅で、勤め人の利用者も多かったので、閉店が惜しまれています。


「しぶそば 蒲田店」は、1968年の開業以来、「田園そば」「そば処二葉」「しぶそば」と、57年間も東急線の蒲田駅内で営業をされ、小腹が空いた時に出汁の香りにふらっと立ち寄りました。

運営会社は、東急グルメフロントという、東急株式会社が100%出資している子会社です。

「しぶそば」は、渋谷駅から始まり、東急沿線の駅にて店舗を構えています。

系列店も含めると都内に9店舗あり、大田区には蒲田店の他にも、池上店、多摩川店があります。

ただし、池上店や多摩川店は、「立ち食い」ではなく、テーブルと椅子が用意された店舗として比較的最近開店したものです。です。


たとえば、池上店は、新しくできた駅ビルの中に入っています。

蒲田店の閉店を知り、立ち食いそば業界がどうなっているのか、AI(Gemini)に尋ねてみました。

多様化と新規出店が見られる状況


最近の立ち食いそば店の景気については、多くの課題を抱えつつも、多様化と新規出店が見られる状況だそうです。

業界全体の傾向
閉店の増加
2020年以降、特に古くから営業している老舗の立ち食いそば店の閉店が目立っています。主な理由としては、原材料費(そば粉、油など)や光熱費の高騰、店主の高齢化、人手不足、そして再開発による立ち退きなどが挙げられます。

価格上昇のプレッシャー
立ち食いそばは、手軽で安価な点が魅力でしたが、コスト増により「かけそば300円台」「かき揚げそば500円」といった価格帯を維持することが難しくなっています。消費者はわずかな値上げにも敏感に反応し、客足が遠のくケースもあります。

「かけ」で400円の大台に乗ったときは、さすがに私の足も遠のきました。

一方で、立ち食いそばの市場全体は拡大傾向にあるといいます。

これは意外でした。

従来の「安く早く」という立ち食いそばとは異なる、新しいスタイルの店舗が増えているためだそうです。

高単価路線の台頭
昔ながらの店舗が閉店する一方で、こだわりの素材や自家製麺、ユニークなメニュー(肉そば、カレー、珍しい天ぷらなど)を提供する、高単価でクオリティを重視した新興の立ち食いそば店が増加しています。これらの店舗は、SNSなどで話題となり、若い層や女性客も取り込むことで成功している事例が見られます。

二極化の進行
このように、市場は「安価で回転率を重視する生活インフラ型の店舗」と、「品質やユニークさを重視する高単価型の店舗」という二極化が進んでいます。

……とのことです。

新しいタイプの多くは、テーブルと椅子を用意していますね。もはや「立ち食い」ではなくなっています。

さらに、Geminiは、こうまとめています。

「しぶそば蒲田店が閉店されたことは、残念ながら多くの店舗が直面している課題を象徴していると言えます。しかし、業界全体としては、古いスタイルが姿を消す一方で、新しい魅力を持った店舗が次々に生まれており、「立ち食いそば」という食文化そのものが失われるわけではない、というのが現状です。」

私のお気に入りの立ち食いそばは……



私の、「従来型立ち食いそば」のお気に入りは、神奈川・京急線京急川崎駅大師線ホームの京急系立ち食いそば「えきめんや」のたぬきそばです。

天かすが、汁が見えないほど覆われているのがいいのです。


新しいタイプの立ち食いそばでは、前述の、しぶそば池上店の、自家製かきあげそばです。

天ぷら粉に重曹を加えて揚げているのか、サクサクしています。

池上駅は、1970年代までは駅構内に立ち食いそば店があったのですが、閉店になってジュースの自動販売機が置かれ、そこから40年たって、駅の真上に駅ビル「etomo池上」ができて、その2階に「しぶそば池上店」が開店しました。

池上駅利用者は、40年ぶりの駅そばというわけです。

食券制で、テーブルと椅子席です。

メニューも、一般お蕎麦屋さんに劣らぬバリエーションで、電車に乗らない駅ビル利用者も含めて、終日お客さんが途切れません。

立ち食いそばの手軽さもよいですが、少し時間をとって、こうした「品質やユニークさを重視する高単価型の店舗」もいいかもしれませんね。

みなさんの地元の「立ち食いそば」店は、「安価で回転率を重視する生活インフラ型の店舗」ですか、「品質やユニークさを重視する高単価型の店舗」ですか。

全国駅そば大百科 (旅鉄BOOKS PLUS) - 旅鉄BOOKS編集部
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この記事へのコメント

2025年09月05日 22:39
蕎麦は大好きなので、美味しい蕎麦をゆっくり味わいながら食べたいです。
やっぱり、立って急いで食事する位なら、食べない方が良いかな?と思ったりします。
2025年09月05日 22:46
当地の駅そば、かけで390円
高くなりました
気軽に食べれたのが良かったんですけどね
2025年09月05日 23:55
そもそも家の近くに立ち食いそばのお店がなくて…
隣駅だったら、駅のホームに立ち食いラーメン店があるのですが…
学生時代は、良く「安価で回転率を重視する生活インフラ型の店舗」利用しました。
2025年09月06日 00:46
わたしは立ち食いが厳しいので、駅そばは
入りません。
椅子があるそば屋を探して入ります。
2025年09月06日 00:59
こんばんは、いっぷくさん。
少子高齢化、人口減少はあらゆる産業に影響を与えているようですね。
2025年09月06日 05:31
炭水化物と、揚げ物の組み合わせで安いので。私は
最近、全く利用しません。
2025年09月06日 05:43
一時期路面蕎麦に凝ってました。
2025年09月06日 05:49
立ち食いそばを食べたことがないのですが、海老名ではお蕎麦屋さん自体が無くなっています。
 マンションがたくさん建って、若い人が入ってきているので、ハイカラな食事が多くなって、お蕎麦屋さんがなくなりました。おひるにちょっとよってたべるところがないです。ピザとかスバゲティとかばかりです。
pn
2025年09月06日 06:11
鴨居駅のも閉まったまんまで再開の見込みなさそう。
狭さゆえの立ち食いでもあると思うので椅子だテーブルだは場所によっては無理だろうな。
2025年09月06日 06:41
現役のころは博多駅の立ち食い食べてました。
2025年09月06日 08:22
急いでいるときとかいいのに
2025年09月06日 09:34
時間が無い時に重宝してます。減ると困りますね。
2025年09月06日 10:14
昔ながらの ・・閉店に  寂しさをも感じますね
2025年09月06日 11:46
昔は駅のホーム上にも沢山あった立ち食いそば、絶滅危惧種になりつつありますね。。
2025年09月06日 11:55
JR西日本の京都駅には立ち食いそばがありますね

急いでいる時には立ち食いそばは良いと思います。
2025年09月06日 13:30
駅蕎麦は昔入ったって感じです。
最近はラーメン屋さんが隆盛で蕎麦屋さんは影が薄くなった感じです。
私的には残念な傾向なのですが時の流れでしょうか。
残念です。
2025年09月06日 14:25
十三の阪急そばで仕事帰りに立ち食い家で夕食で10kgは太りました~niceどすえ~!(^^)!
2025年09月06日 14:35
立ち食いソバってカケならお安いイメージでしたが
今は、それなりの値段になっちゃいましたね。
2025年09月06日 16:41
昔は我が家の最寄り駅前にもあったし、隣駅にも「田園蕎麦」がありました。
瞬く間に姿を消していってしまいましたね。
中高時代に乗換駅からちょっと離れた立ち食いそば屋さんを思いだしました。
製麺所の直営で丼の直径が中華丼並み、深さが日本蕎麦丼並みと容器から大。
「かき揚げ月見大盛り」なんぞを頼むと大変です。
蕎麦はご飯の漫画盛り状態で、玉子が流れ出ちゃうんで別容器での提供です。
日本の高度成長期に忙しく外を廻っていたサラリーマンの栄養補給所と思っていましたが、業態が多様化して進化しているんですね。
2025年09月06日 20:01
しぶそばさんは池袋店でたまにお世話になっています。
池袋にはJRの他に東京メトロや東武鉄道 東上線や西武鉄道 池袋線が乗り入れていますが、「西武だから西に有る筈」との思い込みで西口へ向かうと東武鉄道の乗り場だった…と肩透かしを喰らいその際にしぶそば池袋店さんへお邪魔したのがキッカケでした。
仰るとおり駅そば市場は縮小の一途、中でも後継者不足で名店にも拘らず閉店されてしまうと言う残念な結果になる一方、桜木町の川村屋さんのように娘さんが一念発起して再開されたり駅舎リニューアルで一度は閉店された所沢の狭山そばさん等、当時の味を守ってくださっているお店も有りますね。
私も関東のお蕎麦大好きなのでこれからも立ち食い蕎麦探訪を続けていきたいと思っています。
2025年09月06日 20:26
立ち食いソバって入った事がないですが
経験してみたいですね。
2025年09月06日 23:11
麺類・苦手でしたが最近はよく食べる様に
蕎麦は?でしたが信州に行くようになって食べる様に
常念という蕎麦屋さんで味を覚えて(^_-)-☆